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安室奈美恵の引退に想う。日本の「芸能」と「芸能界」の間のジレンマ

高山真2017.09.21

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 安室奈美恵の引退のニュースに、周りの若いオカマたちが阿鼻叫喚の様相を呈しています。その気持ちはわからなくもありません。あたくしも、ジャンヌ・モローが亡くなったときは似たような感じになったし、今後、松田聖子やユーミンが引退したらそんな感じになることでしょう。ただ、「聖子やユーミンは絶対に引退しない」という確信に近い思いも抱いているのですが。

 安室奈美恵は、なんと言うか、「芸能人の中で、もっとも歌とダンスが好きな人」であり、同時に「芸能人の中で、もっとも芸能界が大嫌いな人」だと、あたくしは思っています。(メディアまでを含めた)日本の芸能界について回る、ズブズブな感じとか、しがらみだけで回っている感じとか、芸事だけでなく何もかもを売り物にしてしまおうとする感じとか。

 大好きな歌とダンスを極めれば極めるほど、その人気は高まるけれど、人気が高まれば高まるほど、本名の「安室奈美恵」にまつわるあれやこれやまでが否応なく人目にさらされることにつながってしまう。安室奈美恵は、25年間のキャリアの、たぶん20年近くは、そのジレンマの中で生きてきたのではないか、と。安室奈美恵を尊重して、彼女のプライベートな生活や出来事がどのように報道されてきたかを、ここで再び記すのは控えますが。

 そのジレンマを最初から感じない人だったり、そのジレンマを飲み込んでも「売れたい!」と思える人だったり、あるいはすべてを人前にさらすこと自体が喜びになってしまう人でないと、芸能界というのは、生きていくこと自体が難しい世界なのかもしれません。いや、そういう人であったとしても、安室奈美恵クラスのジレンマに耐えられるかどうかは正直わからない。あたくしの知る限り、そのクラスのジレンマを受け止めているのは松田聖子くらいものですから。

 誰よりも突出した「芸能」の才能を持ちながら、「芸能界」には最後までなじめなかったフツーさを併せ持つ。それこそが、安室奈美恵を唯一無二の存在にしていたのかもしれません。一年後からは、本当に静かな生活だけを望むアムロちゃんが今から想像できるようです。ここからの長い人生、せめて彼女が、本当に望んでいる生活、あれほど好きだった歌とダンスを捨ててまで欲しかった生活を、ちゃんと手に入れられますように。

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