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今年度、ある運動部の顧問を割り振られた。全く希望していなかった運動部の顧問だ。昨年度末に部顧問希望調査用紙が配られ、「全職員がいずれかの部活動の顧問になること」「第三希望まで部活動名を記入すること」「必ず運動部の部活動を入れること」という確認事項があった。

第一希望を昨年度顧問をしていた文化部、第二希望を別の文化部、第三希望を一昨年度に顧問をしていた運動部にして、希望調査用紙を提出していた。

年度当初の職員会議で各部の顧問一覧が出された。目が点だった。担当となった部活動は、全く希望していない運動部。中学高校時代に経験したスポーツでもなく、専門でも何でもなく、ルールもほとんど知らない運動部の顧問だった。事前に何の打診もなかった。

その運動部は男女別の部で、女子部に2名、男子部に2名の顧問が割り当てられていた。本来なら男女別で活動していくことになるのだが、男女合わせて4人の顧問で両方一緒に見ていこうと顧問内で話し合い、4人で部活動を分担することになった。

部活動の活動日については、「文部科学省の指導」が入り、平日は一日以上の休みを、土日はどちらか一日の休みを設けなければならなくなったため、月曜から金曜のうち、一日休みが入り、残りの4日を4人の顧問で分担するため、平日は一日の担当だ。

だが週に一日とは言え、19時30分まで部活動に付き合うことになる。超過勤務は3時間弱。毎朝7時30分より前には職場に到着しているため、部活動の当番の日は、12時間以上の勤務ということだ。

こんな状態の部活動を、もし一人の顧問で行っていたとしたら、とんでもない超過勤務だ。連日3時間程度の超過勤務。週に4日で12時間程度。平日分の超過勤務だけで、ひと月に50時間近くになる。

これに、休日の部活動が入れば、半日の部活動でひと月に20時間程度。一日の部活動なら40時間程度。平日の超過勤務と合わせれば、ひと月に80時間前後となる。まさに、過労死ラインそのものだ。

4月から新たな運動部の顧問としての部活動が始まって、週一回の超過勤務を何度か経験したが、仕事が終わった後に、母の介護のために実家に立ち寄ってから帰宅すると、21時過ぎになることもしばしば。

次の日には5時起床だから、23時には就寝しようと心掛けているので、21時過ぎに帰宅してから食事を作って食べて入浴して…と、2時間未満で済ませると、体にすごく悪そうな生活習慣となる。

週に一日でもしんどいのに、こんな生活を何日も何年も続けている部活動の顧問も、全国にたくさんいるだろう。しかも、平日の超過勤務は全てボランティアだ。残業代は全くない。

そして、今回の10連休。ニュースで「史上初の10連休」と連呼されるたびに、「どれほどの人が10連休だろうか」と疑問を抱いていた。観光地などでサービス業をしている人は、掻き入れ時なので当然仕事だろうし、コンビニエンスストアも営業を続けるだろう。

介護関係者や医療関係者も完全に10連休とはいかないだろうし、「主婦」は家事が10連休になるとは考えにくい。日給月給の人は、休みが増えると金銭的に厳しい状況が待っている。自営業の人は休んだ分の収入は減る。手放しで10連休を楽しめた人は、ごく少数なのではないか。

かくいう私も、10連休にはならなかった。そう、「部活動」の「おかげ」だ。昨年度、文化部の顧問をしていた時は、平日しか活動していなかったため、連休中に部活動はなかったのだが、今年度の運動部は、昨年度の段階で、10連休中に大会が組み込まれていた。

大会の前に練習試合、大会の前日は会場設営、大会そのものは二日間あって、大会の後は通常の練習という日程だった。全ての部活動に出ていたら、10連休のうちの大半が潰れてしまうところだった。

幸い、この連休中も分担できたので、全ての日程に参加せずに済んだのだが、それでも、朝は8時前から、夕方は18時30分過ぎまで拘束されて、勤務時間を超えて働くことになった。

今回の大会には、県内外から参加校があり、それぞれの学校から顧問が生徒を引率して参加していたが、ほとんどの顧問が男性だった。女性の顧問はごく僅か。部活動顧問では、「性別役割分業」的な状況がまだまだ残っている。「女性は文化部。男性は運動部」。

だが、そもそも、部活動そのものが「勤務時間」を無視しなければ成立しないやり方で行われているのだから、もう学校教育から部活動は切り離したほうがいい。そうしなければ、「働き方改革」は絶対に無理だ。

さて、希望しなかった運動部の顧問。「働き方改革」を進めて勤務時間を守ることができるように、一歩でも近づける努力を、運動部の顧問の一人として実行できるか。悩ましい日々が続いている。

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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