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長谷川豊がまたもや差別発言、部落差別と女性差別の複合差別

李信恵2019.05.24

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元フジテレビアナウンサーで日本維新の会公認、今夏の参院選比例代表候補の長谷川豊が、またもや差別発言を行なっていたことがわかった。また、じゃなくこれで何度目だ。問題となったのは、今年2月に東京都内で行われた講演。その際に、被差別部落に対して差別発言をした。その内容が2019年5月15日にYouTubeにアップされ、その後Twitter上でも取り上げられ、大問題となった。

内容については、差別用語とデマだらけなので取り上げるのも心が苦しい。簡単に説明すると、江戸時代に「えた・ひにん」と呼ばれた被差別部落民がいた。その人たちにも性欲があり、大勢で暴行しようとすることもあった。そして、彼らは「犯罪のプロ」だとも。その際、武士は妻子を守るために刀を抜いた。誤って刀で妻子に傷がつかないように、離れろとする距離が三尺だそうだ。で、「女は三尺下がって歩け」と云うのが「愛の言葉」だというのだ。

長谷川は馬鹿か。馬鹿だけど。江戸しぐさも真っ青の解釈で、話にならない。男尊女卑、女性差別をここまで都合よく解釈することにも驚くし不愉快だけれども、そのためにさらに部落差別を持ち出すことの愚かしさにも吐き気がする。

そしてこの長谷川の発言は、部落差別と女性差別の複合差別でもあると私は思う。

この差別発言が明らかになったとき、思い出したのが2013年に東京・新大久保や大阪・鶴橋で行われたヘイトデモだ。この二つの場所は、在日朝鮮人の集住地域でもある。同年の2月9日に行われた新大久保でのデモの際、コールしていた参加者の男性が「自分は大阪から来たが、大阪の鶴橋にもコリアタウンがある。夜になったらレイプが多発する」と叫んでいた。もちろんこれも完全なデマだが、今回の問題がこのひどい発言と重なった。レイシズムとセクシズムは親和性が高いと聞いたことがあるが、まさにその通りだと思う。彼らが求めているのは、性暴力の被害者である女性の救済ではない。差別を正当化するために、女性を、性暴力を利用しているだけだ。もしくはその逆、両方あるだろう。女性は男性の所有物でもないし、差別者の自尊心を満たす道具でもない。

その他にも長谷川豊には「人工透析患者」についての暴言がある。女性に関しては「女が完全にとち狂って本能に支配され切って完全にクルクルパーにならないと子供産もうなんて思わない」「8割がた女ってのは、私はほとんど『ハエ』と変わらんと思っています」などといった発言がある。

これまでの発言も問題にはなってきたが、いつでもその発言がいつの間にかうやむやになって、さらに過激な発言が繰り返されてきた。その結果がこれだ。麻生太郎副総理兼財務相の数多くの失言さえもが許されてきた土台があるからだろうか。さらに、これらの発言を支持する層が少なくないということも問題だ。

2016年に「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消進法」という、いわゆる差別を解消するための3つの法律ができた。法律ができたときはとてもうれしかったが、これらの法はきちんと機能しているのだろうか。こんな差別発言が国民の代表であるはずの国会議員(候補者)からも発せられると、どないなってるんやとうんざりもする。

私は関西で生まれ育ち、世代的にも学校で教育を受けてきたが、それ以外の地域や若い世代では部落問題を知らない人も多い。長谷川豊は奈良出身で、私より少し年下だ。そういった人権教育を受ける機会がなかったのだろうか。あったとしても、きちんと身についていなかったのかもしれない。社会的な構造もあるが、無知は偏見や差別を産む。人権教育をきちんと受けること、部落をはじめあらゆるマイノリティについて出会い、知ることが何より必要だと思う。

また、日本維新の会は公認候補や党員に対して、きちんと人権教育を受けさせてほしい。また、長谷川豊は公認取り消しで、政治の世界には足を踏み入れないように。こんな人権意識のかけらもない人が、議員(候補でも)になるってマイノリティに取っては恐怖でしかない。まあ、日本維新の会に限らず、自民党にも前述の麻生太郎や杉田水脈などおかしな議員はたくさんいるけれど。ちゃんとした人を、政治の場に送ろう。

ちなみに、長谷川豊は5月22日付の自身のブログで謝罪し、発言を撤回した。「これから、『人権』について全力で真剣に学んでいくことをお誓いいたします」とあった。ぜひ、全力で真剣に人権を学んでほしい。謝罪とは、過ちや差別を繰り返さないこと。もちろん私も、しっかり学びたい。

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李信恵(り・しね)

1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。 

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