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性暴力犯罪の不当判決に抗議する「フラワーデモ」が広がっているのがうれしい。
4月に東京で始まって3回目となる6月11日、日本を縦断するように全国9都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、神戸、下関、福岡、鹿児島)で女たちが集まった。
今回は地方で開催した立場からの思いを書いてみたい。

初めて開催した名古屋。
誰が、どのくらいの人が集まるのか、見当がつかなかった。

開催を決めてから2週間。
611が近づくにつれて、続々と取材の依頼が入ってきた。注目どころじゃない。411の後、たった2カ月で、報道側が無視できなくなってきた証拠。
  
取材への配慮を徹底してもらわないといけない場だけど、メディアの力は大きい。
不当判決に問題を感じて声をあげている人たちの姿を社会に知らせていけるなら、私たちの声を「ないものにしない」声を届ける役割を果たしてもらいたい。
なので、取材は基本的に歓迎した。

Twitter公式アカウントには【取材依頼やご意見などは、公式サイトのメールフォームにお願いします】とあるのに、事前に依頼があったメディア以外に、いきなり当日来て「よろしく」という乱暴な社もあった。
最終的にテレビ6社、新聞5社に囲まれることになった。

余談を少々。
5月末、日本フェミニストカウンセリング学会全国大会が横浜で開催された。私は「フェミニストには“ことば”と“行動”が必要だ~韓国から学ぶ #Me Too、#With You とその支援~」という分科会をもった。
ゲストに北原みのりさんを迎えた。
このタイトルは、自分にプレッシャーをかける意味もあったといえる。

分科会をもったのは、前回このコラムで書いたキボタネツアーのこと、「行動する」韓国フェミニストたちの歴史と「今」を、性暴力の法律や制度、取り組みの現状を、フェミカンの人たちにぜひとも知ってもらいたかったから。

韓国の #Me Too、#With You は今に始まったことではない。
長い時間をかけて闘い続けて勝ち取ってきた。
民主化運動で培われてきた基盤があること。
戦時性暴力の当事者による告発が、性暴力被害者支援の原点となっていること。
女性支援の条件が「フェミニスト」であること。
若年女性支援は、若年女性自身の視点で見える、気づけること。
SNSの駆使、アウトリーチでの直接的な支援が必要なこと。
ワンストップセンターなど、予算が国の責任で賄われていること.

などなど。

フェミカンにつながる女性支援を現場で担う人たちに、お隣の国がどれほど柔軟で豊かな支援体制で動いているかを、そのうらやましい現状を、それらは黙っていては生み出せなかったことを、ここから学ぶことがヤマほどあることを伝えたかった。
北原効果もあって、満員(60名)だった。

私は「行動するフェミニズム」について、自分のことをグズグズ考えていた。そして、その分科会の2日後、北原みのりさんからフラワーデモ名古屋の話が突如舞い降りた。

4月11日のあの「フラワーデモ東京411」をふりかえってみる。あのスタンディングデモは感動のできごとだった。日本の #Me Too、#With You が動き出す予兆のように見えた。あの場にいられないことが残念だった。

5月、大阪がやるらしい。誰か、名古屋は声をあげないのだろうか。そう思っていたら、福岡でフェミカン仲間が声をあげた。

「無罪判決出した名古屋地裁の地元だよ! 誰もやらないの? ここで声あげなくて、いいの?」
・・・自分は何もしないくせに、そんな自分勝手なことを思っていた。そうなんです、情けないことに、私は誰かが動いてくれるのを待っていた。自分が呼びかけよう、とは思ってもいなかった。

話を戻すと、そんな私が「名古屋でもフラワーデモをやりたい声がある。フェミニストにやってほしいのよね」と言われて、心臓をギュッとつかまれた感じ。その瞬間、即答していた。

正直言うと、「来た!」と思ったのかな。

ためらいなく「名古屋でやろう」と思えたことに、迷いがない自分に驚いた。
このまま何もしないわけにはいかない、黙っていたくない、声をあげようと思えた。

611の開催まで2週間。「やる」といっても一人じゃできない。どうにかしないと開催はできない。誰とならできるか考えた。はじめに声をかけた人たちの反応は鈍かった。
「それじゃ、この人!」と声をかけてみて大正解! それが大当たりだった! 
そして「フラワーデモ@なごや」が始動した。
 
協力してくれたメンバーは、弁護士や団体職員、教師など多様なつながりで緩やかに支えあい、当日は14名になっていた。

準備の打ち合わせは、ほぼすべてグループLINEで行った。始動した日から、怒涛のLINEラッシュ、というか、メッセージでの打合せ。顔を合わせてのミーティングは1回のみ。SNSを駆使する醍醐味と濃密なLINEメッセージの嵐の日々が続いた。音響機器の手配、メディアへのお知らせなど、その手配や段取りに慣れている人もいて、それはとても助かった。

今はこういう形で物事が進んでいくんだ。これなら全員参加で、即レスできて調整も決定も時差なしでできる。「今はそれ、当たり前」と言われてしまったけど~。確かに、即レス、全体共有、ノートへの記録があれば、後で加わった人にも情報が共有できた。

そうは言っても、それぞれが考える準備や方法がフラワーデモのあり方としてどうなのかと、迷うこともあった。シスターフッドのためにも合意形成は丁寧にもちたかった。

ちょっと膠着しそうな時、北原さんやエトセトラブックスの松尾さんからの、的確でスマートな助言がとてもありがたかった。

そうして迎えた6月11日は、朝から不安な空模様。スマホの気象情報と空を見上げてばかりだった。
名古屋は雷注意報が解除されないまま、最悪の事態はなく、19時にフラワーデモ名古屋は無事開催できた。

まだ準備しているときに近づいてきた若いカップルがいた。2人とも時間より早く来て、フラワーデモの場所はここ? と聞いてくれた。20歳くらいかな。小さな花を1輪ずつ手にもっていた。少し離れたところで、始まるのを待っていてくれた様子が心に残っている。
少しでも話してみればよかったな。「今日は、どうして来たの?」って。

スピーチを引き受けてくれた被害の当事者の方たちには、心からの感謝。大勢のマスコミもいる中で、覚悟していたとはいえ、マイクの前に立つこと、話すことに緊張があったに違いない。涙で声にならないこともあったから。
それでも、言葉にしてくれてありがとう。
その場にいた人たちは、きっとあなたの言葉を聞いて、おかしいことはおかしいと思ったよ。一緒に声をあげようとそこにいてくれたから。そんな人たちがつながっていたことを感じてもらえていたらうれしい。

その日、その場で、マイクをもって話してくれた方、ありがとう。

話そう、と思って来てくれた。あの場であなたの話を聞けて、よかった。
性風俗で働いていること、そこで思うことを話してくれたあなたに、ありがとう。
買う側の男の問題を放置している社会に声をあげてくれてありがとう。

あなたの問題は、私たち女の、みんなの問題だということを知っているから。
私の問題は、私たち女の、みんなの問題だということを知っているから。

今、私たちは気がついた。黙っていては何も変わらないことに。
黙っていたから何も変わらなかった。そのことに気がついた。
黙っていたから相手の思うつぼだった。
だから、黙るのをやめよう。
ヒミツにしなくてもいいんだから。だって私たちが悪いんじゃないんだから。
不当判決裁判は控訴された。裁判支援という応援もある、行動できることはある。

フラワーデモ名古屋611は、途中で雨が降ってきて20時に解散した。
当日、まだ話をしたいと手をあげてくださっていた方、ごめんなさい。あなたの声は7月に聞かせてください。
7月11日、花をもって、花を身につけて、また集まりましょう。

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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