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ブランドインタビュー 第6弾!exsens 〜中編〜 「一番大切なのは、自分自身を受入れ、自分らしく生きる自由を許すこと」

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パリ発のマッサージオイル、ローションブランド「exsens(エクセンス)」。exsensのマッサージオイルは今までに見たことない、全く新しい驚きの商品でした。
今回、私たちラブピスタッフは毎年ドイツで開かれるセックスグッズの見本市「eroFame」で、exsensの欧州マーケティング&セールス(M&S)担当のナタリーさん、そして北米セールスマネジャー担当のレベッカさんに会い、インタビューをしてきました。

前編 「みんなの体、喜び、幸せがOKになる製品を作るということ」

中編では、昨年から新たに加わったオーガニックシリーズから、企業として、そして一個人として、オーガニック対しての姿勢をお伺いしました。
また、日本の女性、フランスの女性、アメリカの女性とセックスグッズについて、セックスとコミュニケーションについて興味深いお話を伺うこともできました。

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(左:ナタリーさん、右:レベッカさん)

 

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■オーガニック製品について。

ラブピ:exsensは昨年からオーガニックシリーズを始めましたね?昨年お会いしたときに、「オーガニック認証を取るのがもうとっても大変だった」と仰っていましたが、そのあたりの苦労話をぜひお聞かせください。

20181115ex03.jpgナタリー:オーガニック認証を取るのに難しいことは、まず成分ね。口に出来るオイルを開始したとき、オイルとして植物性グリセリン、フレーバーをつけるために人工甘味料に使ったの。そしてオーガニックのオイルの開発を始めたとき、私たちは全てを変えなければならなかった。
人工甘味料はステビアに変えて、植物性グリセリンはオーガニックのグリセリンに変えたのだけど、これはECO CERT(注1)に認証されていなかった。
(注1:ECO CERT・・・1991年にフランスで設立された有機認証機関のこと。土の質から管理し、1年に1度の定期検査を厳しく設けるなど世界的に高い水準を維持している機関です。)

私たちはまず最初にこの使用成分の認証に大きな努力を払ったのよ。そして調合方法の認証を取り、製品の認証を取るという、完成までに3つのステップを通ったのね。でも努力しただけあって、認証を取れた結果をとても嬉しく思うの。このセックスグッズの市場に砂糖と置き換えてステビアを使った本当にオーガニックのものを出せたのだから。

レベッカ:今まで出していたオイルも、もちろん普通の砂糖ではなくて人工甘味料ね。膣に入ることをふまえると、普通の砂糖は使えないから。でもステビアは、正直なところ、身体に安心だし、いい味。それにいい甘さよね。

ラブピ:オーガニックシリーズが出たときに、味が変わらず美味しくて驚きました。その裏にはそんな苦労があったんですね!
オーガニック認証を取得したわけですが、オーガニック認証を取得することは会社として必要だったのでしょうか。

ナタリー:オーガニック製品を作ったのは必要に迫られたわけではなくて、なんというか、私たちの願いだった。私たちにとって大切なのは、害のない製品を作ること。そして私たちは女性であり、子供もいて、娘たちもいる。だから自分たちの体、娘たちの体に安全な製品をと考えることはとても大事なの。そしてそれは私たちの大切な信念。
オーガニック製品を作ることは全く義務じゃない。でも私たちにとっては、エシカルな視点からみてとても大事なことなの。それが理由。そして、もっともっとオーガニック製品を進めていこうと決めたから、認証を取って、身体に現れることはあなたを改善している、ということを証明している。それだけよ。認証を取るのは義務というわけではない。

レベッカ:認証を取るのは良いことだと思う。多くの人がオーガニック、ビオ、エコと口にするけど、これらはマーケティングだったりして、製品そのものについてのことじゃなかったりする。
つい最近見たばかりなんだけど、ローションでビオという名前の製品があったの。でもオーガニックじゃない。ヴィーガン、ということなんだけど、あとは全く普通なの(笑)。すると、動物性のものは一切なしな全てのものがヴィーガンでなければならなくなる。つまり基本的には意味がない。
だから私たちがマーケティングの為にやっているわけではないことを示すために、とても大事なことなんです。アピールするために、売るために、というだけでは本当のオーガニックじゃない。

ナタリー:私たちは若い女の子たちの将来を考えているの。彼女たちは安全な製品を使うべきで、それはとても大事なことだと思う。

20181115ex02.jpgレベッカ:良くない製品というものが、もう長い間、多く出回っていると思う。そういう製品はセクシーだし、使う人もあまり注意を払わない。食べる物のことは考えるのに、体の中に入れるものや体につけるものについては考えない。でも本当は同じくらい大事なことだと思う。そして、ますます多くの人が「身体に安心するものを使う」ことに注意を払うようになっているし、もちろん私たちはそうしている。このポリシーは私たちのブランドにおいて一番大切なことね。

私がナタリーに初めて出会ったときに初めて話したのはこの話題だった。初めて話したとき、「あなたたち製品のパッケージってヨーロッパで作ったものですよね?」と私は言ったの。でも、私はこんな考えだったの、「もっと安くできるでしょう?中国とか。」って。今では許してほしいけど。
そうしたら彼女は言ったわ。「ノー!だって欧州からのものはBPAフリー(注2)で、そして米国にも近い。印刷の際のカーボン量も少ない。」と。いろいろな理由があったんだけど、私は思ったの、「ワオ!この女性!先を行ってる!」って。
(注2:BPAフリー・・・ビスフェノールAフリーのこと。ビスフェノールAはプラスチックの原料となる物質。環境ホルモンと定義され、EUをはじめとした各国で規制されています。)

ナタリー:もちろん中国からのものがダメだというわけではない。中国にもいいものはある。でも欧州だったら使用している素材を自分で管理できるの。イタリア、スペイン、フランスからうちの材料は入手しているし、自分で直接行って供給業者とも会えるし、どういうふうにやっているかも見ることができる。
中国ではそこに行ってどうやっているのかを見て管理することができないのよ。それが、私たちが近くの国の人たちと仕事をしたい理由。私たちが自分たちで、自分たちがやっていることに責任を負わなければならないのだから。
悪い製品を顧客に売ることはできない。ごめんなさい、これは当社ではなくて供給業者のせいです、とは言えないでしょう。だから欧州の供給業者の方が近いので、うまく管理できるの。

レベッカ:直接足を運んでチェックする、というのはとても大事なこと。そしてそこで起きていることをちゃんと見ておくこと。欧州内でさえも、ときには見に行って問題を見つけることもあるんです。ともかく足を運ぶことが大切だと思う。どの製品のときも冒険みたいな感じ(笑)

ナタリー:ホントね(笑)

■日本の女性、フランスの女性、アメリカの女性とセックスグッズについて

ラブピ:話がちょっと変わりますが、ここでせっかくなのでセックスグッズ業界で働くおふたりから見た、各国のセックスグッズと女性、または女性たちの話をお伺いしたいと思います。日本では女性がトーイを買おうとすると、または買うと、性に積極的すぎると思われる風潮がまだ残っています。フランス、アメリカではどうでしょうか。

レベッカ:似たような偏見はフランスにもあると思う。そして実のところ、米国も同じです。大抵の場合、男性が、とは言いたくないけど……、社会が女性に対してセクシーであってはならない、と言いたがる。
彼らは怖いんじゃないかしら、女性がセクシーになることや、愛の快楽を得ることにね。本当は素晴らしいことなんだけど。女性は快楽を得てはいけないとされたり、オーガズムを得てはならないと思ってるんじゃないかしら?
私が思うのは、セクシーになることについて怖れがあるんだと思う。女性がセクシー過ぎると、またはセックスが好き過ぎると、何かその女性に問題があるんじゃないか、と思われる。男性たちは、その女性の頭がおかしい、とか思う。
男性だって、セックスが好きならそれでいいじゃない。そして女性だって好きならいいこと。でも彼らは、「女性がセックスが好き」だったら、それはおかしなことだ、って考えるわけ。恐らく、女性は快楽を得ようとしてほしくない、と社会が思っているからなんじゃないのかな。
女性がセックスが好きなら、女性はセックスの度に快楽を求めるようになるんじゃないかって彼らは思って恐れてるの。
でも私たち女性は喜び、快楽を求めるべき。女性だって男性と同じようにセックスが好きなんだから。とても大事なことよ。このことは米国も同じような問題を抱えてるし、どこの国でも同じだと思うわ。もしかしたら北欧は違うのかもしれないけど……、わからないわ(笑)。

私たちは皆、それぞれの立場で闘って前に進むべきよ。ラブピのようなお店は、正しい方向へのとても大きなステップよ。ここに来てもいいのよ、と声をかけること。何かを試して、問いかけて、その事について考える。こういうことが正しい方向へと本当に後押ししてくれる。だって、快楽を私たち女性から奪うのは社会だけの問題じゃないの。私たち自身もやってしまってるのよ。そういうように育てられて考えるようになっているから。だから全ての女性にとって、前にステップを踏むこと、そして問いかけることはとても大事なの。

ナタリー:全く同じ意見。さらにフランスでは歴史的な境遇があるの。男性はいつも優位な立場にいて、女性はその下に置かれている。何世紀にも渡ってそうだったの。でも実のところ現代では、男性は女性がオルガズムを得られるか得られないかといつも要求されている。続いてきた歴史だから変わるには長くはかかると思うけど、変わってきてはいる。
ラブピのようなお店は、女性が普通のセクシャリティと欲望を伴って、ただ普通のこととして感じる手助けをしている。

ときに女性はセックスがしたい、ときにはしたくない、それは普通のこと。私たちには私たち自身のサイクルがあって、いつも同じセックスの要求に答えているわけじゃない。何をどうしたいのか、私たちは自由に決められる。でも言うならば、もしフランスで、女性がセックスをしたくないけど男性はしたい、となったとき、女性は男性にエロティックなマッサージをいつもしてあげられるし、挿入しなくたって男性を気持ちよくしてあげられる。これは女性が罪悪感を感じることなく、どう男性を愛しているか、何をしようとしてあげているか、ということなの。ちょっと男性に快楽をあげられればいいのよ。テレビを見ているときでも、いい気持ちにしてあげることはできる。

ラブピ:それはライフスタイルのなかでの性への考え方が変わってきているということでしょうか。

レベッカ:そう思う。そして、最初のステップを踏み出さなければならないのは女性自身だと思う。セクシャリティの事はセクシャリティなのだと受入れることね。
全ての女性が同じではないでしょう?それぞれ違う欲望を持ち、違う必要性を感じている。なんといっても大事なのは、自分自身をそして自分が何を欲しているのか、受入れること。そして何か新しいことを試してみることね。最初のステップは必ず私たち女性自身から踏み出さなければならない。だけどローマは一日にしてならず、よ。

わたし、実は既に自分の子供たちと話したの。私は2人の娘がいるんだけど、あるとき私のデスクにその内の一人、16歳の娘が来たの。彼女はやって来て座り、こう言うの。「この頃、モノガミー(一夫一婦)について考えてるの。でもモノガミーは当然の事ではないよね、」って。私は返したわ、「OK、じゃあ詳しく話してみて」って(笑)。彼女は本気で考えていたのよ。彼女はまだ16歳、セックスも経験していないのに。彼女がどんな人生を送るのかはわからない。でも彼女はそのことをちゃんと考えている。私が同じ歳だった頃に考えただろうこととは違う形でね。

20181115ex05.jpgこれは若い人たちには本当の始まりよ。母親として彼女らには挑戦し、見てみることの自由を与えなければね。だから私は楽観的に見ているわ。
女性にとって一番いいのは、フレンドリーなお店に行くこと。そしていろいろ見てみて、安全であること、笑ったりできる所かな。恥ずかしくてもOK。質問してみたりとかね。最初は1本の指だけで触れてみるとか。こういうことでまずは始めてみる、するとまたお店にやってきてもっと質問をする。もしかしたら何も買わないかもしれない。でも家で心地よくなるために、何か別のものを試してみるかもしれないし。こういうことは小さなステップよ。でもとても大切なこと。
そして一番大切なのは、自分自身を受入れる、ということよ。そして自分自身に、自分らしく生きる自由を許すことよ。セクシーになりたければセクシーになる、もしくはそうじゃない自分でも。こういうことはとても大事なことでしょう?


ナタリー:全く同意するわ。でももしカップルとして一緒に暮らすなら、男性は女性と違うニーズを持っている、ということを受入れなきゃ。彼を受入れて彼のことを助けてあげる。満足というわけではないけど、彼も自由を感じることができるように助けて上げる、そして彼の自由も認めてあげることね。
彼がしたい、またはしたくない、という自由も受入れる。それも大事なことよ。私たちはそう簡単に、OK、今夜ね、とか、今日はダメ!とは言えないでしょ?だから理解しようとしてあげるのよ。これは心理的なことだし、いい状況で一緒に暮らす、ということよ。でもあなた(レベッカに向かって)が言っていることは全く正しいわ。


レベッカ:そうね、もしかしたら男性も女性が何を求めているのか理解するようになるかもしれないわね。それもまた大事なことよ。たぶん、会話をすることはときにとても難しいことなの。何年も一緒にいる相手でもね。そしてだからこそ難しくなっているのかもしれない、会話の中でこんなことを話すのがね。あなたがこういうことをしてくれたら嬉しいのにな、とかね。
そしてときどきはお店を訪ねたり、私たちのウォーミングマッサージオイルを試しに買ってみたりするのはとてもいいことだと思う。そして、これ試してみたいの、やってみない?と突然言ってみたりするのは素晴らしいことだわ。そこから何か新しいことが始まるかもしれない。2人の間にある種の変化が起きるのよ。それも素敵なことよね。


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アメリカ、フランスを取り巻く女性と性の問題には私たちも共通の問題認識を持っていると、深く感じました。ただし、ナタリーさん、そしてレベッカさんの言葉に勇気付けられたことも多くあります。
今いる女性だけでなく、子供たちが大人になったときに使うことを考えてオーガニック製品を作ったという話、そしてレベッカさんの子供たちの会話。
 
私たちは、「自分自身に、自分らしく生きる自由」を許し、セックスをする/しない、いずれにしても、「楽しむ」ことを大切に考えて良いのです。


次回、後編では日本、フランス、アメリカの性教育の問題について、そしてexsensがアイテムを通して今の時代、どう女性へサポートしていっているのか、昨年の国際女性デーの活動や、NGOへの協力などのお話をお伝えします。

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