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緊急事態宣言が出たのに、学校再開……

深井恵2020.04.15

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3学期末の修了式も離任式もなかった3月末。実は、まったく予期せぬ人事異動で、勤務校が変わってしまった。3月上旬のいきなりの休校で、中途半端に終わってしまった授業。離任式もなく、生徒に別れの言葉も言えないまま、異動せざるを得なかった。全国各地の学校で、同じようなことが起きた3月末だ。3月末で退職した教職員は、どのような思いで教職員としての最後の日を迎えたことだろう。「当たり前」だと思っていたことが、そうではないと思い知らされる日々だ。

新型コロナウイルスの感染者が増えるなか、学校はいつから再開されるのか、先の見えない状態での異動だった。異動先では、PTA担当主任となり、クラスの副担任となった。その後感染症がどんどん増え、国が緊急事態宣言をしたのに、学校が再開してしまった。3月上旬の休校要請のときには、地方にはまだ新型コロナウイルスの危険はないのに、突如、全国一斉に休校させられ、今度は、危険が高まった状態になって、学校を再開するとは、いったい何を考えているのか。

学校を再開するにあたり、生徒が使う教室やトイレの消毒を徹底して行った。窓やドアをすべて開放し、換気をしながらの作業だ。手袋をしてマスクをつけて、一つひとつ椅子や机を消毒していく。この作業が毎朝続いている。

生徒の登校時間は、一般社会人と接触する機会を減らすため、時差通学となった。部活動も当面中止で、下校時刻も早めの時間を設定して厳守させている。生徒自身も、マスクの着用と手指消毒を徹底。お昼のお弁当は向かい合って食べない。友だちと話をする時は距離を置く、教室は窓を開放したままで授業を行う……など、新型コロナウィルス対策をさせるよう、県からの通達もあった。

しかし、授業中ならまだしも、楽しい休み時間を友だちと過ごすのに、距離をとって位置し、向かい合わずに会話するなどということが、果たして可能なのか。高校生なら多少は意識して過ごすこともできるだろうが、幼い子どもたちにそれらを求めるのには無理があろう。授業にしても、「ペア学習」や「グループ学習」を積極的に取り入れろと、文部科学省や教育委員会がこれまで推進してきた経緯がある。それらをすべて否定して、しばらくは、ICT機器を取り入れた、「接触しない」授業をしていくしかない。

学校が再開し、先日、クラス担任と分担して、生徒の個人面談を行った。個人面談をするにしても、新型コロナウイルスを意識しての面談だ。お互いマスクをして、そばに寄らずに、対角線上に距離をとって座り、面談した。

幸い、生徒たちは皆元気に通学してきていて、初めて接する私にも、面談で親しげに話をしてくれた。ニコニコ楽しそうに話をしてくれると、こちらも楽しい気分になる。だが、緊急時には弱者へのしわ寄せが起こり得るものとして、注意深く生徒を見守っていく必要がある。フランスではDV被害が3割増えたというニュースが流れていた。日本においても同様のことが危惧される。今後、新型コロナの影響で、経済的に厳しい状況になると、DVや虐待のリスクはよりいっそう高まる。子どもたちのSOSを敏感に察知できるよう、アンテナを高くしておきたい。

さて、PTA担当としての目下の課題は、PTA総会をどうするかだ。PTA総会とは、年に1度開催される、PTA活動の報告・予算等の承認の場だ。全校生徒の保護者が出席の対象で、7割ほどの出席率だ。学校規模によっては数百人の保護者が一堂に会する。その総会を、例年通り行うのか否か。

個人的には、今年度のPTA総会は、紙面ですませたいと考えている。保護者代表のPTA役員による事前協議を経て、全保護者に対しては紙面で配布。メールにより質疑を受け付け、メールで一斉送信の回答をして、メールで保護者の承認を得るという流れだ。前例にはないやり方だが、コロナウイルスを蔓延させないためには、人の集まりをなくす必要があるので、今年度の総会の持ち方としては、ベターなやり方だと考えている。体育館に数百人の保護者を集めるなんて、絶対にしたくない。

しかし、教職員の中には、時間を短縮してでも、体育館に保護者を集めて実施しようと考えている人もいて、意見のへだたりは大きい。1世帯にマスク2枚配布してコロナ対策をしようとする政府に倣えば、危機感が希薄になるのだろうか。来週には結論が出されることになるのだが、生徒が新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減するために、何とかして、体育館での実施を阻止したいところだ。果たしてどうなることやら……。

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深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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