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ウーマナイザーのこと。セックスグッズは「笑われ」「暴露される」ようなものなの?

ラブピスタッフ2021.06.16

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ある女性芸能人の夫が女性の鞄の中からアダルトグッズを発見し、DNA検査を(勝手に)した。すると夫以外の男性のDNAが検出されたという。・・・というニュースが先日流れた。直後から、その芸能人の名前を検索すると必ずアダルトグッズやその商品名が一緒に出てしまう状況になっている・・・・

なぜ、こんなことを書いているかというと。その女性が持っていたグッズは「ウーマナイザー」というプレジャーグッズで、ラブピースクラブはウーマナイザーを長年販売してきたから。そして当然ですが、このようなバスり方に困惑をしています。私たちの考え方、立ち場を記しておきたいと思います。

女性がバイブを使っていることが、面白おかしくスキャンダとして語られることは、今に始まったことではありません。むしろ女性を貶める定番の物語であり続けています。女性が一人で楽しんだり、性的に積極的な行為をとること自体がまるで男性の性的な関心をひきつけて満足させる消費財のように。考えてみれば、日本の暴力的な数々の男性向けAVの中には、女性が一人で様々なバイブを使って行為するのを映すだけのモノも少なくありません。

また、AVに出たくもないのに甘言で欺されて出た女性の被害のなかには、モデルの仕事と言われて出向いたら、目の前にバイブをたくさん並べられて「選んで」と言われ、「使って」と言われて、男がたくさんいる中で断ることもできずに言われるままに「選び」「使う」姿を撮影され、それがそのまま作品になってしまったという声もあります。

そんな風に、女性が自分で性的に満足するためのプレジャーグッズが、男性のポルノでさんざんに利用されている現実があるからこそ、ラブピでは、簡単に消費されない強く優しいプレジャーの物語りが必要! という思いで仕事をしてきましたが・・・日本社会のミソジニー、クソミソジニーの深さはあまりにも暗すぎるようです。

だいたい、女性がバイブを持っていたからといって、、、何?
バイブを持つ女性をせせら笑うニュアンスが男性週刊誌の記事にはありましたが、そもそも、この夫はDVで警察に逮捕されています。報道によれば今月5月18日未明、怒鳴り、顔を殴り、身体を蹴るなどの暴行をしたとして逮捕されている。女性側はこの時の音声を録音していたというので、よほど恐怖のなかを生きていたのでしょう。とっさに「証拠」になる暴行を記録するのは、被害者にとっては身を守るための必死です。さらにその加害男性が復讐するように、女性を性的に貶める物語を広めた。この事実は、女性も、バイブも、、、私たちのプレジャー自体が侮辱されているような、凄く悔しい気持ちになるのです。
もう一度叫びます。バイブ使っていたからなんだってんだよ?!?!?! それで女を殴る蹴り怒声を浴びせる言い訳になるとでも?! 非常にプライベートな性的なことを、公的に復讐のように語る男の加害性に軽々と面白おかしくのる男性週刊誌の醜悪に、私たちは私たちの仕事までもが汚されるような気持ちに押しつぶされそうです。

「ウーマナイザー」は、約10年ほど前、ドイツに暮らす高齢の女性が、「女性のオーガズムに、強いバイブはいらない」との考え方から、非接触型のバイブを開発したのがはじまりです。私たちも初めてウーマナイザーをみた時、どうやって使うのかわからないでいましたが、繊細なクリトリスを風で刺激する「吸引バイブ」の考え方がとても気に入り輸入をはじめたのです。
今は、多くのブランドで非接触型のプレジャーグッズがつくられています。その多くは、女性たちが自らのプレジャーを深めるために、またはカップルでのプレジャーを模索するために考え抜かれたものです。

先日、ラブピで開催したFUN FACTORYのイベントでも語られたことですが、日本のアダルトグッズ産業は、世界からみるとかなり歪です。「アジアはそももそも男尊女卑だから」という言い訳がなりたたないほど、韓国や台湾とも違う。例えば韓国や台湾で(というか一般的に世界では)一番売れているグッズは、カップルで楽しみ、女性のプレジャーを深めるグッズなのですが、日本でアダルトグッズといえば二次元アニメの少女が印刷された女性器を模したもので、男性が一人で楽しむもの・・・と相場が決まっています。そういう世界で、女性のプレジャーを肯定し、一緒に楽しもう、一緒に気持ちよくなろう、互いの性の尊厳をまもっていこう・・・みたいなトーイの文化をつくるのは、まだまだ遠い未来なのかもしれません。

だからこそ・・・なのですが、ウーマナイザーがDV被害がきっかけで日本で有名になってしまったことを非情に残念に感じるとともに、DV被害者の女性に#WithYouと、バイブが「男性が女性に使うもの」ではなく、本当の意味で、女性が自分たちの手で楽しめるバイブとして使われることを願います。ウーマナイザーも、そしてラブピで自信をもっているバイブも、DV男に消費されたり、男性に消費されるような、そんなバイブじゃないのです。

そして最後に。望まないのにバイブを男性に強制された、ウーマナイザーの使用を強制された、ウーマナイザーや他のセックスグッズをネタにセクハラを受けた、またはバイブを使っていることを暴露された・・・ということ全て性暴力です。今回のメディアでの報道から、私たちは、「性」のことを「暴露していい」「軽く捉えていい」「ふざけていい」というような風潮に抗い、セックスグッズが使われる暴力についても考えていきたいと考えています。この件について皆さんの声、お考えや、体験などありましたらぜひラブピースクラブに声を届けていただければと思います。(もちろん匿名で構いません)

ご意見をいただける方はこちらまでお願いします。

love@lovepiececlub.com (セックスグッズに関すること)

そして、Womanizer(ウーマナイザー)は、海外ではこんな風に!語られているバイブです。楽しくて美しくて、私たちを知るための素晴らしいトーイなのです。

※DV被害者のシェルターにウーマナイザーの6月中の売り上げの一部を寄付します。

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