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ひとりでカナダ大学生やりなおし~アラフォーの挑戦 Vol.2 渡加して2カ月。大学生生活はこのようなかんじ

橘さざんか2022.12.13

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このままドメスティックに生きるわけにはいかない、海外でコスモポリタンになって帰ってこなくてはという、なんだか現実感のない目標を持って渡加して2カ月。大学生生活はこのようなかんじです。

住居:自分のシングルルームあり、キッチンバストイレを一人のルームメイトと共有。古いけれど広々としてバスタブもあり快適なので、1セメスター(4カ月)で約50万円(光熱費込み)は高額ながらも妥当と思われます。こうした恵まれた環境なのはシニアアパートメントをゲットできたから。他の大学生の友達は、二人で一部屋、キッチンもないと言っていたので、もしその部屋をあてられていたら私は我慢できず大学外に部屋を探していたと思います。

授業:スライドを見せながらの授業なので英語でもなんとかついていけている。先生との関係はフラットで、カナダの学生は自分の意見を授業の最中にも気後れすることなく口にします。10月は週ごとのクイズの宿題、月回簡単なエッセイ課題(架空の研究のレポート作成)がありました。私が大学生だった20年前は全部手渡しでしたが今はすべてパソコン上ですね。私の書く英語は間違いだらけなので大学内Writing Centerに通って添削してもらっています。図書館のリサーチデスクのスタッフが文献探しを手伝ってくれたり、上級生が質問に答えてくれるデスクがあったりなど、救いの手は至るところにあります。

食事:学生食堂はピザ・ハンバーガーなどが中心のジャンクフードなのでほとんど行かず基本自炊。物価も高く(日本の約2倍)、火曜日に学生が1割引きになるスーパーで食材をまとめ買いしています。Kijijiというカナダのジモティのようなサイト(カナダでは知らない人はいないメガサイト。職探し、家探しにも使われるらしい)で炊飯器を譲ってもらったので毎日米をおいしいおいしいと言いながら食べています。

人間関係:アジア系を中心とした親しい友達ができ、食事を共にしたりジムに行ったりします。英語が第二外国語どうしの子達と話すときの安心感は半端じゃないですね……。本当はワインとか飲みに行ったりしたいけれど外食は高い上においしくないのでみんなあまりしません。ただ大学内に学生運営の立派なパブがあり集まりやすいのでよく利用しています。

このように、働いておらずだいたい大学内にいる私の生活は多分過酷な現実から隔離されたユートピアなのでしょう。まだまだ「まれびと」気分の中、気になった「PR」事情についてお話します。

PRつまりPermanent Residency=永住権は、自国のNationalityを破棄せずに無期限にカナダに住み福祉を受けられる権利で、政府は2021~2023年で120万人の権利授与を目標にしているそうです。私の知り合ったカナダ国籍を持たない友人は90%くらいPR取得を目指しており、校内でもPR取得のためのセミナーがちょくちょく行われています。
学歴や英語力、年齢などがポイント制となり高得点であるほど取得できる率が高まるということで、友達と集まっているとPRの話になることがままあります。なんで移住するの? という私ののんきな質問に答えてくれた優しい友達の回答は様々でしたが、例えば「母国はムスリム社会だから異教徒同士が結婚できないから(カップルで渡加している)」「母国ではゲイが罪になってしまうから」「母国では政府が全く機能していないから」など。

私が日本から移住するとしたらなんと説明するか考えてみたのですがなかなかうまくまとまりません。
私は日本という国の閉鎖性や「おじさん中心性」が嫌で嫌でしかたないですが、「日本のミソジニーはひどい」だけでは抽象的で説得力に欠けるのではないかと思います。実際そう言ったところ「どの国も多かれ少なかれそうだよね」と返されたこともあります。
私にとって大きい問題ではあるのだけれど、今まで日本の女友達とは阿吽の呼吸でくんでもらえていた『日本やだよね』の事情を自分の言葉で説明しなければいけないとなるとうまくできないのです。

そして気づいたのですが、恥ずかしいことに、私は今まで自分自身の言葉で、「何かが嫌だ、耐えられない」という自分自身の感覚を頼りにして意思表明をしてきたことがないのです(恋愛は別)。
自分の本音の感覚に蓋をして「そうあるべき」を優先してきました。それこそが日本的システムの一部になっている証拠だと思いますし、また嫌だ嫌だと言いつつをのシステムに乗っかりながら楽をしてときどき得をして生きてきたからだと思います。
また私自身具体的な女性差別(医学部入試や同性婚が違法であることなど)が近辺にありながらも、直接困ったことはなく、本気では怒っていなかったのではないかと。そのことに気づいた今、私はこれからそんな自分を変えようとするのかまだちょっと決心できていませんが。

外国で「Where are you from?」と聞くのは差別に当たるのでしてはいけない、というのは有名な話ですが、今のところ私は聞かれると喜んで「I’m from Japan」と答えます。すると多くの人が目を細めて「Oh Japan~」と言ってくれます。日本は非常に印象がいい国なのです。

そのことでも度々得をしています。そしていや日本そんな良くないよという気持ちに誇らしい気持ちが混ざり、複雑ながらも「Thank you~You must come to Japan some day~」とあいまいに笑う私の留学はまだこれからです。

校内の掲示板でイベントのお知らせをチェックして、興味があるものに飛び入り参加しています。ナロキソントレーニング(オピオイド過剰摂取をレスキューするためのトレーニング)やセクシャルハラスメントを目撃したときに第三者としてどういった介入をするかのワークショップが勉強になりました。



校内にある生徒運営のパブ。地元のビールを飲むことができ、値段も良心的でよく活用しています

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