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私は今、韓国に居ます。17年も住んでいた母国なので、とても慣れているはずなのですが、3年ぶりの韓国はホームシックの対象と言うよりはホームショックと言う場所に近い所でした。「あ、確かに韓国ってこうだったね。未だに変わってないんだね」というショックです。

空港から出てソウルを歩いていると、その時の韓国の流行りがすぐ分かります。どこの繁華街を歩いても同じです。長く個性がある店はほとんどなく、その時の流行りの店や服がズラリと並んでいて、本当に変わったモノを探すことは難しいです。そしてそれは女性に対しても同じです。

日本では家の前のコンビニに行く程度の外出でも女性たちが綺麗に化粧をしたりするコルセットがあるのですが、韓国はコルセットの形が少し違います。日本はランドセルやリクルートスーツ以外は多様なファッションとヘアースタイルが認められて、個性を出しやすいですし、目が細くても鼻が丸くても美人と言われることができますが、韓国はその反対。服も、髪も、持ち物も流行りに乗らないと「遅れている」または「変」と呼ばれるだけではなく、女性の外見すら決まった形にならないと美人と呼ばれることはありません。韓国の女性芸能人が大体同じ顔をしていて、大勢並んでいる整形外科が皆の顔を全く同じパーツにして生み出すのもそういった理由です。

美容院に行って似合わせカットを頼むと、「最近の流行りはこう言った形ですがいかがですか?」と、私の顔にはどうも似合わない―今流行りの女優がしている髪を薦められます。結婚をする女性たちは「新婦メイク」と言い、皆ドッペルゲンガーかのように同じ化粧をして同じポーズをして写真を撮ります。そして年を取り子供が生まれると、皆約束でもしたかのように髪の毛を短髪にします。子育てにそれが楽と言う理由もあるのですが、「中年の女性 (またはお母さんはそういうもの」と言う固定観念があるのです。もしも子連れのお母さんがおしゃれな服を着たり、髪の毛を伸ばしたりすると、「お母さんの恰好じゃない、子育てはちゃんとしているのか?」と偏見のある目で見られ、ものを言われる事だってあります。若いころと全く違うことを要求されるわけですから、脱コルセットと言うよりは新しい形のコルセットを着ることに近いですね。どこにもその女性本人の望みや個性は尊重されていないようです。

芸能人よりも顔の小さかった知り合いは、より小さい顔になりたいからと、とても危ない顎の整形手術を受けました。お医者さんもそれ以上小さくするのは難しいと止めようとしたのですが、彼女は同意しませんでした。女性は常に微笑んでいた方が可愛いからと、人間の感情とは関係なくピエロのように常に口角を上げる手術も韓国発祥で、えくぼや涙袋を作る手術も韓国から作り出されたと言っても過言ではありません。女性の体は少女で処女らしくあるべきと、小陰唇や膣を縮める手術だってありますよね?そしてそれが流行っているのはアジアだけです。

そういう韓国の文化を作っていくのが女子アイドルです。韓国の女子アイドルは世界から見るととても綺麗で、歌もダンスもでき、とても完璧な存在に見えるのですが、その一方同じ女性を苦しめている存在でもあります。例えば、体のある部位が綺麗なアイドルが話題になると、それまでのコルセットにその新しいコルセットまで加わることになり、その時流行りのアイドルのモノに合わせて身体を変えたがります。あるアイドルの直角肩と鎖骨が流行っていた時期は、全ての通販サイトのモデルが肩を丸めて上にあげて奇怪なポーズをしたり、過度に修正を掛けたりとして、皆揃えて過度に細くて真っすぐな肩と鎖骨を見せたりと、異様な風景が広がっていたのです。

動物の場合、病気で体の一部を取り除く手術を受けても身体の喪失による鬱な感情は感じないようです。体の一部を取り除き他の仲間と違う外見になるとしても、病気で苦しむよりは遥かに楽で快適な生活が出来るからだとか。しかし私たち女性はどれほどの社会的なコルセットのなか苦しんででいるのでしょうか?

そして韓国人の体格に合わない「細すぎる体型」が流行っている問題。女性の芸能人はそれは皆細いのですが、2013年まではそこまで酷くありませんでした。今のように成人の女性に未成熟な激細体型を求めるようになったのは、2015年大手の某グループのカムバックがきっかけだったのを私はハッキリと覚えています。事務所から何を求められていたかは分かりませんが、そのグループの全員があり得ない細い体で現れたのです。小顔なはずの彼女らの頭が大きく見え、バランス悪く見えるくらいだったので、相当健康を犠牲にしたダイエットを行ったでしょう。しかしそういった彼女たちを明るい音楽と照明を当て派手にラッピングした結果、人々は熱狂しました。それがとても綺麗なんだと。そこから女性服はどんどん小さくなり、女子高生の制服のサイズすら幼女服のサイズと大して変わらなくなってしまいました。マスコミの力はとても恐ろしいものですね。

マスコミの恐ろしさが続いていると肌で感じたのはついこの前のことです。中国の友人が韓国に遊びに来て、遊園地に遊びに行った日のことでした。韓国ではここ数年、制服の姿で遊園地に行くのが流行りらしくて、せっかくなので制服をレンタルして入ることにしたのです。幸いなことにサイズは33という最も小さいサイズから88へと、一見多様に用意されているように見えました。しかしそれは大きな勘違いでした。オーストラリアで体重が増えた私は、昔の韓国のMサイズである55を手に取ったのですが、かなりギリギリな感じだったのです。ストレスで体重が増えてしまった友人はサイズを変えながら何度も試着をしましたが、どれも大した変わりがなく苦戦しました。ただサイズミスで入らなかったわけではなくて、一段階サイズをアップしても、長さは変わってくるのにサイズそのものはあまり変わらなかったのです。知り合いからそう言った状況は散々聞いてましたので予想はしていましたが、試着してみてすぐ「こういうことか」と実感しましたね。なのにも関わらず韓国の女性たちは、サイズ55を超えると人生が終わるかのように落ち込みます。まるで3344が正常であるべきの姿なのかのように。オーストラリアの看護大では韓国の女子アイドルの写真が拒食症の資料として使われているので、そういう現状を見てとてもやるせない気持ちになってしまいました。日本にもMサイズかのようなフリーサイズをよく目撃しますが、きっとこういった服のサイズも社会からの強力なコルセットなんだと思います。

私を含め多くの女性がオーストラリアへ来ると自然と体重が増えますが、誰一人体重のことを心配することはありません。アジアの女性は大体10キロくらい太ってやっと医学的に正常な体重になるからです。そして服を選ぶときもまだまだ余裕でXSからSサイズが入るので、自分が太ったのかな?と悩んだりすることもないです。むしろ体重が増え、不規則だった生理も前より随分と規則的になり、健康体質になったことに感謝しています。体重だけではなくて顔に関しても、オーストラリアは基本人の外見を口に出すことがないので、外見のコンプレックスとかも気にならなくなりました。私は子供の時の交通事故で顔の右側に薄い傷跡が残っていますが、それに関して誰かに指摘されたことも一度もなかったです。私は「女性の顔は命」と言いながら、肉眼ではほぼ見えもしない傷跡が残っただけでも良くも悪くも大げさにものを言う韓国から移住したわけですから、その解放感はとても言葉では語れないくらいでした。

一度は日差しの強いオーストラリアでの生活が続き、首の周りに消えない出きものが気になっていたため、皮膚科に相談に行ったことがあります。韓国の医療技術はすごく、最新の機械であっという間に肌の状態を徹底的に調べていただきました。そしてお医者さんに言われたことは、首の出来物はすぐ取れるから問題にならないけど、「赤ら顔」になる可能性があるから治療した方が良いとのことでした。私はそこまで色白じゃないので肉眼ではその赤みが全く目立たないのですが、特殊な明かりを当てて調べると確かに赤い色素が何か所か目立っていたのです。しかしオーストラリアでの生活が何年も続き、健康な自尊感情が付けられた私からすると、それは人の個性として考えられるモノであって、治すべきモノではありませんでした。きっと昔の私だったら、そのお医者さんの発言からもっと肌のことを気にするようになり、新しいコンプレックスが出来たと思います。きっと整形依存はそうやって生まれるのではないでしょうか。

おかげさまで今回の旅では、帰国するたびに受けていた傷跡除去レーザー施術をやめました。まつエクやネイルを受けることもやめました。オーストラリアで受けるより綺麗で安くは済みますが、美容の施術や手術を受けてしまうとその分のお金も時間が掛かるため、他のことへ費やせなくなるからです。その代わりに私は大切な友達と沢山時間を過ごしたり、行きたかった所へ旅行をしながら食べたかった美味しいものを食べたりと、より充実した時間が過ごせたのです。本来の私は誰かに顔が大きいと言われても「本当?じゃあ遠くからも存在感があっていいことだね!」とポジティブに考えたり、足首が太いと言われても当時の好きだったアニメの絵柄に似ていると喜んだりしました。そして最近やっと、その本来の自分が取り戻せたような気がします。将来赤ら顔になるかもなんて、チーク効果で常に冬みたいに可愛いかも?

最近の江南の流行りはどうやらほっそい体に大きな胸を強調するファッションらしいです。大きい胸が恥だった昔とはまた流行りが違って来たわけですから、豊胸手術の需要も一段と増えました。こうやって時代の流れにより服も身体も変えていく女性たちですが、男性のスタイルは世界共通大して変わりがありません。それは一体、何を意味するのでしょうか?

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