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◆少女にコンドームを配布することが妄想の材料として消費される◆

Colaboにつながる子の中には望まない妊娠を経験してる子もいるし、妊娠してるかも…と一人で不安を抱えてる子もいる。虐待的な環境で育ち人生の早期にバウンダリーを破壊されると、その後の人生で暴力を拒絶する力を剥奪されてしまう。
また、性被害によるトラウマの再演として無意識のうちに暴力的な環境に近付いたり、トラウマティックな関係性を再演してしまい、再被害に繰り返し遭う人も多くいる。
自分の持つ権利について知らされずに生きていれば、その権利を奪われても気付けない、そんな状況をどうにかしたくて仁藤氏は様々な工夫をしている。
その一つにコンドームがある。コンドームは性病や妊娠から自分の身体を守るものだ。

日本はSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)が保障されてない国だ。
妊娠すれば自己責任。緊急避妊薬は高額で、勇気を出して産婦人科を訪ねても処方するおじさん医師に説教されて死にたくなる。
バイアグラが光の速さで認可されても経口中絶薬は一向に渋られる。
中絶が間に合わずに公園などで孤立出産すれば、産んだ女性だけが嬰児遺棄として批難され、「人殺し」などと責められる。
この国で生きる女性たちは避妊と中絶の権利を奪われ続けてきた。
そんな中、仁藤氏は、虐待環境などで教育機会を奪われてきた少女たちに様々な方法で自分の身体を守ることを教えてきた。

ところが、「仁藤が地方で暮らす女の子に送ったプレゼントの中にコンドームがあるぞ!」「Colaboが募集中の物品リストにもコンドームって書いてある!」と大騒ぎするおじさんがうじゃうじゃ出てくる。それはもうぞっとするほど大量に。
さらに最悪なことに、ここで呼ばれてもない上に少女たちが置かれた状況をまったく理解できていない社会活動家の藤田孝典氏が、ちょっと信じられないようなデマを吹聴し始めた。以下に引用するがこれはデマだ。

「コンドームは避妊具 (ひにんぐ)と言います。赤の他人のおじさんの子どもを妊娠して育てたい、と家出少女は思わないですよね。おじさんは射精する相手は誰でもいいから、少女はお金をもらいつつ、最低限の避妊具をつけて身を守る必要があります。避妊具を買うお金もないので支援者は配りますよね。」

藤田氏は、あたかも仁藤氏が性売買を支援する目的で女の子たちにコンドームを配っているかのようなことを示唆した上で、「『支援現場のリアル』を伝えていくから私をフォローするように」などと自身の経験の優越性を誇示し始めた。
このデマがデマを呼び「仁藤は『売春』を奨励してる」「斡旋は違法行為だ」などというデマまで出てきた。
どいつもこいつもセクシストで消火が追い付かない。

仁藤氏が少女たちに権利を伝えるための取り組みに、仁藤氏本人の意図とは大きく乖離した意味付けをして、男性文化の文脈で消費する。
こうしたデマにファボる馬鹿たちが若年女性の性行為をニヤニヤニヤニヤ妄想してるのは本当に気持ち悪いし、社会ぐるみのセクハラだ。
「コンドーム」「妊娠」などといった生殖にまつわる語彙のすべてがAVのモチーフとして消費され、本来の意味を悉く汚染する日本社会ならではの現象だろう。

他にも、擁護の文脈でColaboに関するツイートをする際に「確かに不正はダメですが…」って前置きしながら擁護してる人も多いけど、それ、全然、一ミリも擁護になってない。
自分の中立性を表明したい目的があるのかもしれないけど、それ自体が印象操作やデマにバリバリ加担する行為だと気付いてほしい。
「擁護しながら刺す」とか「助けるついでにレイプする」みたいなことばかりで途方に暮れている。


◆社会ぐるみのガスライティング◆

仁藤氏に対して「あんまり敵を増やすべきじゃないですよ」「それなりに仲良くしないと」「もうちょっと上手にやらないと」などと見当違いのアドバイスをして社会や権力に迎合するように圧力を掛ける人たちが本当に多くて驚くけど、それがマンスプでありトンポリだ。
「活動は応援してるけど発言は過激」って批判し始める人とか…

過激なのは仁藤氏ではなく、この性差別社会だ。
日本社会でどれだけ過激な差別が起きてるか、差別が常態化した社会で生まれ、その空気を吸って育てば今さら知覚することは困難かもしれないけど、性差別社会に「おかしい」と言えば、おかしいと言った人がおかしいかのように責められる。そんな社会ぐるみのガスライティングが横行してる。

耐え兼ねた仁藤氏が「キモい」と呟けば『仁藤夢乃「キモい」と呟く』みたいな記事がでて、仁藤氏のツイートのスクショがでかでかとサムネにあがる。
その記事を引用して「おーい見ろよ、仁藤が『キモい』って言ってるよwww」「それって男性差別※なんじゃないですか?(ニヤニヤ)」って揶揄が始まる。(※男性差別は詭弁です。差別とは、抑圧する権力を持って初めて差別となる。ジェンダーギャップ指数最下位の日本で女性は男性社会を抑圧するだけの権力を持ち得ない)

こういうの、同じことが小学校の教室で起きたら一発でいじめ認定されて、職員室でいじめ対策チームが組まれるような陰湿さなのにTwitterではずっと放置され、連日のようにトレンドに「Colabo」がランクインし、よっぽど問題がある団体かのような印象を与え続けている。「#Colaboに連帯します」がトレンド入りしたかと思えば、中を開けてみれば誹謗中傷の嵐。
懇意でもないのに「ゆめにゃん」と呼び、一挙手一投足侮辱する。

キモいに決まってんだろ。


◆政治参加を嘲笑する社会病理◆

仁藤氏は、2021年の衆院選では野党共闘の枠組みの中で立憲民主党や日本共産党の候補者を応援していたが、それさえも「共産党と強いつながりのある」などと揶揄される。
こうした指摘をすることが仁藤氏の社会的評価を下げることにつながると信じてるアンチフェミたちの時代錯誤のマッカーシズムも甚だしい。
女性や子ども、マイノリティの人権を悉く否定し、頑なに家父長制を温存させようとする政権与党と強いつながりがある方が恐ろしいし、仁藤氏がそんな風に権力に迎合する人ならColaboの活動は始まり得なかっただろう。なに一つ矛盾してないのにこうした「材料」で興奮する人の多さに毎回のように眩暈を覚える。

共産党議員が生活保護の同行支援をしていることを取り沙汰しては(何か不正がありそうだ)と示唆しながらネタにする。長年に渡り生活保護バッシングをしてきた自民党に生活保護の同行支援を頼めるわけがないのは普通に考えたらわかることなのに、とっておきの批判材料を見つけたとばかりにネタにする。
そもそも水際対策があること自体が人権侵害であり違法なのに、国や行政にその責任を問うことはせずに、延々と揶揄に明け暮れる。
主権者教育もなされない国で、政治参加をヤバいものとして宗教か何かのように扱うのもガスライティングのひとつだろう。

厚生労働白書でも日本は世界と比べて、

・生活満足度は低い
・自殺率は高い
・国政選挙の投票率や労働組合の参加率は低い

ことが指摘されているが、政治参加に消極的であればあるほど人権は奪われてしまうのに、社会に対するまっとうな怒りは悉く馬鹿にされる。「ノンポリの方がクール」みたいな恐ろしい価値観を今でも握り締めてる人たちがこの国の民主主義を衰退させてきたとしか思えない。

 

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