ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

banner_2212biird

Loading...

私はアイドルを辞めた後も関係者の何人かとはずっと繋がっていたので、その後の話を聞くことができました。同期の二人は夢を諦め実家に帰ることにしたと言いました。

社長は私から「無効な契約書」という言葉を聞いてから、契約書を見直し違約金の部分を追加したらしいです。それでもう一人の女の子は不当な契約を破棄するために違約金として100万円を払ったとのことでした。親が問題を大きくしたくないと、娘にもう二度とアイドルとかに夢を見ないことを条件に違約金を払って娘を連れて行ったとか。

私のせいでもっと完成度の高い悪質な契約書が誕生し、女の子たちの逃げ場を奪ってしまったのではないかとも後悔しましたが、正直大人の方も大人の方で100万円をその社長に払うくらいなら弁護士の相談に乗った方が良かったのではないかとも思ってしまう自分がいます。もちろん悪いことをする加害者が最も悪いのは確かですが、「大ごとにしたくない」結局そうやって行動せずに傍観する安易な態度が悪人に力を貸しているのと同じですから。その後起きたことを考えると、私がそう思ってしまうのも仕方がありません。

ある日、一人のファンからこういうメッセージが届きました。

「ビョルちゃんなら絶対力になってくれると思って連絡したよ。今こういうことが起きてて・・・」

彼の言葉は衝撃的なものでした。まだ中学一年になったばっかりの子があり得ないグラビアを取らされたと。最初はファンとして動画を買ったけど、内容も内容で母親もかなりのショックを受けててどうすれば良いか分からないようだと、助けを求めるメッセージでした。私は私でよければ是非力になりたいと答え、彼女の母親の連絡先を貰いました。
母親によると事件はこうでした。
社長から娘の単独出演の動画を撮影したいとの提案があった。水着になったりはするが、アイドルとしての可愛い感じの動画だと思っていたため、撮影を承諾、撮影現場まで同行したが、何故か他の部屋で待機させられ実際撮影が行われる現場には付き添ってもらえなかったらしいです。最初は娘の初めての作品とのことなので、自分のブログにも積極的に宣伝したが、動画の内容を確認してから何かおかしいと思い社長と揉めているとのことでした。

彼女が送ってくれたリンクにはまだ小学校を卒業したばかりの幼い女の子が、ポルノの行為を連想させられるような角度と目つきでアイスを舐めたり、体を濡らされたりするなど、吐き気がする動画のサンプルがズラリと並んでいました。確かに男性は登場していない。しかし、その動画は決して「アイドルとしての可愛いグラビア」ではありませんでした。

私は直ちに性犯罪ホットラインに連絡を入れました。社長のことはまだ怖かったのですが、匿名を望めば匿名通報と言う手もありましたし、むしろ何も行動しない方が人間として自分が許せなかったので一秒の迷いもなかったです。しかしコールセンターの担当の方は被害の詳細を聞き、その事務所がヤクザと関係しているかどうかだけを気にしているようでした。私が「ヤクザとは関係していないと思います」と答えると、何かつまらないような感じで対応されたのです。せめて被害者の何人かが一緒に通報してくれると、もう少し警察が早く動いてくれるかも知れないという謎なアドバイスをされました。それをその母親に伝えると、すぐ警察に証拠を持って行って自らも通報をしてみると言いました。

その後、タイミング良く私と一緒に活動をしていた同期生たちから連絡がありました。今グループ内で問題が発生し、みんなして仕事を辞めようとしているのだと。詳しくは聞いていませんが、話はこうでした。グラビアをメインに活動していたセンターの子がダンス歴10年のリーダーにやきもちをしたとかで揉め事があったと。そこで社長が不当な理由でダンスの上手な先輩を首にし、ファンにはいじめが原因でその先輩を首にしたと公表したらしいです。

もちろんその先輩はどっちかと言えば何もしていない被害者側。皆は実力のあるその先輩をかなり慕っていたため、もうこのグループには将来がないと思い、一緒に辞退することを決めたという話でした。本当かどうかは分かりませんが、そのセンターの子は社長と特別な関係であり社長からとても贔屓されているため、今回のような事が起きたのではないかと皆予想していました。そういう噂はその事件が起きる前から薄々と聞いてましたが、そういうことまで起きてしまうときっと何かの取引があったのではないかと思います。たとえ変な関係ではなかったとしても、積極的にグラビア関係の仕事を受けていたのはその子だけだったから庇っていたとか。もちろん私はそのグループをとっくに辞めていたので真実は分かりません。

話を戻しますが、それで彼女たちは私が辞める時の状況がどうだったかが詳しく知りたいようでした。弁護士とちゃんと相談したのは今までの中で私だけだったので、おかしくもありませんでした。私は「そもそもが不当な契約なためいつ辞めても何の問題もならない」という弁護士さんの助言を話しました。社長から脅されたりしなかったかと言う質問には「一度ブロックしたらそれ以降連絡は来てない」と素直に答えました。それからことの軽重は違っても、皆似たような被害に遭っているから、皆で一緒に社長を通報しようと誘ったのです。中学生の子の事もあるから、皆で通報すれば警察がより早く動いてくれるかもしれない、匿名の通報でも良いと。すると、彼女からの連絡は一言もお礼もなくピタッとメッセージが途絶えました。

あのファンの方は一緒に活動している彼女たちではなく、既に活動を辞めていた私に連絡をくれました。きっとこうなることを予想していたからなのでしょうか。今思うとやるせない気持ちになります。その後、グループのオフィシャルサイトにはこういう告知が相次いで乗りました。

「2013年〇月、母親の事実無根な名誉棄損による業務契約の不履行によりMを解雇」
「2013年〇月、グループ内部でのいじめ、メンバーとファンとの私的交際でセンターのK以外総入れ替えを避けざるを得なかった」

と。その後、客観的に見ても新しい被害者の子が次から次へと誕生していきました。私がそのグループについて最後に聞いたのは、新人の中の一人が男性がまたヤバいグラビアを無理やり撮らされ、社長と大喧嘩をした後消息が耐えたと言うことでした。その動画はネット販売だったため、その後もずっと販売されましたが、撮影後すぐに姿を消したので本人にその収入が渡されるわけがありません。

それでも通報をしたんだから。遅いとしてもきっと警察は動いてくれるはず。私のセクハラの事件では何も結果が得られてなかったけど、今回の被害者は13歳の幼い女の子。どんだけ「性に狂っている」日本だとしても、流石に中学生の女の子は守ってくれるはず。絶対そうなはず、だと信じていました。いいえ、信じたかったのです。

結論から言うとその事務所は一度も休むことなく未だに「メンバーを頻繁に入れ替えながら」営業を続けています。そしてメンバーが入れ替わる度にアップデートされる不審な告知。「債務不履行等の重大な契約違反があったため」懲戒解雇処分、「重大かつ度重なる素行不良」があったため解雇など、具体的な内容は言及されないままです。

皆、活動を始めたばっかりの時は「皆に希望を届ける歌が歌いたい」「皆を笑顔にするアイドルになりたい」との強い情熱と夢を持っていますが、それは数か月、長くても一年くらいで何かを理由に「解雇」されて行きます。そこまでいくと流石にファンたちもその異様さに気づきそうですが、それでも「ファン」と言う理由でそのアイドルグループ、実質その事務所を支える人々がいるから、悪人は今日もすくすく育っているんですね。

Loading...
JayooByul

JayooByul(じゃゆびょる)

JayooByul (ジャヨビョル)日本のお嫁さんとオーストラリアで仲良くコアラ暮らしをしています。堂々なるDV・性犯罪生存者。気づいたらフェミニストと呼ばれていました。毒娘で幸せです。

RANKING人気コラム

  • OLIVE
  • LOVE PIECE CLUB WOMENʼS SEX TOY STORE
  • femistation
  • bababoshi

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOPへ