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 コラムを書き始めて、時折、読者から相談メールをいただくことがあります。「あ~、読んでもらっているんだ」と励みになることもあれば、スルーするわけじゃないけれど、いつか紙面で取り上げようと、そのままになっていることもあります。一方で、コラムがご縁で直接つながるようになった方もいて、紙上のルームのお役を少しは果たしているのかな、とも思っています。

 GWに、ソウルで暮らしている娘の友だちS子に会ってきました。
 彼女は、ソウルの大学に留学後、現地の銀行に勤めてキャリアを積んできた頑張り屋さん。私と同じ在日です。韓国人男性と出会い、結婚後ももちろん仕事を続けてきました。
 昨年、双子のママになっていて、現在は育休中で子育て真っ最中です。(韓国の育休は、双子だと2倍とれるそうですよ。)

 子どもを産もうと思ったのは、人から「産もうと思った時に産めるとは限らないんだから(そろそろじゃない?)」といわれた言葉だそうです。「そうか、今から妊娠しても35歳の出産」と、計算通りに妊娠できたのはラッキーでしたよ。

 「からだは丈夫な方」というS子は、出産1週間前まで仕事をしていたといいます。
 会いたかった双子たちはスクスクと育ち、もう7カ月で、まだ人見知りをする前。だからギリギリ、抱っこも嫌がらずにさせてくれて、幸せな時間がもてました。
 突然のお客さんシッターに抱っこされて、交代で泣いたり笑ったり忙しく、話もゆっくりできませんが、だんだん慣れてぴったりとくっついてくる赤ちゃんの温かみはすごい癒しエナジーがあります。ただ、久~しぶりの7kgの赤ちゃん抱っこは、ズシリと後に響くものですね。
 丈夫だと言っていたS子は、出産後、仕事や双子の出産の負荷が出てきています。産後の養生をと言っても、育児の負担は大きく、日常はほぼ一人でやらねばなりません。

 寒い冬をほとんど家の中で赤ちゃんの世話で明け暮れて過ごしてきたS子。ソウルの都心の、真新しいマンション(韓国ではアパートという)の暮らしぶりは生活のゆとりを感じましたが、「2人で働いてできる生活」と職場復帰が前提です。
 「双子だとそう簡単には出かけられない。夫以外の誰とも話さない日が続くこともある。朝から顔も洗ってなかった日もある。ウツになってる暇もなかった」・・・ぽろぽろと言葉がこぼれます。泣きたくても泣いてもいられない・・・そんなところだろうけど、よく頑張ってるよ。

 妊娠、出産で、仕事や夫との暮らし、自由な生活は一変しました。(みんな、そうだね)
 S子の今の最大の問題は、姑との関係です。それまで2人の自由な暮らしぶりにはほとんど口をはさまなかった夫の親の態度が、孫が生まれた途端、大きく変わったのだそうです。やはり、国が違う、文化が違う、習慣が違う・・・そんな背景が、表面化してるということでしょうか。

 夫は家事も料理もできる人だそうです。韓国もこのところは育休をとる男性率が上がってきているとも聞きます。儒教意識、ジェンダー意識の強い韓国の変化は、ドラマでもまさに伝わってくるところ。それをアピールしてるとも思える。
 ところが、そんな夫も、親の前ではお皿を洗ったりするのをためらうそうです。なぜ? 息子のそんな姿を見たくない母親がいるからですね。う~ん、どうなの、それって?
 母親を変えるのはきっと無理。でも、夫には「そこを頑張ってよ」と言いたい。

 仕事の復帰に際して、保育所をどうするか? そう、ほとんど日本と同じです。
 韓国の場合、保育所が足りない分、祖父母が子どもを預かって育てるのが一般的だといいます。そういえば、ドラマや映画でもあったな。
 S子の場合、少し離れたところに住む夫の親が、月曜から金曜まで子どもたちを預かって近くの保育園に入れ、週末は自分の家に連れて帰るという提案があるようです。そういうのもありなんだ、と聞いていたら、そのための報酬は「お小遣い」としてあげるわけですから、親にもメリットなのです。聞いてみると、それもけっこうな金額です。
 仕事をもつ親が子どもを誰に預けるか、といえば、確かに祖父母は安心です。

 「できるだけ自分の手で育てていきたい」S子の気持ちは大切にしてほしい。今は韓国に暮らしていても、この先、日本で育ったS子の価値観や考え方が、もしかしたら夫とも、その親ともぶつかるかもしれない。それはどこにいても同じだろうけど。

 「大変さ、わかるよ。でも、できるだけ手を抜いてね! 2人産んだだけでも立派! S子の代わりはいないけど、子育て代わりにしてくれる人はいるからね~」。
 これからまだまだ続く子育てや仕事、義父母との葛藤が思いやられ、後ろ髪をひかれる思いで双子たちと別れました。また会いに行くね。

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具ゆり

具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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