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この数年で、ポッキーも「大人」に?!

深井恵2016.11.10

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 TPP法案を成立させる(強行採決で?!)のが、今国会のやま場だったはずなのに、マスコミはアメリカ大統領選挙のことのほうを優先的に報道しているようにしか見えない。気のせいだろうか。出遅れた「パリ協定」のこともほとんど報道されないまま、外交の大失態というのに、政府批判はほとんど聞こえてこない。報道すべきことを報道しないマスコミを前に、知りたい情報を手に入れることは極めて難しい、そんな国にいることを実感する。

 先日、とある学習会に呼ばれて、お話をする機会があった。身近な事柄をジェンダーの視点でチェックするという趣旨だ。同じテーマで、10年近く前に別の学習会に招かれたことがあり、当時のレジュメを振り返ってみた。10年ほど前に比べて「変わったなぁ」と思う事柄もあれば、「まだまだ変わってない、いや、むしろ後退しているのではないか」と思われる事柄も。

 例えばCM。ジェンダーの視点でCMを見てみると、いろいろ見えてきて面白い。以前に比べて、化粧品のCMに男性用が増えている。「メンズ」や「ForMen」と一言付け加えて、成分がさほど変わらないであろう品々を売り込んでいることは以前と変わらないが、「アンチ・エイジング」や「スキンケア」用品にも男性用がどんどん増えてきた。「加齢臭」対策も男性用の化粧品等に一役買っている。

 スーパーマーケットのCMも変わった。かつて「♪火曜日はなんかちょっと嬉しい」と口ずさんで踊っていたのが女性と子どもだったのが、最近は男性も一緒になって歌って踊っている。踊っている人数は少なく、最初見たときは「一人だけ?」と思ったが、よくよく注意して見てみると、少なくとも二人の男性が踊っていた(もっとよく見たら、もっといるのかも)。もっと増えてもいいのに。車で妻と買い物に来ても、駐車場に止めた車から出てこず、車の中で妻が買い物から戻ってくるのを「遅い!」と腹立たしげに待っている夫がまだいるのだろうか。もういないといいな。

 以前は、お菓子にも「メンズ」や「ForMen」とつけて、主にチョコレートを用いたビター味のものを売っていた。いまでもなくなってはいないが、「メンズ」や「ForMen」以上に増えてきたのが、「大人の○○」である。少子化が進んで、お菓子がなかなか売れなくなり、大人をターゲットにしたお菓子作りにシフトした印象を受ける。「メンズ」と謳って女性に買ってもらいにくくするよりは、「大人の」と冠をつけて、男女問わず、少々値段が高くても買ってもらえれば御の字だろう。少々高くても、そこは「大人だから」と子どもとの違いを意識して買ってしまうということだ。時々自分もそんな罠にはまって買ってしまうことがあるが・・・。

 洗剤等のCMも変化していると思う。かつては「困っているのは女性」「解決したり解説したりするのは男性」という役割がほとんどだったが、洗剤のCMに男性が登場して実際に洗濯するものも出てきた。だが、解説しているのはまだ男性の役割であることが多い。困っているのが男性で、解決するのが女性・・・というパターンのCMも、いまのところお目にかかった記憶がない。そろそろ出てきてもいいと思うのだが。

 薬のCMも多少の変化があった。看病するのは女性、されるのは男性(男児)、「ママ大丈夫?」というのは女児というパターンだったが、最近では「ママを風邪から守る」と言って、闘う素振りを見せる女児が現れた。武器がフライパンとフライ返しなのがいただけないし、「夫はどこへ?」と思っていつも見ている。看病する男性のCMもそのうち出てくると期待している。

 ビールのCMで、「Lady」という冠がついていないものを女性がおいしそうに飲むものが出てきたのも変化の一つ。かつては男性ばかりだった。滋養強壮剤のCMに女性が登場したのも変化の兆し。残念ながら「ピンク」を基調としたシールが貼られていて、いかにも女性用といわんばかりの見た目に仕上がっている。滋養強壮剤に女性版が登場したのは、「男性並み」に働く女性が増えてきたことと関係しているだろう。24時間働けるような強壮剤に女性が登場しないことを祈るばかりだ。

 男性用のカツラのCMは減っている気がする。男性用のカツラは売れなくなっているという。維持管理に高額のお金がかかるかららしい。非正規労働者が男性にも増え続け、若い世代の収入の減少がカツラ購入を断念させているのかもしれない。カツラであることがバレたら・・・と思うと、最初からカツラをつけない選択肢を選ぶ、そんな人もいるだろう。お笑い芸人にも、その点を「売り」にした、「堂々とした」姿でカツラをつけない人が出てきてもいる。

 その代わりに、女性用のウィッグのCMは格段に増えた。女性用の場合、すっぽりと頭全体を覆うものではないので、比較的安価で、維持管理にも男性ほどお金がかからないのかもれない。本当に必要なものなのか?と思うほど、「髪にボリュームを出すため」に買わせようとしている。自分自身は、髪の量が多く(ベテラン美容師に「3人分の髪の量がある」と言わしめる)、太いので、少し伸びるとすぐに切りたくなるが。髪が減ってきたら、ほしくなるのかな、ウィッグ。

 かつて、「朝シャン」(・・・もうこれも死語になっているが)がはやった頃、シャンプーのしすぎで抜け毛が増え、カツラを求める人が増えた時代がある。合成洗剤のシャンプーをして、黒髪を茶色に染めてアイロンやドライヤーを使い髪を傷め、白髪の進行を早め・・・その先にウィッグがあるのかもしれない。石けんシャンプーを使い、茶髪にもせず、ドライヤーもかけず、いまのところ白髪はそれほど目立たない。白髪のほうから「こいつの頭に生えても、染めてもらえなさそうだから、生えるのやめようよ」と相談しているのかもしれない。いや、単に何の苦労もせず、のほほんと生きているから白髪が少ないのかも。ポッキーは「大人」になったが、いまだ大人になれない私である。

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深井恵

深井恵(ふかい・めぐみ)

九州某県の高校日本語教員。
日教組の「教え子を再び戦場に送らない」に賛同して組合加入。北原みのりさんとは、10年以上前(ジェンダー・フリー・バッシングがひどかった頃)に組合女性部の学習会講師をお願いして以来の仲。

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