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Vol.4 わたしもジジイの恋愛を顧客視点でマーケティングしてみた

阿部悠2017.04.17

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「絶倫ジジイは超絶不人気! 時代は草食老人」

4月7日に永江一石(59歳)というコンサルタントの「恋愛にも顧客視点とかマーケティングセンスは必要だ。」というブログ記事が女性の怒りを買って炎上していた。要約すると「男が選ぶのはガッキーのようなスッピン風メイクで慎ましやかな女性で、叶姉妹みたいな金のかかりそうな女性は選ばれない」といったような内容だ。
わたしはこのブログにとても感銘を受けたので、永江氏のスタイルを真似して、ジジイの恋愛をマーケティングしてみた。なぜジジイの恋愛に的を絞ったのかと言うと、こういうジジイからの女性へのクソバイスは溢れているが、逆に女性から男性へのクソバイスはあまり見ないからだ。
よし、ちょっとやってみよう!

ほとんどの女性はジジイが勃起するかどうかはどうでもいい
「ジジイの恋愛」というものにはマーケティングセンスが非常に重要だ。
街を歩けば、精力剤に特化した薬局がけっこうあるし、「生涯現役!オットピン!」「精力剤の最後の砦」「あのころのパワーがよみがえる」などの怪しい広告をよく見る。男性は精力が衰えると自尊心が失われるのであろう。
しかし、このアンケートを見て分かる通り、なんと8割を超える女性が「絶倫のジジイより、枯れたジジイが好き」だと答えている。ツイッターのアンケートだけでは信ぴょう性が低いかと思い、21歳から46歳の、学生、主婦、会社員の女友だち6人に聞いてみたのだが、6人ともが「枯れたジジイの方がいい」と答えた。
しかしジジイ側は勃起力をやたら気にして、モテたいからと怪しい薬にお金をつぎ込む。つまり需要と供給のアンバランスが生じている。勃起とモテは無関係で、むしろギラギラしたジジイはぜんぜんモテない。
ギラギラ絶倫ジジイは草食男子を「情けない」とバカにしているようだが、女性は枯れたジジイを選ぶ。時代は草食老人なのだ。

絶倫目指すのはやめて、朝シャワーを浴びよう
上記の3択では、6割以上の女性がジジイには「臭わない」ことを望んでおり、3割以上の女性が「口数が少ない」ことを望んでいて、「生涯現役」はめちゃくちゃ人気がないことが分かる。先述の女友だち6人にも「生涯現役」を選ぶ人はいなかった。つまり、ジジイが女性から選ばれるには、マメにスーツをクリーニングに出して、朝シャワーを浴び、なるべく喋らないことがいちばん近道で確実だ。
怪しい精力剤に無駄なお金を使うのはやめよう。

永江氏の真似をしてみて
ジジイに「つまんない努力はやめて、こうやった方が女性から選ばれますよ」とか頼まれてもいないのにアドバイスをしてみて、まず、なんだか申し訳ない気持ちになった。
わたしには男性の精力が衰える気持ちは分からないし、そのコンプレックスを解消したい理由が、「モテたいから」なのかどうかよく分からない。
勝手に判断してとやかく言っていいのかと、ほんの少しだけ罪悪感がある。
なぜ永江氏は平気でこういうことができるんだろう。自己肯定感が高すぎないか。
永江氏は、「逃げ恥」の新垣結衣さんを例に挙げ、
「あの中のガッキーがつまり『日本男子の憧れの女子像』なのでございます。あれより叶姉妹がいいという奴がいたらまじで出てこい。成敗してくれるわ。」
などとほざいているが、わたしには、
「女性はエグザイルのようなタイプよりも高橋一生を絶対に選ぶ! エグザイルを選ぶヤツがいるなら連れてこい!」
とか男性を、特に若いイケメンの男性を恋愛対象としてジャッジするようなことは恥ずかしくてとてもできない。まだ38歳だがムリだ。
エグザイルも高橋一生も、わたしごときにアリかナシかジャッジされたらイヤだろうと考えるし、「いやエグザイルからしたら、おまえがナシだよ!」と大勢から言われるのが目に見えているじゃないか。
だいたいわたしは女性代表ではない。
だが、多くの男性が女性に対して、
(めちゃくちゃ歳下の女性に)「おまえは恋愛対象には見れないな!」
(顔を覗き込んで)「素材はいいよな」
(年齢的に)「ぜんぜんアリです!」
「猫背を直した方がモテるよ」
なんて日常的に女性をジャッジしていないか。
男性はそういうクソバイスをニコニコ聞いて貰えているようだが、内心では
「テメーなんかこっちがムリだよ! ブサイク!」
なんて思われていることが、わたしの「友だち調べ」で判明しているので、これを読んでいる男性は、これからは腹をくくって女性をジャッジするように。つーかジャッジすんな。

くだらない話をニコニコ聞いてしまう理由
さて、先述の女友だち6人に
「ジジイのくだらない話をニコニコ聞いてしまうことがあるか」
と訪ねたら、6人ともが「よくある」と答えた。
理由は、
「上司だったり、男性は自分よりも社会的地位が高いことが多く、つまらないとは言いにくい」
「お客様だし、利害関係がある」
「反論したら『ブス』『ババア』など言われ、傷つくのではないかという不安」(実際に反論してそういう罵倒をされることは珍しくない)
「いきなり怒鳴られたりしたくない」
「飲み会の雰囲気を壊したくない」
などであった。
ジジイはニコニコ話を聞いてくれる女の子に
「まさかオレに気がある?」
「オレは若い子に好かれる」
なんて勘違いしてはならない。たいていはなんかコワイのだ。
くだらない話をしても、失礼なジャッジをしても、わりとニコニコ聞いて貰えてることが、ジジイの無駄な自己肯定感を高めているような気がするのだが、女性側から反抗するのはリスクが高い。
反抗して社会的地位が危うくなったり、人間関係に亀裂が入るくらいならば、ニコニコ聞いてスルーしてしまうのがフツーだろう。
こういう場合は当事者からはなかなか反抗しづらいものなので、第三者が、特に社会的地位の高い男性が、周りの男性に注意を払い、失礼な発言があれば、
「おい!言いすぎだぞ!」
「失礼だぞ!」
など一喝するべきだ。それで女性が反撃の突破口を開けるかも知れないし、その女性があまり気にしていなかったとしても、絶対に害にはならない。反論しやすい雰囲気づくりはみんなでやらなければならない。
「男性、特にジジイが好かれてもいない女性を、恋愛対象としてジャッジすることは百害あって一利ナシ」
それが社会常識になってほしい。

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阿部悠(あべ・ゆう)

兵庫県出身。ローティーンの頃からクラブに入り浸り過ぎて中卒。関西を拠点にクラブDJとして活躍。3.11後の原発事故にショックを受けて反原発活動をはじめ、社会運動に目覚める。最近は「女叩き」カルチャーに怒りを燃やして、ネット上に溢れるミソジニスト達と本名顔出しで日々格闘。ビヨンセを崇拝している。 

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