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秋らしくなりました。この季節が一番好きです。

 朝日新聞の生活面連載「小さないのち」は、どのシリーズも取材の成果が感じ取れる注目のコーナーです。毎回力が入っているし、これからも時宜にかなったテーマで頑張ってほしい連載です。
 この9月の連載テーマは「小さないのち みんなで守る」
望まない妊娠、孤立、出産。そして子どもの置き去りや遺棄・・・予期せぬ妊娠などで、生みの親が育てられない赤ちゃんが、生後間もなく命を落としてしまう悲劇が後を絶たないという現実。SOSを出せず、誰にもどこにも相談できず、孤立したまま出産して遺棄に至ってしまうケースが多いといいます。
「捨てられる子を救う」ためにできることはある。でも、なぜ捨てるしかなかったのか。産まざるをえなかったのか。

若年層の妊娠は特に自分に何が起きているかに気づくのが遅れがちです。そして、望まない妊娠を背負った彼女たちに何があったのか。デートDVや性暴力があることは歴然です。誰が引き起こしたの? このやりきれなさ。その背景にもう一歩踏み込んでほしい。限られた紙面はわかるけど、踏み込みきれていないんですよね。そこがイマイチ物足りないし、残念。
「みんなで守る」・・・その通りです。そのためにも、自分は何ができるのかを考えるしかありません。

シリーズの第3回(9月6日版)は10代の妊娠がテーマです。
「退学恐れ 隠し通した妊娠」(見出し)について考えます。(引用部分は「 」青字)
紹介されているのは、高校3年生の少女(18)の事例。
交際していた20代の男性に「無理やり関係を持たされ」妊娠。母親が少女の身体の変化に気づいたときはすでに妊娠6か月を過ぎていました。病院に行くと、医師から「高校生なのに妊娠するなんて遊び回ってたんやろ。検診を受けていない人はここでは産めないよ」「診られない」「受けられない」など、非難や拒絶にあったようです。
成績優秀な彼女の夢は教師。決して遊びまわっていたのではありません。
学校は「男女交際や外泊は禁止」「過去に生徒が妊娠して退学になったうわさも聞いた」ため、学校に隠しとおしたまま女の子を出産しました。
産んだけれど、親の世話になるしかない、育てられない現実。そして子どもを手放す気持ちも揺れる。

この少女は、交際相手と別れ話をしようと会ったとき、レイプされて妊娠しています。でも、新聞は「無理やり関係を持たされた」といい、一言も「レイプ」や「強姦された」とは書いていません。何それ? 無理やりは暴力でしかないじゃない。「女子生徒ひとりが責任を負わされている」現状をわかりつつも、「相手」(男)のことには目をつぶっているのはどうなの?
それにしても、学校の「指導」にもビックリ。イマドキ聞いたことがないのは私だけ? そんな学校へ行きながらよく隠しおおして無事に出産できたものです。そして、産みたいと望んだ彼女をサポートする家族に恵まれたからこそ、とも言えます。

(右グラフは朝日新聞9月6日朝刊引用)

2017092102_g.jpg厚生労働省の統計(2015年度)では、
出生数は年間100万人を超えています。

そのうち10代で出産した女性は 1.2% 11,929人
うち14歳以下は39人

10代の人工中絶は 9.1% 16,113人
うち14歳以下は270人
この数字が現実です。

妊娠するのも、出産するのも
女子、女子生徒、女性です。
この数字に男はいない。

学校では、生徒が妊娠した場合、どんな対応をしているのでしょう?
文科省では、「妊娠や出産で停学・退学となる校則がある高校はほとんどないと思う。勉強を続けたい、復学したいなどの生徒の意向を聞き、保護者も交えて相談していくことになる」(児童生徒課)と取材には説明している。
 お~お、そうなんですか。じゃあ、これ使おう! 「退学しなくてもいい!」というお墨付き、ですね!?

現実には、各地の妊娠相談窓口には「妊娠を機に退学になったり、自宅待機させられた」相談が寄せられているようです。「にんしんSOS」では年間1000人以上からの相談に応じる、とあります。
私の知る限りでも、行く先々の学校で生徒の妊娠による相談や対応ケースは少なからずあります。そして、出産する意思がある生徒のほとんどが退学しています。それ、女子生徒だけ。一方の男子は? 免罪ですよ、ほとんどが。転校はあったかな。学校は、どんな問題であれ生徒である間は関わります。関わらざるを得ない。それが仕事ですから。でも、退学したらそれっきり。正直言って、学校の責任はそこまでなのです。だからこそ、当事者には、私は学校に残ることを最後まですすめます。

先生の中には、厄介払いできてやれやれ、と思ってる人もいなくはない。先生にとっては「頼むから問題を起こさないでくれよ」というのが本音でしょう。残念ながら、退学した元生徒がその後どうしてるのか、養護教諭からわずかに聞く程度です。

アメリカコロラド州には、生徒が全員妊婦や母親で、子どもを預けて授業を受けられる学校があるというし、韓国には未婚の母のための母子支援施設があり、そこでは教育や職業訓練を受けられ、在籍校の卒業証書がもらえるという。ああ、この違い・・・

そういえば、映画「JUNO」(2007米)を思い出しました。クレージーで笑える女の子が妊娠した話。あれって普通の高校だったけど、彼女は大きなおなかで学校に通ってた。それがフツーなんだ!と衝撃だった。そして出産までのストーリーとその後の展開にもへえ~って驚かされました。観ていない方は、ぜひ!

それに比べて、日本のドラマで思い浮かぶのは、私の中では以下の3本。
昔々の「3年B組金八先生」(1979年)ヒロインは杉田かおる、「14才の母」(2006年)の中学2年生役の志田未来、「ラスト・フレンズ」(2008年)の長澤まさみ。
みんな、望まない妊娠なのに、産んでいる・・・
「産むんだ・・・」私はうつろにそうつぶやいた記憶があります。
産んじゃダメ!というのではない、でもほんとにそれでいいの?
なんだか、とどのつまり「命の大切さ」をアピールされて終わったという、後味の悪さが残っているのです。

そう。だから、生徒には正しい知識と権利意識を身につけておいてほしいのです。
自分の人生の中で、いつ、誰と、どんな形でつきあい、交際や恋愛相手とお互いに自己決定権をもつのか。それが「今」なのかどうか、見極めていってほしいのです。

さて、これから2学期は中学や高校で保健講話や性教育講話をする機会が増えます。
私のタイトルは「思春期の交際・恋愛・デートDV」。どういえば考えてくれるかな、どんなスライドで見せればわかりやすいかな、理解してくれるかな。資料やデータを最新情報に更新、見直しているところです。

学校は、教師はよく言います。性のことはさわりにくい、口にしにくい、どう教えていいかわからない。英語や数学より、うんと大事なことなのに、と思うんですけどね。
でも、おかげで生徒たちに出会って、好きなように伝える機会がいただけます。

あなたたちに、いい交際、素敵な恋愛をしてほしくてお話しに来ました。誰かを好きになったら、どんなつきあいをしたいかな。そのために、知っておいてほしいことがヤマほどあるの。
みんなは、これからやりたいこと、してみたいこと、きっとあるよね。それにいろんな人と出会って、つきあったり、別れたりもある。
もし誰かを好きになったら、どうすることがお互いを大切にすることか考えてほしいの。
好きになると性的な欲求もでてくるでしょう。でもね、たった1回のセックスでも妊娠はありうる。だけど男子は妊娠しない。女子だけが妊娠するから、男子にはその深刻さがあんまりわかってないかもしれない。フェアじゃないよね。逆の立場にはなれないけど、好きになった人を傷つけないために、大切にするってどういうことか、考えてほしいの。
(ってな感じのライブです。以下省略)


打越さく良さんの『レンアイ、基本のキ』は読みやすくてすごくわかりやすい本です。タイトルもいいので宣伝しています。
交際の基本のキ、性の基本のキ、セックスの基本のキ、生徒たちとの体力勝負の2学期が動きだします。
誰かを好きになるのは素敵なことだよ~。いい恋はたくさんしようね~。失恋もアリで。
忘れないでね、誰も傷つけないこと! 自分も傷ついたりしないこと!

この繰り返しですが、これ、けっこうはいるみたいです。!(^^)!

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具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んで20年あまり。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

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