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「女性の方は降りてください」…?土俵に上がろうっ!

打越さく良2018.04.09

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人命救助より女人禁制?
 京都府舞鶴市で4月4日に開催された春授業で、多々見良三市長が倒れた際、救命処置のため土俵に上がった女性に対し、「女性の方は土俵から降りてください」との場内アナウンスがされた。このニュースは、人命救助よりも女人禁制を優先するのかとSNS等でも瞬く間に拡散された。

まさに、ニューヨーク・タイムズが報じたように、「日本では女性がどのように扱われているかを物語る」象徴的な出来事であった。同紙が報じるように、世界経済フォーラムのグローバルジェンダーギャップ報告書において、日本は世界ランキングが常に低い。2017年版では144カ国中114位という有様である。

 ワシントン・ポストも、「人命を救助しようとした女性は「不浄」だから出てけと命じられた」とのタイトルで、安倍首相が「ウィメノミクス」を掲げてはいるが、女性はあらゆる面で差別や障害に直面していると報じた。人命救助をしているひとに止めろということは死んでいくままにさせろと言っているに等しいといったツイートも引用され、愚かさがいや増しに。
 BBC放送も報じ、女性が降りた後土俵に塩がまかれたことが、それは女性が土俵上では「穢れた」ものとして扱われているからではないか、なんと失礼なことか、というコメントとともに、紹介している。

 批判を浴びて春日野巡業部長は「不適切だった」と謝罪。女人禁制なる「伝統」への固執を反省したのか…と思いきや、そうではないらしい。

 なお、伝統なのかも疑問らしい。「夫婦同姓が我が国の伝統」という言説と同じですね…(「土俵の女人禁制は「伝統」なのか?相撲と女性をめぐる問題提起は過去にもあった」ハフィントンポスト2018年4月5日吉川慧)。4月5日兵庫県宝塚市の巡業先で、日本相撲協会は、土俵上で挨拶をとの中川智子市長の申出を断り、土俵の下で挨拶をさせた(「大相撲宝塚巡業:女性市長あいさつ、土俵下から「悔しい」」毎日新聞2018年4月6日 )。どうやら、「女人禁制」を「人命救助」よりは優先させない程度で、維持はするぞという意向なのだ。

 偏見を持った一部の人々のサークルだったら勝手かもしれないが、公益財団法人がこんなことでどうする。ある意味ニッポンスゴイ。しかし日本での女性がどう取り扱われているかは海外で報道されなくても、日本にいて日々直面させられている私たちは知っている。

女性議員を増やすには
 前掲のニューヨーク・タイムズも言及しているグローバルジェンダーギャップ紙数の順位を押し下げている要因は、女性議員の少なさ。衆議院での女性議員47人であり、10.7%でしかない。190カ国中、157位である。もっと女性が政治にかかわることで、民主主義も発展し、ジェンダー平等が実現する、しかし、そもそもジェンダー平等が実現していないから、女性が政治に関わりにくい、にわとりか卵か…。呆然、と諦めてはいられないという人々が多数参加した4月7日の「4.10女性参政権記念イベント」に私も参加した。

日本の女性が初めて参政権を行使した1946年4月10日から72年目でも、女性議員比率は低いまま。超党派の「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」の中川正春会長(なんと、1時半から5時までのイベントにずっと出席してくださった(感動)!)によれば、政治分野における男女共同参画推進法案について各党の党内手続は済んでいる。それなのに、優先順位が上がらない。優先順位が上がるように盛り立ててほしい、とのこと。これまたにわとりか卵かではないか…という思いがよぎらなくもないが、調整活動を続けてくださる議連の皆さんを応援しなくては。

平等が実現しない社会は多様性が保たれず、衰退していく。虚構新聞の「「土俵、男女禁制の聖域に」識者、ブログで提言」のブラックジョークには笑ったが、しかし、案外リアルかもしれない。衰退して「そして誰もいなくなった」という…そんな状態は誰も幸せではない。違う未来を選びたい。

選択的夫婦別姓を目指して
 私はイベントで、第二次夫婦別姓訴訟弁護団副団長として、リレートークに加わった。ニューヨーク・タイムズの記事で、日本の女性が直面する平等への無数の障害の例の筆頭としてあげられているのが、例外なき夫婦同氏規定。この連載でも何度も書いているが、法律上夫婦同氏しか認めていないのは、日本だけであることは、政府も認めている(糸数慶子参議院議員の質問主意書に対する答弁書第321号内閣参皆189号第321号 )。最近では、3月20日衆議院法務委員会で、国重徹議員(公明党)の質問「夫婦同氏を義務化している国は日本以外にどのような国があるのか、お伺いします。」に小野瀬政府参考人は、「法務省が把握している限りでは、現在、婚姻後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならない夫婦同氏制を採用している国は、我が国以外にはございません。」と回答している。これまたある意味ニッポンスゴイ…と呪詛していても何もならない。

 選択的夫婦別姓が実現するまで、頑張ります。応援(フォローと…カンパも(^^)/)のほど、しつこいようですが、よろしくお願いします。

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打越さく良(うちこし・さくら)

弁護士・第二東京弁護士会所属・日弁連両性の平等委員会委員日弁連家事法制委員会委

得意分野は離婚、DV、親子など家族の問題、セクシュアルハラスメント、少年事件、子どもの虐待など、女性、子どもの人権にかかわる分野。DV等の被害を受け苦しんできた方たちの痛みに共感しつつ、前向きな一歩を踏み出せるようにお役に立ちたい!と熱い。
趣味は、読書、ヨガ、食べ歩き。嵐では櫻井君担当と言いながら、にのと大野くんもいいと悩み……今はにの担当とカミングアウト(笑)。

著書 「Q&A DV事件の実務 相談から保護命令・離婚事件まで」日本加除出版、「よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて」共著 朝陽会、「今こそ変えよう!家族法~婚外子差別・選択的夫婦別姓を考える」共著 日本加除出版

さかきばら法律事務所 http://sakakibara-law.com/index.html 
GALGender and Law(GAL) http://genderlaw.jp/index.html 
WAN(http://wan.or.jp/)で「離婚ガイド」連載中。

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