台湾は、生理用品先進国と言われています。
アジアで一番最初に、月経カップを開発したのも台湾。月経ディスクをつくったのも台湾。吸水ショーツを開発したのも台湾です。
それも大企業がドンッ!と莫大なお金を投資してマーケットをつくるのではなく、女性が起こしたスモールビジネスが、じわじわと台湾の女性たちの月経ライフを変えていったのです。
ラブピースクラブはそういう女性たちとつながって、台湾の吸水ショーツ「ムーンパンツ」、月経ディスクとカップの「フルムーンガール」を紹介してきました。
彼女たちとの仕事は、学ぶことがとてもたくさんあります。特に月経ディスクを開発したヴァネッサは新しい生理用品を開発しただけでなく、子供たちへの性教育施設を開設したり、生理用品の無料化のために政府に働きかけたりなど、文字通り「生理革命」を起こし、台湾の女性たちの月経ライフを変え、社会全体の生理に対する偏見を根っこから覆し、未来の子供たちを育てててきたのです(ヴァネッサや、彼女に触発された女性たちの活動ついては、アジュマブックスの『生理を、仕事にする』に詳細が記されています。本当に素晴らしい活動なので多くの方に読んでほしいです!)。
そんな台湾から、「台湾 生理の母」と呼ばれる、月経カップと月経ディスクを開発したヴァネッサが描いた絵本が届きました。
子供たちが楽しみながら、月経のサイクルを知り、卵子が着床し妊娠し出産する過程を知り、さらに女性器の構造について知り、女性器の見た目について理解し・・・しかもそれが強い印象を残すゴージャスな飛び出す絵本として表現されています。
キラキラした未来を感じる宇宙観溢れる表紙。タイトルは「卵子の冒険を一緒に体験しよう!」
扉を開くと、まず、卵子の実物大が、指の先でぷっくり触れるように表現されています。少しコリコリした小さな粒です。
卵子とは、唯一肉眼で見ることができる細胞という説明がついています。
こんな小さな卵子は、どんな風に冒険していくのでしょう?
子宮はどんな働きで、受精した卵子を着床させていくのでしょう?
そんなことが宇宙船にみたてた卵巣から飛び出した卵子の冒険として描かれていきます。
また卵子が着床しなかった時に起きる月経についてのページは、「これが今の台湾では子供たちが読めるのか」としみじみしてしまう内容でした。
卵子が着床しなかった時は、子宮内膜が剥がれます。剥がれた子宮内膜は腟を通って外に排出されます。
子宮内膜が剥がれて月経になる・・・というのは、日本の小学生も習う内容ですが、この本がすごいのは、腟についての詳細が丁寧に書かれていることです。腟には無数の菌がいて、それが腟内を守っていること。腟の奥は無痛だから、鼻に指を入れるのとはわけが違う、だから腟の中に何かを入れても痛くないよ、月経カップやディスクを使ったからといって、「処女ヒダ」が破れることはないし、そもそも破れたっていいんだよ、という話が子供向けに丁寧に描かれています。
また、「準備が出来たら読んでね」というように、絵本の中に封筒があつらえられていて、そこには月経用品の種類や使い方の詳細が書かれています。そして・・・まるで小さなプレゼントのように、隠し扉かのように伏せられたページをそっと開くとそこには・・・
こんな宇宙が広がっていました。
さらに! 私たちがもう息を飲んで感動したのが、女性器にまつわる話です。
クリトリスの全貌が描かれていて(私たちが「見えている」クリトリスはクリトリス全貌の一部。クリトリスのほとんどは身体の中に埋まっていて、腟をまたぐように存在しています)、外性器の見た目の多様性についてもしっかりと表現されています。
最後のページは圧巻です。
私たちの身体の中が宇宙のように広大で、無限で、システマチックで、カオスで・・・そんな世界が飛び出してきます。
女性の身体をまるごと肯定し、理解し、尊厳を感じ、科学として考え、宇宙として受けとめる。そんな体験をする絵本でした。
ああ、やっぱり、この絵本・・・日本語で読みたいですね!! クラファンとかしちゃおうかしら。どうかしら。
とりあえずは今、たぶん、日本に2冊しかないこの絵本、ラブピースクラブのショールームに置いてあります。よかったらラブピースクラブのショールームにお立ち寄りください。そして貴重なこの絵本を手にとって、卵子と一緒に冒険をしてみてください。もちろん、お子様のいらっしゃる方はご一緒にどうぞ!
ラブピースクラブのショールームの詳細はコチラです。
ラブピースクラブの生理用品もぜひチェックしてくださいね!