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 私の名前はよしこ。でも“よしこおばさん”となってこそ“私”であると人は言います。なぜ“おばさん”なのか?誰かの“おばさん”というわけではなく、 “おばさん”=加齢具合を表現しているわけでもありません。私の行動が“おばさん”以外では成しえないものであるからです。私の趣味は人の恋愛話、セックスの話を聞くことです。と、いってもガールズTALK的に盛り上がり話し、その場で共に聞くようなスタイルでは楽しめないのです。あくまでのぞき聞き、のぞき見すること、百歩譲って1対1で根掘り葉掘り的なTALKが好きなのです。


“人の話を聞く”“心の中や状況を探る”という力はどうやら“おじさん”“お兄さん”“おじいさん”には装備されていないようです。“お姉さん”と呼ばれる人達には盗み聞きする根性がないようです。そして“おばあさん”には興味と能力はあっても、盗み聞きできるほどの聴力がなかったり、長時間粘れる脚力が なかったり。でも、体力的にまだその余地がある。それが“おばさん”なのです。 

と、いうことで、30回目の「よしこおばさんは見た!」よろしくお願いいたします。
今年もやって参りました。恋のシーズンの到来でございます。わたくしの盗み聴きの拠点となっております国道沿いのフレッシュネスバーガーにも、夏休みの学生達が多く集っております。先日は旅行の予定を話し合っているカップルが夏の幸せオーラ-をまき散らしておりました。どんな盗み聴きが聞けるのか楽しみにしていたのですが、その楽しみを奪う50代女性の2人組みがおりました。
「なに、昼間からエッチな話はよしてよ〜」 「何“かまとと”ぶってるのよ〜。“エッチ・スケッチ・ワンタッチ”」 (二人爆笑)
あまりの死語っぷりに私の聴覚は完全に2人に奪われました。 「そういえば私達、今日鞄、“おそろ”じゃない。」 「ホントね。おそろっていうか、“なんちゅうか本中華”?!」
この2人はもしや芸人?!今ネタ合わせしているのかしらと疑ってしまうような死語会話でした。
この日から、私は街に今でも生きる“死語”を探しに出る旅に出かけました。
(30代後半女性の死語) 「こう暑いとバテるわね。私はもうバテバテよ」 「私は大丈夫!“元気モリモリ”!」
(60代男性の死語) 「お待たせしました。遅れてすみません。」 「おい、おまえ今日は“一張羅”着てるな。」
(50代女性の死語) 「最近、政治はどうなってんのかしらね。」 「そうよね。SPEEDの今井なんとかっている議員、妻子ある人に“失楽園”したあの人、ニュース見てびっくりよ・・・」
(50代男性の死語)「今日は“ハナ金”だ」※プレミアムフライデーの間違い
(40代後半男性の死語) 「・・・(営業報告中)最近はこんな感じで営業してます。まだまだですががんばります。」 「あの“やっこさん”捕まえたか?上客だそ、あれは」
(40代女性の死語)「嘘だと思って“やってみそ”」
(30代後半男性の死語) 「まだ高円寺に住んでんの?」 「うん、まだ高円寺にいる。俺んち“リハウス”したんだ」
出ます、います、死語は今も健在です。そして死語とは、なんと人の心をかき乱す言葉なのでしょう?前出の女性2人組みの会話はさらにDEEPな死語を連発しておりました。
「男の子ってなんであぁなんだろうね。うちの夫もそうだけど。・・・」 「“がびーん”!」(ポテトを机に落とす) 「“いち、に、さん、セ〜フ”。」(3秒ルール) 「で、なんだっけ?あっ夫の話し。でもあんまり“オセンチ”にならない方がいいわよ。いいことないから。心配ないわよ。“大事マンブラザーズ”」 「わはははは」
平和です。フレッシュネスバーガーには死語のパワーが溢れ、まだ私達は大丈夫だと、希望さえ感じさせてくれました。
「・・・いいのよあんな夫、いなくていいし、むしろいなくなってほしいわ。」 「あんた、相変わらず“態度Lね”」 「やだ、それ死語〜(笑)タカビーって言ってよ」
その瞬間、私は初めて“盗み聴き”の掟を破ってしまいました。 「ぶはははは」 思わず吹き出してしまったのです。盗み聴きをしながら反応するなど、言語道断。
「うるさくてごめんなさいね。」 そう言って去った2人に私はそっと心で話しかけました。 「ゆるしてチョンマゲ。」
そしてわたくしはとても幸せな気持ちになりました。閉会中審査をTVで見てからフレッシュネスバーガーに出向いたわたくしは、ひとっ風呂浴びたような爽快さを心に纏っていました。なぜでしょう。死語が懐かしかったからか、それとも2人組みの女性が楽しそうだったからか。今こうして振り返ってみて思うことがあります。それは自由な空気に触れることができたからです。
“恥ずかしい”などとは思わず、会話を楽しむその空間にある自由で愉快な空気。大勢の人がいようと、時代遅れだろうが、私が聴き耳を立てていてもお構いなし。2人で自分達の“死語”の世界を作り上げ、それを心から楽しむ。“自由”はそこにありました。スマホに向き合うサラリーマンや、爪をずっと見ている学生らしき人、そして旅行のパンフレットを見ているカップル、その誰よりも、2人は力強く生きているように思えました。そしてそれはちょっと懐かしい時代の空気も運んできました。その空気は今わたくしが生きている社会にはないように思えたのでございます。
この夏は死語の世界にはまりそうなわたくしでございます。
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野沿田よしこ

野沿田よしこ(のそえだ・よしこ)

年齢敢えて不詳。私の名前はよしこ。でも“よしこおばさん”となってこそ“私”であると人は言います。なぜ“おばさん”なのか?誰かの“おばさん”というわけではなく、“おばさん”=加齢具合を表現しているわけでもありません。私の行動が“おばさん”以外では成しえないものであるからです。
私の趣味は人の恋愛話し、セックスの話しを聞くことです。と、いってもガールズTALK的に盛り上がり話し、その場で共に聞くようなスタイルでは楽しめないのです。あくまでのぞき聞き、のぞき見すること、百歩譲って1対1で根掘り葉掘り的なTALKが好きなのです。
“人の話しを聞く”“心の中や状況を探る”という力はどうやら“おじさん”“お兄さん”“おじいさん”には装備されていないようです。“お姉さん”と呼ばれる人達には盗み聞きする根性がないようです。そして“おばあさん”には興味と能力はあっても、盗み聞きできるほどの聴力がなかったり、長時間粘れる脚力がなかったり。でも、体力的にまだその余地がある。それが“おばさん”なのです。 

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