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「ネットいじめの被害にあった最初の人間」モニカ・ルインスキーさん、そして小保方さん。

栗林デバ子2014.05.16

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こんにちは。デバ子です。
モニカ・ルインスキーさんが米「バニティ・フェア」のウェブサイトに寄せた手記を読みましたか?

「Monica Lewinsky Is Back」という見出しで、白いドレスを着て深紅のソファに身を横たえ、艶然とほほえむモニカさんは堂々としていて本当にきれい。
でも、その手記を読んで(といっても翻訳サイトでつきあわせながらですが・・・)デバ子、暗い気持ちになりました。
モニカ・ルインスキーさんといえば、1998年にクリントン元大統領と肉体関係を持ったことで世界的スキャンダルになり、日本でも有名になりましたよね。

当時、「タイム」誌の表紙にもなったベレー帽をかぶったモニカさんの写真や映像が、繰り返し繰り返し、嘲笑を含んだニュアンスで放送されたことを覚えています。
釈明会見の時にクリントン大統領が選んだ「不適切な関係」という言葉も流行りました。

当時20代だったモニカさんは、あっという間に政治利用され、全米というか日本を含む全世界からバッシングを受けることになりました。スキャンダルの後、モニカさんはロンドンで社会心理学の修士号をとり、広報やマーケティングの仕事を転々としてきましたが、ずっと好奇の目や批判はつきまといました。何度も自殺の誘惑にかられたそうです。

全世界どこにいっても、自分が何者であるかがすぐにわかってしまうなんて、どれほどつらいことでしょうか。
モニカさんは手記で、「ベレー帽を焼き、青いドレスを埋める時がきた」と言っています。
今まで沈黙を守ってきたが、自分の人生を取り戻すため、過去に意味を与えるために告白を決めたといいます。

デバ子が強い人だなと感じたのは、当時のことを「スケープゴートにされた」と冷静に批判しながらも、「行為は同意の上だった」と名言していること。過剰に被害者ぶったりしないんです。それにしても、あのアメリカで(デバ子が勝手に日本よりはジェンダーに対する意識が高いだろうと思い込んでいるだけかもですが)、彼女がこの告白をするまでに16年もの時が必要だったなんて!なんで彼女はこんなにも長い間、苦しまなければならなかったんでしょうか。

理研ユニットリーダーの小保方晴子さんも、論文に関する疑惑が持ち上がった直後にすぐに週刊誌に男性や性に関するスキャンダルが報じられましたよね。
小保方さんが男性研究者だったら、同じような報道をされたでしょうか?

たとえ合意の上であっても、女性だけがセックススキャンダルの代償を払い続けるのはなぜなんでしょう。
釈明会見をしたクリントン大統領は、「モニカさんとのことを綴った」という触れ込みで自伝「マイライフ」を出版したり、元大統領として講演活動を行うなど、この不倫騒動で、まったく大統領としての評価を落としていませんよね。

モニカさんは手記の中で、アメリカの大学生、タイラ―・クレメンティくん(当時18)の自殺について触れています。タイラ―くんは同性とキスしているところをルームメイトに盗撮され、ネットで公開されたことに苦しみ、橋から川に飛びこんで自殺しました。アメリカでは社会問題にもなっているこの事件を知り、モニカさんは1998年の自分を追体験し、苦しんだそうです。

モニカさんは、自分はおそらく世界的なネットいじめの被害にあった最初の人間だと言います。自分の話を共有することによって、屈辱に苦しみ、もっとも悲惨な瞬間にいる他の人を助けることができるかもしれないと。彼女の現在の目標は、ネットいじめの被害者の支援をしていくことだそうです。

それでも、ネットで配信されている記事とかみると、彼女をちゃかしたり、次の選挙に向け、共和党が喜んでいるとか、分析している人がいるんですよね。

はぁ・・・。リベンジポルノとか、ネットストーカーとか、有名人じゃなくても、ネットであっという間に誹謗中傷や噂が流れ、永久にコピペされ続けることを考えると、全然他人事じゃないと思うんですけど。

 

【栗林デバ子・くりばやしでばこ】

週刊誌記者。事件や裁判、犬とK-POPをこよなく愛するおひつじ座。シンガポールの動物園でハダカデバネズミを見てから、その怪しい魅力にハマっている。
ひっそり土の中から世の中にキバをむくデバ子・・・。

 

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