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小池新知事よ、介護と風俗の現場を必ずや見よ!

2016.08.04

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 7月31日の東京都知事選にて、小池百合子新知事が選出されました。選挙で決まったことなのでそういうことなのだと思います。

 「初の女性知事誕生か?」という期待から、彼女に投票した女性も多数いることでしょう。しかし同性というだけで誰でもわかりあえて仲間になれる、みたいな考えは私にはありませんので、その気持ちはわかりません。ましてや彼女は、かつて番組アシスタントをしていた竹村健一氏に始まり、小沢一郎に細川護熙に小泉純一郎にと、権力を持っている男性の傍で活躍してきました。ご本人とお会いしたことがないので推測に過ぎませんが、「男性の中で対等に張り合える、才色兼備の紅一点」設定がお好きなのかもしれません。無才色兼備の地味女・玖保樹の単なる嫉妬かもですが~。

 そんな彼女は8月2日、都知事就任の記者会見にて「女性に活躍してもらうため、女性職員の幹部への登用などを進めたい。意欲ある女性に活躍の場を与えることが東京大改革につながる」「元気に働き、子育てをする女性を応援する」などと話していました。「じゃあ子どもがおらず、働けない女性は打ち捨てるのかよ」というモヤモヤはとりあえずわきに置き、都民の玖保樹からぜひ提案したいことがあります。それは

 「介護と風俗の現場を見て、必要なら実際に職場体験してから女性活用を考えろ」

 ということです。
 というのも先日お会いした家田荘子さんの新刊『昼、介護職。夜、デリヘル嬢。』(ブックマン社)という本の印象が、強烈に焼き付いていたから。家田さんはALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の70代男性とお花見をした際、男性がヘルパーさんに対して卑猥な言葉を発したり、トイレの世話をしている時に射精をするので次々と辞めてしまうという話を家族から打ち明けられたそうです。気管を切開して話せなくなった後も、文字盤を使って「胸見せて」などの言葉を発し、欲望をむき出しにしていたそうで。それを聞いた家田さんは高齢者と介護職の性的現状についての取材を始め、介護職の賃金の安さや職業地位の低さ、そして離職率の高さと仕事のハードさを知ります。さらに取材を進めていくと、賃金の安さから風俗とのダブルワークをして介護職を続けている女性達がいることも知ったと語っていました。

 公益財団法人介護労働安定センターの平成25年度調査によると、訪問介護職員の平均月収は18万8208円、介護職員が19万4709円、ここから社会保険料や所得税などが控除されるので、手取りは10万円台前半から中盤程度でしょうか。その金額で介護が必要な高齢者を全力で支えるだけではなく、セクハラの危機もあるなんて。介護ヘルパー見習いのふりをして潜入取材をした家田さん自身も、85歳の男性から力いっぱい手を握られ「ずっと女を我慢してきたんだ」「二万でしよう」と言われたことを告白しています。じいさんとはいえ密室で2人きりで力いっぱい迫られたら、果たして抵抗できるのか。抵抗するうえで相手を傷つけてしまったりしたら、ヘルパーの方が訴えられてしまうし。それだけ過酷な現場なのに、危険手当もないどころかそれに見合わない程度の賃金しかもらえないなんて。

 もう辞めちゃいなよ! と言いたいところですが、厚生労働省によると平成28年の要介護認定者数は620.4万人で、平成26年のデータですが、有効求人倍率は2倍以上となっています。ただでさえ働き手が不足しているのに、さらに人がいなくなったら一体どうなるのだろう? 後期高齢者は増え続けるばかりなのに……。
 そんな現実を目の当たりにした家田さんは「女性が輝く日本」を作るために、介護職に就けば失業から救われると国が考えるのは、あまりにも早計だということ、そして「なぜ介護大臣が生まれないの?」と、内閣あげて介護に取り組む必要があることを訴えています。
 さらに風俗と介護のダブルワークをしている女性達を通して、それぞれの仕事内容に共通点があるのに介護施設では「性欲」という言葉が存在しないものになっていることや、「大好きな介護の仕事を続けるために、風俗をやっている」「子供がいると飲み屋では働けない。風俗だと時間を自分で選べて、好きな時に出られる。正直、高収入っていうのもあるし」などの本音を紹介しています。

 介護の仕事に誇りを持っているからこそ、風俗で働いてまでして続けていきたい。そんな切実な願いがあることを、果たしてこの国の政治家は理解しているのでしょうか?
この本に登場する女性たちは、どちらの仕事も嫌々やっているわけではなく、それぞれに日々発見があることを告白しています。しかし介護の仕事だけで、満足な賃金を得られるとしたら。身を粉にしてまで働かなくても済む女性が、もっと増えるのではないかと思います。
 家田さん自身も「この本は代議士に読んでもらいたい」と言っていました。そこでぜひ「働く女性の応援」を高らかに謳う小池百合子(公人なので敬称略)には、それぞれの現場を見るだけではなく体験した上で働く者の声を聞き、そのうえで活用なりを考えていただきたい。東京から改革していけば、日本も変わることでしょう。その「応援」とやらが口先三寸でないことを証明するためにも、「同じ女性」が直面している問題に「女性知事」として、ぜひ向きあって欲しいものです。

 家田さんによると、性的な歯止めが効かなくなった要介護の高齢者は男性に限らないそうだし、介護従事者は女性のみではないので、結果的に男性の活用にもつながると思います。我ながらいいアイデアだと思うのですが、どうでしょう?

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