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ラブ参  健康のため基礎体温を付けましょう・・・に相当する男性の健康管理は? それよりエッチの生理を知ろうよ

早乙女智子2014.06.11

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 先日、月経研究会なるものに出た。基礎体温を付ける、というくだりで、まあそれはそれで、月経の面白さがわかるし、排卵があったかどうか推測できるので否定はしませんが・・・じゃあ、健康管理のために全員が一生、朝の体温計るのだろうか?生まれたときから死ぬまで基礎体温を付けてみれば、確かにいつ排卵したかわかるし、流産も早目にわかる。で?という気持ちがぬぐえなかった。
ポイントはそこではなく、今やつけたまま寝ている間に基礎体温を計ってくれるランズナイトもあるし~、という話なのだが。
 女性は健康管理のため、綺麗でいるには、などのフレーズにつられやすい。そしてなぜか真面目に言われることをこなしてしまいがち。しかし、一生、基礎体温を付けてみると・・・・と言うフレーズが妙に耳にざわざわ残る。
 そうだ。男性は記録することを勧められないからだ、と気づく。健康管理のため、将来の妊娠に備えるためなら、男子も記録を付けるべきじゃないのか?初めての精通、日々の手こき回数、朝立ちの様子、そして勃たなくなるまで。できれば精液量も測って精子数もこまめにカウントしたい。前回のコンドームを引っ張りますが、それならコンドームを使用することに意味が見いだせる。妊娠に繋がらないけどね。
 女性の性は月経を理由に管理しやすいということ。月経本来の目的は、霊長類のメスがオスの精子を排除するシステムだと、長谷川真理子先生に教わった。なのに、それを逆手にとって管理されるとは情けない。排卵はわかりにくいように巧妙に隠されているけれど、月経は血が出るという作業によって解り易いものになっている。実際、月経などなければどれほど楽か、そして妊娠しても気づかないかも知れないほどだ。
 月経は面白くもあるが、月経痛や過多月経などトラブルも多い。面白くもない日常のお荷物ならば、ピルで軽くしてもいいだろうし、IUSは外来で挿入してしまえば、日々の生活では何もしないで月経が軽くなるので、海外では大人気のようで、最近では若い女性も使用している。月経をねっとり楽しむ女も、そんなものと決別してサバサバしている女もいていい。
 ところで、私は産婦人科の診療の中で「性の相談外来」をやっている。一応、県立病院というところで性の相談外来があるのは珍しい。時々飛行機で患者さんが他県から来る。もっとも、海外赴任しても帰国すると受診して顔を見せてくれる人もいるので、土産話が楽しかったりもする。性に関する相談は、日本性科学会という学会の認定セックスセラピストと、セックスカウンセラーが全国で数十人いるが足りていないのが現実だ。
そこで毎回お話するのが、性反応の話。もちろん、その通りやれとか、それでは不完全だなどと罵倒する気はさらさらない。しかし大人になっても性がどのようなものか知らず、何となくこんなものなのかなあ、と毎回痛い・・・なんて話を聞くと人生がイタすぎる。
 大学生の講義で話したら、高校時代に聞きたかった、という感想をもらうし、高校生に話してもその後問題行動をおこしたという話も聞かない。知らないことで性交が出来ないカップルや、楽しめていないカップル、楽しむという意味が解らないカップルなどがいることの方がずっと問題だろうと思う。
 性には性欲相と興奮相があり、双方がうまく反応して乗って行かないとコトに至らない。男性では勃起が起こる興奮期、精巣が持ち上がる高原期、オーガズム期に当たる射精、そして回復期の4段階があり、女性も同じようなプロセスを取る。女性では興奮期には愛液が出て濡れてくるが、まだ膣が準備できていない。その後にオーガスム隆起、いわゆるGスポットが刺激に反応しやすくなり、子宮がお腹の奥に持ち上がり、膣も奥が緩んで、挿入したときにいわゆる「ロストペニス感」をもたらす。これが高原期に当たる。そしてそのあとに、オーガズムがあり、時に複数回、あるいは一晩中と表現されるマルチオーガズムに至ることもある。その後に回復期に至る。
 しかし、興奮期にちょっと濡れたくらいで挿入されてしまう痛みを感じて、体は反応をやめてしまい、回復期にピストン運動されれば苦痛でしかないわけで。それはもはやセックスとは呼べない代物、ということになりはしませんか。残念ながら。
 月経記録も基礎体温もいいけれど、カウントするならオーガズムの回数をカウントしたいな。と思うこのごろです。

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早乙女智子(さおとめ・ともこ)

神奈川県医師会神奈川県立汐見台病院産科副科長 産婦人科専門医 「性と健康を考える女性専門家の会」会長 日本性科学会認定セックスセラピスト 家族計画国際協力財団(ジョイセフ)理事

1986 筑波大学医学専門学群卒
1986-1991 国立国際医療センター産婦人科研修医・レジデント終了臨床薬理学教室在籍
1991-2000 東京都職員共済組合青山病院産婦人科
2000-2003 NTT東日本関東病院産婦人科
2003-2006 ふれあい横浜ホスピタル産婦人科医長
2006- 神奈川県医師会 神奈川県立汐見台病院産科副科長
専門:人口問題、家族計画、セクシュアルヘルス
2009~神奈川県立衛生看護専門学校非常勤講師
2009~明治学院大学非常勤講師 
  2011~家族計画国際協力財団(JOICFP)理事
2012~性と健康を考える女性専門家の会会長
【所属学会】
日本産科婦人科学会(専門医)、日本女医会、日本不妊学会、日本人口学会、日本性感染症学会(専門医・評議員)、日本生命倫理学会(研究開発委員)、日本母性衛生学会、日本性科学会(認定セックスセラピスト)神奈川STD学会幹事
【著書】『避妊』(主婦の友社1999)『13歳からの恋とからだノート』(新講社2005) 『ガールズセックス』(共同通信社2003)他多数 

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