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開催が案じられていた二丁目祭り「レインボー祭り」が、予定通り10日の日曜日に無事おこなわれました。警察からの許可は下りたものの、たくさんの制約がついたようで、今年は屋台の出店もステージを組むこともできず、時間は夕方の4時から7時までと平年より早い時間帯になっていました。

それでも人は例年並に集っていたように思います。二丁目の通りをたくさんの人が埋め尽くしていくなか、ブラスバンドの行進で祭りはスタートしました。そのあとに六尺をつけたゲイの人たちの神輿が二回通り、沖縄のエイサーサークルの行進が一回ありました。
いつもなら置ける、祭りの進行をするボランティアの人たちのテントの設営も禁止されたようで、通り全体に向けてマイクで司会をされた二丁目振興会の会長さんと、ドラァグクイーンのエスムラルダさんは、二丁目に面しているビルの二階にある「尾辻かな子事務所」の窓から場を盛り上げていました。

私はビデオ屋の中でお二人の声を聞くことによって、どんな状況になっているのかを知ることが出来ました。
途中から、会長をビルに残してエスムさんが路上に降り立ち、マイクを持ったまま様々な場所に行き実況中継をしてくれました。
例年だと二丁目のお店の人たちが様々な屋台を出してにぎわうのですが、今年はビルの軒先のみが許されたスペースだったようで、3つくらいのブースがそれでも出ているようでした。レズビアンバーの人たちのブースに、ニューハーフの人たちのブース、そしてガタイ系のゲイたちのブース・・、実況中継を聞いている限りはそんな様子でした。

私はビデオ屋の中から通りを歩く人たちを見ながら、紙に包まれたトウモロコシを持っている人や缶ビールを飲んでいる人たちをみつけては、祭りの雰囲気を感じてほっとしていました。
それにしても、こんなに制約を受けて規模も縮小されたなかで、少しでも工夫をしてアイデアを出して場を盛り上げていこうという最大限の試みがされていることに感動しました。

ステキだわー、と通りの人ごみを眺めていると、そこにもう一人素敵な試みをされていた方がいらっしゃいました。キャンディ・ミルキーさん、ノンケの男性で趣味の女装をされてこられた第一人者です。ウェーブのかかった金髪のカツラに真っ赤なフリフリの衣装、白いタイツ、背中には赤いランドセルをしょっています。キャンディキャンディ(もしくは小学生女子かしら)の女装をされます。
その赤いランドセルにお手製のレインボーのシールが貼られていました。そこには、2008年東京プライドパレードのマークと、「ひとりでパレード」の文字があります。

来年の五月に事実上延期になったパレードのことです。私はキャンディーさんが今年は一人で渋谷の街を歩くことにしたことを、事前にネットで知っていました。

「お誘いはいたしません」とご本人がブログに書いておられましたが、当日は全国から8名の有志が集ってレインボーの旗を掲げていっしょに歩いたそうです。

毎年昼間にパレードが行なわれ、その足で夜に二丁目でお祭りを楽しむ、というローテーションなのです。
赤いランドセルに貼られたシールを見て、私は爽快感を覚えました。

ここにも工夫があって、それが障害を突き抜けることになっているように感じたからです。今年もパレードがありました。
ビデオ屋の店内に視線を戻すと、こちらは例年通り、外の喧騒とは打って変わって、淡々とビデオを選んでいるお客さんたちがいて、売り上げも普段どおりで、「今日は何の祭りですか」と聞いてくるひと多数で、赤いランドセルと店内のテンションの違いに軽くめまいを覚えながら、入り口に近いレジに立ち、私もずっとこの境界にいるわね・・などと、ひとりごちていました。

さて、この夏の初めごろから付き合っている男性・・これまでのコラムで、ダンサーだのブラックさんだの表記がマチマチでしたが、「クロ」に統一します・・46歳は、その日は友達と浴衣を着て、谷中の「円朝祭り」という落語業界の祭りに行っていました。
江戸育ちのクロは下町のイベントをたくさん知っていて、季節ごとに毎年恒例の行事に参加しているようです。先月の朝顔市はいっしょに行きましたが、今回は私が二丁目で仕事なので別行動になりました。私の仕事が休みだったら、もしかしてそっちに行っていたのかもしれない、と少し罪悪感を覚えながら思いました。

私は二丁目でゲイライフを送ってはいますが、まだなにも工夫をしたこともなく突き抜けてもいないような気がします。
クロは自分の欲望に忠実な人です。宮崎アニメの「ポニョ」に誘ったときは、「オレ興味ないから」と言うことで、私は一人で見に行きました。先日私が友達と研ナオコのコンサートに行ったときも、「あんま興味ねーな」なので、私もその件に関しては会話を終了しました。

けれど、このすれ違い感(というか、別々に生きてきたもの同士が出会った当たり前のような違い)は、けして嫌なものじゃなく、むしろ楽です。
ただ、すれ違ってばかりもいられないのがセックスで、あなたはあなたのやり方ですればいいんじゃない、と言っていては成立しません。

クロは付き合い始めだからか会えばセックスをしたがります。私は3回に2回は断ってしまいます。性欲の濃さの問題か、私はセックスが嫌いなのか、などとツマラナイことをアレコレ考えますが、本当はそんなのではなく、私のアナルセックスに対する経験が少ないことが要因だと思われます。

入れる方は気楽でいいわ、とアナル洗浄がうまく出来ないことに手間取っています。ここくらいは私も努力しよう、と思うのです。あとひと工夫・・、というより慣れたほうが早いかもしれません。
って、志の高い人たちの話から、急降下してしまいました。

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茶屋ひろし

茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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