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安全について考える~後藤政治さんの会見から~ 

北原みのり2011.03.25

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長くなりましたが、3月23日、「福島原発を考える」院内集会の会見をテープおこししました。
例によって、言い回しを文章っぽく変えたり、専門用語を図解で説明する箇所はどうしても表現しにくく割愛している箇所もありますが、私の意図は入ってません。見やすいように、段落分けし、見出しはつけました。
後藤さんやこの会を開催した『原子力資料室』の許可を得たわけではなく、勝手にUstreamを見てテープおこししたものです。
東芝の格納容器設計士の後藤政志さんの発表です。民主党議員をはじめ、一般の方々も多く参加された会です。
「安全」というものをどう考えるのか。考えさせられる会見でした。
「原発に替わるエネルギーはないんだ!」と、今もそう言い切る人はいます。
そういう時に、「そうなんだ」と思考停止する必要は絶対にない、と思います。
これだけの事故が起きた後には、正確に言葉を選んでもらわないと困る。
原発に替わるエネルギーがない、のではなく、「原発に替わる、原発ほど効率がいいエネルギーはないんだ!」と言ってほしい。そして果たして、ここまでのリスクを背負ってまで、私たちはさらに「効率」を求めるべきなのかを、考える時代になったのだと思います。ここで、手を抜かず、力を抜かずに、考えなければいけないっ!!!! て私は本気で思う。
http://www.ustream.tv/recorded/13509182
<なぜ、語るのか>

私は、格納容器がどれだけ保てるか、という研究をしていました。
(格納容器が)圧力温度に、どれだけもつか、という研究です。
この地震がおきた時すぐに、格納器の圧力が設計で考えられている2倍くらいの値が出ていたんです。ぱっとみて、これは過酷事故、スリーマイル島レベルになっているとすぐにわかったんです。これはまずい、と思いました。私は、すでに一年半前に会社を退社してましたが、これは黙っていられません。
それで、表に出てきて発言するようになっています。
これまでもペンネームで問題点を指摘してきました。非常に(原発を)気にしてきました。ただ、そういう声(原発の危険性を訴える声)は届きません。それこそ自分が勤めていましたし、産業界や、会社なりに、正面から批判的なことを言うのは非常にはばかられるものがあった。でも、今回そういうことではない。賛成とか反対とか言っている場合ではない。
今回は、資料情報室の方から、(場を)ご用意していただいて、ゲストという形で、話をさせていただく、という立場でございます。
<予期せぬ『使用済み燃料プール』での事故>
格納容器は事故がないと使いません。
私が設計していたころは「おまえらは不要だ」と言われてました。確かにそうです。要らない方が、幸せなんです。格納容器が必要になることが、スリーマイル島のような事故です。歴史的には(そういう事故は)少なく、無用の長物と言われてました。
今回、水素爆発がおこりました。それ自身は、もちろん大変なことですが、見かけ上の損傷です。
原子力は、そういう問題ではありません。
原子炉がどうなっているか、格納容器がどうなっているか。この二点につきるんです。
だから、建具がすっとんでも、それ自身が問題になることはないと思ってたんです。ところが、ご承知のように、上の方の燃料を入れていた使用済みプールからも問題が起きてきた。
私は格納容器は問題だと思ってましたが、なぜ4号機が問題になるのか、気がつきませんでした。使用済み燃料があることを忘れてました。東京電力さんも、1~3号にの原子炉、格納容器を必死に見ているあいだに、プールの中で問題がおこってきた。
<原子炉の問題点~原子炉はなぜあんなに大きいのか~>
(手に模型を持ち)これは燃料棒の模型です。直径10ミリ内ほどのパイプです。この中に円筒形のペレットがおさめられています。ウランを焼き固めた物がずっと入ってます。これを原子炉の中に、ある間隔で束ねて入れる。本来は中性子が出て核反応が進む。原子炉は勝手に動いては危ないから、制御棒を入れて、止めている。制御棒をぬくと、核反応がダダダッと進む。
地震が来た時は、制御棒を一斉にいれて、原子炉は止まったんです。
問題はそこから先です。
これで見ていただきますと(原子炉の図)。
制御棒入って、1,2、3号炉はすぐに全部停止した。四、五、六は止まっていたのだから、これでお終い。普通ならそうなるはず。ふつうの機械ならそうなるはず。
ただ、原子炉は非常にエネルギーが大きい。
21トンのウランは、トラック何台分です。
エネルギーに対応する量は、正確さに欠いて申し訳ないのですが、イメージとしては30万トンタンカーを五隻分です。最大級のタンカー5隻分がトラック数台に対応するんです。科学的には正しい言い方ではないけど、アナロジーとしては、そういう感じです。
つまり、ものすごく大量の石油を、ものすごく少ないのウランで代替できるという風に言われているが、安全性で言えば逆です。それだけの大きなエネルギーをコントロールできますか? と技術者はみます。
ですから、(原子炉プラントには)安全装置が、いっぱいついている。
原子炉プラントでは、核反応を制御し、お湯を沸かしていく。制御棒が引き抜かれると、核反応がおこる。核反応を進めるのは水が必要です。ここで核反応が進みますと、どんどん温度があがり、熱くなったお湯から蒸気が出て、蒸気を出す配管が四本あり、その先にタービンがあり、タービンにいってタービンを回し、また戻る。
(問題は)、ここに燃料があって、運転していたものが止まった後、冷却するまでにどのくらい時間がかかるか、ということです。
<燃料が溶けると、何が問題なのか>
いま、とりあえず冷却し続けてます。
入った水があって、冷却して、熱を取り去っています。ですから、一応、それほど、温度圧力がジュッとあがっていくことにはなっていません。今の状態でも(冷却を)止めると、原子炉の中は空だきになって、燃料が溶融する。
被俯管が熔けますと、バラバラになって、中のウラン燃料が落ちるわけです。原子炉の中では、閉じ込めてありますが、使用済み燃料のプールでそういうことがおきると、核燃料が剥き出しになっているんです。それはとんでもないことです。
我々は放射能と隔離されていないと生きていけない。
だからウランは、原子炉では3重の壁、5重の壁で閉じ込められているはずなんです。それがここ(3,4号炉のプール)では、剥き出しになっている。そらおそろしくてたまらない状況になっている。
今は、なんとか冷却しているので、それなりに維持している、ということになっている。ですが、繰り返しますが、被俯管が破れて放射能が出ますと、我々の環境に出てしまいますから、(放射脳を)閉じ込める機能を持たなくてはいけない。
<水素爆発の原因・説明>
原子炉運転していると、放射性物質が出てくる。仮に配管が切れたとか、事故がおきると、圧力が高いですからバーッと蒸気が出ます。その蒸気には放射脳が含まれています。それを格納容器の中で閉じ込める。それをベント管というんですが、薄いジャバラ状の、(ベローズという)伸縮する円筒型のものを通って、圧力抑制プールという水のタンクに入り、凝縮されて、容積を小さくします。それによって、圧力温度を下げる。そういう機能を持っています。ここが圧力抑制型、といいます。沸騰水型原子力プラントの特徴です。
どういうことかといいますと。
今回の地震がきた時に、全プラントの電源が落ちたんです。
ステーションブラックアウト、と言います。全電源喪失事故です。
非常に怖いわけです。つまり、原子炉をコントロールするための電源系が全部落ちるわけですから。
その事故に備えるために、核反応を止める制御棒は、電源が落ちた後も入るように設計されている。ところが、いったん核反応がとまっても、その後、熱がずーっと、出続ける。その熱量は、ハンパない量なんです。熱を冷やし続けないと、(燃料棒が)熔け続けるのは明白なんです。データをみると、水面上に、もし発表されているデータが正しいとすると、1から3号まで、1,数メートルから2メーターオーダーまで、水面から出ている、ずっと。ということは、確実にそこは大きく損傷して、熔けている、落ちている、と推定される。そういう状態だと思います。
そういうことになりますと、原子力プラントを設計する時に設計上、一番、気にするのは、あらゆる事故がおこっても、(放射脳を)格納容器の中に閉じ込めること。そこで、最大のエネルギーを計算して、容器の大きさを決めています。ある一定以上の圧力以上はいかないように、絶対にいかないように、設計しています。
全部の電源が喪失した時でも、非常用のディーゼルポンプをたちあげるようになっている。なぜかというと、核反応は止まっても熱は出続けるので、メルトダウンするので、緊急用・非常用のディーゼルを何台もたちあげる。一台ではなく、何台もある。一台でもあればなんとかなった。それが、(非常用ディーゼルが津波で流され)緊急に冷やすための装置も働かなかった。つまり、今回は、空焚き状態になった。
炉心が出てきますと、燃料棒の温度が非常に高くなり、外側の水蒸気と反応し、ジルコニウム管(被符管)から水素が出ます。その水素がある経路をたどって外で爆発した可能性がある。
いずれにしても、燃料が露出しないと、水素は出ないんです。(ですから、現状は)確実に、燃料が損失しています。これは、使用済み燃料プールについても、同じです。
<現実に起きたこと、現状の説明>
原子炉本体に戻ります。
(燃料棒が)熔けてきますと、何が起きるかというと、原子炉の中の圧力温度があがります。ここ(原子炉の下の方)に(圧力を逃がす)逃がし弁があります。ここから吹いた弁が・・・・・ここにはいって・・・・水中に吹くようになってます。圧力を逃がす時、サプレッションプール(圧力抑制プール)の中に吹いて水を凝縮します。(北原記:図を見ながら説明されています)
ここまでは設計で考えた通りです。
問題はこれから先です。
ずっと電源が止まっていたため、冷却ができなかった。
圧力抑制プールは(設計上限界の温度は)103~104度くらいなんですけど、それに近くあがってきている。格納容器自体の圧力も、設計で想定している圧力の2倍近くあがっている。技術屋の立場で言うと、ここは破損してもおかしくない、という状態が続いた。これは大変なことだ、と思った。
格納容器が壊れる、ということは、安全の最後の砦です。
最後に放射能を閉じ込めるのは格納容器だけ。それが破損した、ということは・・・・・。
今の事態、放射脳が海を通じて、大気を通じて遠いところまでいってるのは、格納容器が損傷したから。損傷しないとしても、ここから放射性物質を含む蒸気を出したからなんです。これはきちんと認識しなくてはいけない。
格納容器の圧力がどんどんあがってきた。
圧力抑制プールだけでは熱を冷ませなくなった。
長期的には、海水をもって冷やす。全体を冷やす。
原子炉で冷やし、二次的に海水で、長期的に冷やす。
長期的に。
そうすると、時間とともに、沸騰する。
今度は、格納容器を冷やす系統がないと、格納容器が壊れてしまう。
そこで、しかたないので、格納容器ベントで蒸気を逃がしたんです。
これは放射性物質が含まれている蒸気です。
ただ、初期の段階では、(この蒸気は)それほどひどい状態ではなかった。
これから、炉心が損傷していますと、放射脳物質は確実に出てくる。
先日まで、ずっと冷やてきました。
冷やすに必要なのは、水と、ポンプと、ポンプを駆動するモーターまたはエンジンです。動力と、ポンプと水。これが一緒でなくてはいけない。一つでも欠けたら意味がない。
この状態は、専門用語で過酷事故、シビアアクシデントといいますが、対応は、プラントの中ではできない。だから外からやっている。消防や、海水を使っている。非常事態の中の非常事態です。その状態を維持するのは、危ない。危ない、というのは、不安定という意味です。
本来持っている機能はみんな壊れた。
一番困るのはセンサー、という計測系が壊れていること。
冷やさなければいけないから、外から冷やすが、安定的にそれをやるのは難しいので、電源を復旧させ、それで使えるポンプは使う、本来持っている機能を復活させれば、安定的に冷やすことができる、という考え。
電源を復旧させるのはいいことだと思います。
ただこの作業をするのは難しい。なぜかと言えば、いったん水浸しにしたものに電気を入れるのはショートする可能性がある。ショートすると余計にダメージを受け、問題がおこる可能性もある。それを確認しながら、確認しながら、立ち上げていく。制御するところの中央操作室の電気がついたことは、非常に朗報ですが、それはたいした話ではない。原子炉の圧料温度、格納容器の圧力温度が出るかどうか、そういうデータが出るかどうか、それが重要。ところが、そういうデータが、あまりみえてこないというのが、実情です。
<今、抱えている危機とは>
一番大切なお話は。
今のお話。冷却に必要なのは電源・ポンプ。が、水が足りない。しかたないので海水を使う。海水を使う決断は大変だったと思います。プラントを考える立場としては。私が運転に関わっていたら、躊躇したかもしれません。海水を入れるということは、ほぼ、使えなくなることですから。原子炉本体は使えないのはあたりまえですが、ほかの機器を考えると、そういう躊躇があったのかもしれません。
推移が落ちると、燃料がとけます。
燃料がとけると、被符管と反応し、水素が出ます。そこに酸素があると爆発します。
通常は格納容器の中には窒素ガスが封入してあります。
スリーマイル島、大きな格納容器で爆発がおき、きわめて危機的な状況が二週間くらいあった時に危機感があった。そういう反省もあり、沸騰水型原子炉の格納容器においては、中に窒素を封入しています。仮に、格納容器の中に水素が出たからといって、すぐに水素爆発は起こりません。何らかの経路で、水素が伝わってどこからか漏れて上に行き、酸素があるところにいき、水素の可燃限界にいき爆発した。そう見れる。ここ(格納容器の外)で水素爆発がおきた、ということは、格納容器の中で水素爆発が起きたのとは違う。
建屋が飛ばされたこと、格納容器と原子炉が損傷しなかったのはよかった。
問題なのは、ここで水素が発生し、どのようなかたちで、どこがどういう状態でダメになっているかが、全く、何一つ、発表されない。
安全ということを考えた時、原子炉の状況がどうなっているかが一番気になる。
何にも情報がない。
温度に関して、昨日、やっと初めて、見ました。
3月22日15時30分現在、1号機380度から390度、2号機は100度、3号機計測不能。
温度をどういう風に温度を撮ったのかわからない。圧力容器の外表面と言われている。
圧力容器の外表面ということは、そこに接しているか、離れているかで全然違う。格納容器のふんいき(?)であれば極めて、まずい。300度はもたない。格納容器は250度がせいぜい。だから、そんなことになってはいない、とは思いますが。圧力容器に近いところの温度だと思いますが、圧力容器の温度をどう測っているか、という技術的な説明が絶対に必要。だけど、そういうことを開示しない。ですから海外から、逆に、危険だ、危ない、という情報が出る。むこうから心配してくる。当たり前です。技術的な情報を出していないので。我々も疑心暗鬼になります。それが非常にまずいと思います。
<再臨界の可能性はあるのか? これから起こりうる事故とは何か?>
さきほど申し上げました、格納容器ベントが非常に問題になります。
時々言葉として出てまいります、臨界。
この意味についてお話します。
臨海とは核物質。この場合には核燃料ですね。
核爆発の時は、核原料物質といいますが、核物質が一定量集まって、核分裂が継続しておこること。水があるとより効果的。
原子炉の運転システムと同じです。
ある量の核物質があって、水がある。
水というのは中性子の速度をゆっくり落とす。水があると中性子が減速されてゆっくりになる。そうすると核反応が進む。意外かもしれませんが、中性子の速度が遅いほど、反応する。水という減速材があると、核反応が進みやすい。
ここで起こる(かもしれない)臨界事故というのは、燃料棒が溶融してダーッと床に落ちて溜まり、その時に水とまざった状態が、再臨界。臨界になる条件に達すると、再臨海になる。
制御棒をいれて止まったが、臨界の条件を満たすと、もう一度、勝手に原子炉が運転される状態になる。それを恐れている。だから中にホウ酸水を入れて臨界を防ぐ努力をしている。
ただ。再臨海のおこる確率は可能性としては少ない。
が、こういうシビアな条件では、再臨界を起こさないことは、絶対絶対条件。可能性はないわけじゃない、あるが、少ない。私も臨界が起こるとはおもっていない。たぶん、おこらないと思う。ただこういう事故の時は必ず考えなければならない。
何がおこったのか。
4号炉で、非常に、比較的新しい燃料が入ってるみたい。臨界をおこしやすい条件なんです。燃料ラップという、燃料棒の感覚を広げたかっこうで・・・ようするに立てかけているんですが、それが地震によってくずれ、燃料間の感覚がつまった。そこで水がありますから、臨界になる可能性があります。
ある研究者の見解を紹介します。
四号炉では再臨界がおこったのではないか。
燃料が何らかの形で倒れ、再臨界し。急激な状態がかわり、臨界状態が熔けて、元に戻る。また条件が整うと再臨界する。そういうことがあったのではないか、と推測した。
なぜそういうことを言うかというと。
一つは、中性子が飛んだという情報がある。
それが正しいとすると、どこかで・・・原子炉の中から直接中性子は出てこないので・・・出るとしたら、4号炉の(使用済み燃料プールの)可能性が高い。そういうことがあったのではないか。という推論もある。科学的な知識をもった人の推論です。当てずっぽうの話として話しているつもりではない。
こういうところでも臨界条件が整うことがある、というのは極めて怖い話です。心配です。
燃料が露出しますと、溶け出す。
(使用済み燃料であっても)長期に冷やしてませんと、熱がずっと出続けている。燃料が損傷する。
水位が落ちて、燃料が落ちる、この部分が溶融をはじめる。これが落ちてくる、。蒸気が落ちると、水素が出て、酸素のある環境になると爆発の危険性がある。さらに炉心が溶融し、溶融物が水と接触すると、水蒸気爆発の可能性がある。
これも極めて怖い話です。溶融したものに水をかけうる、あるいはプールに溶融物が落ちる。爆発の可能性がある。
これは、火山で溶岩が水に入って爆発したり、鉄工所などで、溶けた金属を扱うところは非常に気を遣っています。その分野の方は常識的に気を遣っていることです。
ところが原子力が厳しいのは、水を入れると蒸気爆発の危険性があるのにもかかわらず、水を入れなくてはいけないこと。
原子力の厳しさは一つじゃない。
こうやったら安全になる、という事実が見定めにくい。
話をもとにもどすと。
この条件。水蒸気爆発の可能性は、どんどん減ってきている。全くとはいえない。いい加減なことは言えない。条件次第です。
冷却はどうするか。
炉心をこのまま、燃料棒を外に出しても、水で冷やさなくてもよくなるまでは、年単位で考えなければいけない。
それも、燃料自身が健全な条件で、年かかる。
そうすると、ここでぐちゃぐちゃになっている燃料にタイして、どのくらいかかるはわからない。とてつもない話です。ずっと冷却が必要です。さらにそれはどーっと放射脳がでている、いろんな問題があり続ける。
で。少しデータをプロットしてみました。(熱量のデータを提示。原子炉の運転を止めた時に、どのくらいの時間をかけて冷えていくのか、というデータ。
技術的なデータで申し訳ない。(熱量のデータ)
ログスケールなんでわかりにくい。ログというのは、2時間、一日、一週間、100日・・・という
運転をバッと止めていて、全体の出力に対して、1%2%落ちる。
2時間後たつと、急激に落ちます。やっと、1.数パンセーんとが、0.何パーセント落ちる。すごい熱量なんです。ほおっておいたら熔けてしまう熱量。一年、2年でも。ずっと出続ける。
ずっと冷やし続ける、安定して冷やし続けることがいかに難しいか。一時期ならできる、長期なら難しい。技術やとしてはそうおもう。そういう技術を我々は持っているのか。
<いつ、収束するのか>
いつ収束するのか。
峠を越している、前よりはましな状態になっていると考えています。
ですが、まだ冷却をしなければまずい。決して安定している状態ではない。
だから電源を復旧し、安定した冷却状態をつくる、というのが今の絶対的な条件です。
中はどうでしょう。
これは、推測の域を出ませんが、これはスリーマイル島の原子炉の中です。
溶融物が原子炉の底を溶かしはじめている途中、ここが熔け落ちなかったので、助かったんです。これが熔け落ちていたら、もちません。スリーマイル島がチェルノブイリ型になるのは、落ちるかどうかにかかっていると言える。
ただし、チェルノブイリは核反応の制御に失敗し爆発しました。スリーマイル島は(核燃料が)落ちて格納容器がダメになり、全部でてくる。その状態で途中で爆発を起こせば、チェルノブイリに近くなる。
今回恐れていたのは、それです。我々はそれを一番恐れていた。
運良く、このまま収束したとしましょう。
7年も8年も、10年もにこれがわかったんです。
分析をかけたら10何年です。
そうすると、事故があってから中身が10年もかからないと分からない技術ってなんでしょう。その間、安全性はどうなるんでしょうか。そういうものは成立しないと思います。
そうすると、福島もどこまで溶融したのかはわかりません。
ほぼ確実に言えるのは、一部にしろ、溶融している。かなり溶融しているかもしれない。放射脳も非常に強いですから、中を開けられるのは非常に先になる。
<格納容器の矛盾>
格納容器の話をします。
これは別のタイプ。マーク?型、といいます。
マーク1は周囲にドーナツ型のタンクがある。
マーク2は下にタンクがあるタイプです。
格納容器は建物の中にはいっちゃいますから、なかなか見られません。
ここに、ペネトレーションという貫通部があります。
格納容器の鉄板を通って、配管やケーブルが出てくる。100の単位である。さらに、ハッチという機械を搬入したり人が出入りする場所がある。
これが事故があると、隔離弁というのが、事故になると、ズバーンと落ちる。隔離するんです。外に放射脳が出ないように、弁を閉めるんです。隔離した状態で保ち、圧力温度を保つ。それ以上はなにもしない。格納容器です。それが。
それが矛盾したことをやりました。
格納容器ベントです。
放射脳を閉じ込めるはずの格納容器がなぜベントするんでしょう。
ベントというのは、中にあるものを外に出す、というイメージです。
それは普通の場合はそうですが、格納容器だけは、ベントなんてあり得ないはずです。放射脳を閉じ込め、出さないようにするのが格納容器ですから。
ベントしなければいけないのはなぜですか。ということは、ベントしたとたんに、原子力技術としては破綻している。放射脳を外に出す、ということだから。あとは程度問題。
設計の時。
遮断して、運転に入る前に、圧力をかけます。
中に設計上の圧力をかけ、がんばります。
その時に、そうは言いましても、貫通部というところから、どうしても、微量にもれる。それがある一定の基準であればOK,基準を超えると運転できない、という風に設計されている。
敷地境界の基準値があって、その基準値を満足する漏洩量に抑えるのが設計。にもかかわらず、事故の時とはいえ、格納容器をベントするというのは、放射脳を外に出すこと。それは当然、格納容器としての機能を失った。ということ。
格納容器の自殺です。
(圧力ベントの、部分の細かい説明、部品の説明、設計段階での圧力設定などのご説明。図がないとわかりにくいのでご興味のある方はみてください。あらゆる圧力容器と同じ、シンプルな圧力容器を持つ原子炉の構造がみえてきます。)
格納容器が圧力温度に対し、どれだけもつか。
だいたい、格納容器は設計条件の2.5倍程度。あるいは250度~300度を超えると漏洩する可能性が高いです。
2.5というのは幅がありまして設計とか条件があります。うまくすると4倍まで持つ可能性もある。評価上は、2倍くらいはもつであろう、という評価をしています。
二倍くらいは持つだろう、という結果を踏まえベント・・・、これ以上我慢できないから、ベントしている。
設計条件を超えた状態といえ、格納容器から中にある放射能を出すという状況は、違法です。違法というか。おかしな話です。閉じ込めなくてはいけないのに、出しているのだから。
二日ばかり前の話。
3号機の格納容器の圧力が何らかの原因で上昇をはじめた、という情報がありました。
炉心の冷却がわるくて、圧力があがったのだと思います。
格納容器の中の圧力があがってきた。
設計条件を超えて、どんどんあがってきた。
放っておくと、フランジか、電気ペレか、ほかが壊れるかもしれない。仕方ないのでベントする。放射能を含んだガスを出すかもしれない・・・と東電は発表しました。
ここの放射能を出す、といっているんです。
蒸気はここ(圧力抑制プール)で凝縮されて出るものですから、水の中に放射能を含んだ蒸気をいれますと、放射能は何割か減るんです。ですから水の中で、プールスクラビングといいますが、水の中で放射脳を減らして出す、と発表しました。
その次の発表では、とは言いながらも、これができないかもしれない、その時はそのまま出します、と発表した。
今までと違って、炉心が損傷して放射能がいっぱいでてるので、10倍ほど濃度の高い放射能を出します、という発表でした。用意ならぬことになってきた、と思っていたら、圧力が安定したので、ベントはやめました、と安心しました。でもこれからもそういう状況になった。これは、いつでもあること。炉心が冷却に失敗すると、格納容器の圧力温度が上がると逃がさなくちゃいけないい、でも放射能が入っている。でも、がんばると格納容器がこわれてしまう、だとしたら少し汚染するが放射能をだすか、究極の選択を迫られる。
これが格納容器における矛盾したこと。
過酷事故といって、設計の段階では考えてはないことです。
設計をしていて、一番苦しかったことです。
事故になった時、(放射脳を含む蒸気を)外に出さざるを得ない、最悪のことです。
<ヨーロッパの原発には“常識的”にあって、日本にはないもの>
ちなみに、法的には規制がないんです。
私のオフィシャルに、過去、やらなければいけなかったことは、設計の条件、圧力と温度がもてばいいんです。それ以上の義務はありません。二倍の(条件に)状況に責任はありません。安全員会は要求していません。設計条件、圧力温度、それだけです。スリーマイル島のようなことは起こりえない、可能性がめちゃくちゃ低い、と行ってきた。ずっと言ってきた。
日本では1990年頃、過酷事故は日本ではおこらない、シビアアクシデントはない、だから過酷事故という言葉はなかった。海外の研究者には驚かれました。
設計条件を超えた事故というのが、シビアアクシデントといいます。これは刺激が強い言葉。絶対にあっちゃいけないと言われていた。
だから「条件」(設定条件を超え事故の可能性になる条件)は、存在していたけど、存在していないとされていた。
苦しかったです。
おかしいと思ってました。
確率が少ないと言われていた。
できるだけ、持つほうがいいな、とは思っていました。
安全委員会、1994年に検討をはじめ、正確さに欠けていたらごめんなさい、1994年に安全委員会が、めったにおこらないかもしれないが、おこるかもしれないとい発表した。が、設計条件の義務にはしなかった。自主的に民間でシビアアクシデントに対する範囲の対策を自主的にやってください、というのが安全員会の見解でした。電力会社も義務はないです。過酷事故対策は、自主的にやってるだけ。ダブルスタンダード。これが原子力の現実です。
さらに申し上げますと。爆発的な現象があると、どんなことがあっても、無理です。急激な爆発ですね。大規模な爆発があると、それは無理です。
そうではなく、今のように、徐々に徐々に圧力温度があがり、格納容器が壊れるとき、ここからベントすればいい、という考えがある。放射脳を出すわけです。だったら、なぜ、ここに(ベントする所に)フィルターをつけないのか。
通常時は、フィルターで煙突から出すときは、放射性物質が少ない量で、普通の配管やって、フィルターで濾すとと、なんとかなる。事故の時の量は全く違う。とても越せない。
ヨーロッパでは。格納容器からベントするときは、フィルターをつけなければいけない、という義務がある。ものすごく大きなフィルターです。ヨーロッパでは常識的につけている。すべてかどうかはわからない。少なくとも、フランスドイツはつけている。義務化、あるいは自主的につけている。日本では一個もつけていない。
当時から、そういうものがあることは、技術的には知っていた。が、日本ではそういうことは起こらない、と考えられていた。あるいは、もっとひどい話は、非常に大きい。つけると目立つんです。濾すというのは、目が細かいですから、ものすごく大きな面接、直径にしたらものすごく面積がいる。それを嫌がったんです。
私が非常に悔やんだのは、そこにフィルターをつける設計に切り替えていれば、今回の事故の、少なくとも、かなりの部分を抑えられたのではないか、と思うと。悔しいです。
ただ、それがあればすべてが防げるか、というとそうではない。
この事故のタイプにおいて、そのフィルターに意味がある。
もし、急激な事故になれば、また違ったものが必要になる。
それがどれだけ必要になるのかは、ケースバイケースになると思います。
問題として考えられるのは。ある学者が言っていることです。
設計では、起こりうると考えられることは、必ず起こると考えなくてはいけない。
起こりうる、と考えて可能性が少ないだろう、と考えるのは設計ではない。
起こりうるとわかっているけれど、こんなのは隕石にあたる確率と同じだ、と評価をして落とす。そういうやり方をしてきた。
福島でこれだけの地震と津波がくることを、誰が予想したでしょう。我々の予測を超えた。ロジックとしてはこういうことがおこるか、ということを踏まえて、安全になるようにするのが原子力の役割。
そうでなければ成立しない技術だと考えます。
<安全、についての考え方。技師の立場から。>
もう一つ。
後楽園の事故の後に、事故から学ぶ安全設計、という寄稿を新聞にした。
安全とは何か、という議論。
物は壊れる、劣化したりこわれる、確実に壊れる、と思った方がいい。壊れても安全でなければだめだ、という考え方をする。フェールセーフ。
もう一つ。人はミスをする。人間は勘違いをする。勘違いをしたり、ミスをしても、でも安全でなければいけない。フールプルーフ。と言います。
フェールセーフとフールプルーフ。
安全設計の根幹です。
(原発は)そういうことができていない。やり得ない。難しく、複雑過ぎる。
核反応があって、お湯をわかしてタービンを回して戻す。
それだけのことであれば、非常にシンプル。
それだけであれば、原発は、今の数十分の一の規模になる。
(あれだけ大きい施設になるのは)安全のために建てられている。(原発は)安全系の塊だ、と言われている。
多重防護、多層防護をしている。
何かがあったら、突破されたら、がんばる、そこがダメだったら、次でがんばる。そういう風に設計しているつもり、なんです。
嘘ではありません。私もそういう考えでやってきた。
でもこれだけ複雑になってくると、今回の事故、津波なら津波ということによって、同時に、多数のものがやられている。同時多発故障。同時に全部、ということは普通は考えない。地震・津波の怖さは同時多発故障なんです。そうすると同時多発故障を考えて設計しなければいけない。だけど、それは複雑だ。ある程度はまではできるが、完全にフェールセーフはできない。その場合に、どう選択をするかを考えなければいけない。
(同時多発事故は)非常に確率は小さい。一生のうちに自分が受ける確率は、少ないかもしれない。ですけど、明日起こる可能性もある。
我々の後輩、子孫に対して責任をもてるか。そう考えた時、私は一技術社として、とても責任は負えない、と考えています。
原子力は絶対に事故を起こしてはいけない、と考えますと、地震・津波の設計条件、きわめて甘い。
3,4メーター、5メーター程度の津波を考えている。数倍大きな津波がきた。
地震についても同じです。
柏崎かりはで、設計で考えた地震動の2倍から3倍がきた。でも、大きなダメージはなかったので、設計に余裕があったから大丈夫だ、という評価をした。
とんでもないことだと思ってます。
私は構造設計をしますが、与えられる地震の条件が2倍3倍になったら、だめですよ、そんなものは、成立しません。
もともと私は、原子力の前は、海洋構造物の設計をしていましたが海底石油の掘削、ディグ(?)、といいますが、波高30メーター、風速100メーターの設計をしていた、それが倍になる3倍になる、なんてとんでもない。
ディグの場合は、あらしかなんかが起きたら、ヘリコプターで逃げられる。だからいいんです。でもこれは逃げられないでしょ。原子力は。地震が三倍? ふざけた話じゃありません。とんでもない話です。徹底的に間違っている。
柏崎でそう思いました。
浜岡はいつ地震がきてもおかしくない。
どうするんですか。そういう心配をしている矢先に、福島でおきた。
まさかここで、と思いました。
私の専門ではありませんが、地震関係の学者いますね。異論がでています。設計条件甘いのではないか、活断層の見方がおかしい、という論争がおきてます。でもそれはある種のところで割り切ったり、多数で押し切ったりしている。学者としての本当の機能をしていない。その結果が、今、なんです。
私はプラントを設計した責任者として罪は免れないと思う。申し訳ないと思う。その基準をつくった人たちは遙かに罪が重い。
今は責任問題を言う時期ではないかもしれないが、そういう問題への思いが、私は強い。だから申し上げました。
地震、津波の設計条件がきわめて甘い。不確定要素が大きい。
海岸線とかによって、波があるところは高くなる。その予測は非常に難しい。災害関係について学者に教えることはありますが、世界最大の津波の波高。スマトラは40メータークラスです。これが最高ではありません。520メートルクラスの波高が2,3回あります。アラスカの方ですね。
日本でも、雲仙でしたか、山が崩壊して100メーターに近いクラスの波がきたという記録も確か、あるはずです。記憶が確かではないので間違ったことを申し上げてはいけないけれど。
波というのは、ある条件下においては大きくなる。地震も同じです。
構造物の設計をする立場として、神戸の地震で、なぜ橋脚がこわれたのか不思議だったのですが、あれはどうも地殻の湾曲したところがあって、そこで反射して、増幅し、波というのは、プラスとマイナスが重なると消えるけど、プラスとプラスが重なると波が増えることがあり、神戸では特別増幅したと言われています。原子力ではどうなるか。柏崎でも、今回もですが、大きな揺れがあった。何でこんなに揺れたのかわからない。途中でいくつも密度の違う地層があって、それによって増幅した、それで2倍、3倍になることがある、と言われる。
ふざけるな、と言いたい。(原発を建設する土地の)地中の中のデータすべてわかっているんですか。すべて後追いです。(地震の後に)地層を調べ、計算したらあった(符号する)よ、と言う。では、他の所はどうなっているのか。そういう問題があるんです。それでは設計条件があわなくなる。設計はできない。関わっている学者の方々に反論は色々あると思いますが、私はそう認識しています。
安全設計上の事故条件の想定が間違っているんです。
現状、冷却材喪失事故、配管が破断し、格納容器でがんばる、そういう設計です。少なくとも、今回炉心が溶融し、圧力容器が破損するのは、設計の条件に入ってません。ですから、炉心溶融、圧力容器破損がだめになった=ギブアップ、というのが現状です。
私が最低限、これだけやればいいかな、というのは、少なくとも炉心損傷が設計の条件になっていなければ話にならない。なぜかというと、今まで冷却喪失事故なんて滅多におこっていないんですよ。なんで炉心損傷を条件に入れないのか。同時に圧力容器が破損しても大丈夫にしなくてはいけない。そこまでやらないと安全正は保てない、という風に考えています。
原子力担当している方としてはできないとおっしゃるかもしれない。それくらい厳しくしないと、安全は担保できない。もしできないのなら、やめたほうがいい。これだけがあればいい、というものではない。少なくとも、という意味です。
日本は島国です。
長期における放射脳汚染による健康、経済的社会的影響は甚大です。
社会的風評もあります。
風評がいけないんではなく、元がいけないんです。怖いのだから、あたりまえだ。
できる限り被爆したくないのは当たり前。この量ならいい、というのはおかしい。考え方おかしいです。この量だったらいい、じゃなく、仕方ない、んです。健康にとって損かもしれないけど、生活基盤を失うわけにはいかないからがまんしていえる。のと同じ。
安全だ、というのではなく、できるだけいかに被爆を少なくするためにどうsるうかを考える。専門ではないことまで口を出しましたが、そういう考えです。
以上私の報告です。

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北原みのり

ラブピースクラブ代表
1996年、日本で初めて、女性だけで経営するセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」を始める。
著書に「はちみつバイブレーション」(河出書房新社1998年)・「男はときどきいればいい」(祥伝社1999年)・「フェミの嫌われ方」(新水社)・「メロスのようには走らない」(KKベストセラーズ)・「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)・「毒婦」(朝日新聞出版)など。佐藤優氏との対談「性と国家」(河出書房新社)・最新刊は香山リカ氏との対談「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」(イーストプレス社)など。

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