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なでしこジャパン

2011.07.19

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 なでしこジャパンのワールドカップ、ものすごく面白かった。最初は男子サッカーと比べて、女子は動きがポテンポテン、としているなあ~と思って見てたけど、「男子サッカーと比べて」、ぶつかって倒した時の敵に対してのフォローにたっぷりのねぎらいが入っていたり、サッカーでよく見られる意地悪な態度、罵声を上げたりひっつかんで倒したり不必要に殴ったり蹴ったり、そういった野蛮な感じがなく、見ていて楽しかった。男子サッカーは日本人だけが大人しい、という印象があるが、女子サッカーはどの国もフェアプレーという感じがした。
 それに決勝戦の延長戦が終わった直後、日本は全員、一瞬で監督のもとに駆け寄り作戦会議を始め、そのまま21人でキレーッに一糸乱れぬ真ん丸の円陣を組んで気合を入れていた。その横でアメリカはバラバラのまま適当に集まりだべっていて、その差(国民性の違い?)もとても面白かった。アメリカはPKが始まる直前にやっと11人くらいでグニャグニャの円陣になって声をかけ合っていた。だから日本が勝った、とかじゃないと思うけど、きっとどちらもいい国なんじゃないか、と初めて思った。
 女のスポーツ競技は、いちいち可愛いとか可愛くないとか美醜を基準に語られていたけど、なでしこジャパンの報道にはそういった意味合いが入っていなくて、とても見やすかった。「女子の競技をこんな風に楽しめるんだ」という感覚も、日本に植え付けてくれたように感じた。今までの、ビーチバレーの浅尾美和の股間とか尻ばかり映して、ペアの女の子は(浅尾ほど可愛くないから)全く画面に映らなかったり、浅田真央は「セックスしないと演技に色気が出ない」とか言われたりしていたことが、本当におかしいことだったんだ、と改めて思えた。
 テレビは隙あらばすぐに「美の司令塔」とか「フィールドのビューティークイーン」とか、女性スポーツ選手には“女が喜ぶ”とされる美しさにまつわる肩書きをつけたがる。その隙は、女性選手側の「洒落っ気」と「男にモテたい気」がちょっとでも見える時に生まれると思う。今回のなでしこジャパンのメンバーは、女性として扱われようという努力みたいなものが見えず、だけど男っぽい感じの選手も、「女っぽくない点を突っ込まれるのがイヤだから、敢えて男っぽく振舞っている」という卑屈な開き直りのような感じもしなかった。全員が凛と「自分」をしていた。そのオーラがスポーツを美醜で語るという俗っぽさを寄せ付けず、日本中の応援パワーを純粋に競技というものへ集中させ、金メダルへ運んだんじゃないかと思う。
 だけど、ラジオで「なでしこジャパンが可愛かったら、サッカーをしたいと思う女の子が増えて完璧なのに」と男のパーソナリティーが言っていたと聞き、めらめらと腹が立った。何かをしてる人がキレイだから「私もやろう」と女は思うって、どんだけ単純な発想なのだろうか…。私は女子校に通っていたけど、生徒間の運動能力の差は常に歴然としていて、運動が好きな子は必然的にバレーやバスケをするし、全く出来ない子はいくらスポーツ選手でキレイな人がいようと、急に走り出したりすることは稀すぎる。「可愛い」を目指す子は、アイドルや読者モデルを目標にするし、「スポーツ選手が可愛ければそのスポーツをする女子が増えて日本が強くなる」なんて、愚説であると断言したい。
 とにかくなでしこジャパンが面白かった。こういう風に女子スポーツを見たい!
なでしこジャパン
女向け商品度★★★★★(崇拝)
どうしても「なでしこ」と聞くと“なでなでしこしこ”(男性器を女が優しくさすってあげてる擬音)が浮かんでしまい、結局男を勃てなきゃいけないのか、と不穏な気持ちになる度★★★★★
深夜に観戦中、いつも大人しい夫(サッカーが好き)がなでしこプレーにいちいち「ア~ッ! そこそこぉ!! 右だよ~!! アアッ いいよぉ~!! アア~ン!!」と絶叫で悶えまくっていて、窓開けっ放しにしていたのでまるで私がなでなでしこしこプレイをしていると近所に思われるんじゃないか不安だった度★★★★★

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