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ブルゾンちえみの「ミラクル」を堪能しながら、手越祐也や出川哲朗、二宮和也の「天才」を味わう2017年・冬

高山真2017.02.22

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 もう2017年も2カ月が過ぎようとしている段階でこんなことを言うのは遅れに遅れまくっているのですが、ブルゾンちえみ超好き。どのくらい好きかと申しますと、久しぶりに見たブリトニー・スピアーズの『ウーマナイザー』のMVで、黒髪ボブのウィッグをかぶってキャリアウーアンのコスプレをして踊っているブリトニーのほうが、ブルゾンちえみに見えてきてしまうほどです(『ウーマナイザー』、もう7年も前の曲なのね…)。

 アタシったら、レコーダーに「ブルゾンちえみ」とキーワード登録して予約録画してるほど。レコーダーのこういう機能を使ったのは初めてよ。まだ若い大学生のときなどは、ビデオにこんな機能はついていなかったので、新聞のテレビ欄をかなり細かくチェックしていたものだけれど。

 ブルゾンちえみ本人が「誰も敵を作らない体」「ねたみそねみを生まない体」と形容するあの見事なバディと、あの見事なメイクで行うドヤ感たっぷりのネタ。それに加えて「滑舌が沢尻エリカ」というミラクル。こんなん絶対に笑うわ。

 「with B」という名前がついたバックの男ふたり組の、絶妙な「遠目からがいちばんイケメンに見える」度合いも含め、ちえみのネタから目が離せないの。

 1月の終わりに新宿二丁目で開かれたクラブ系のイベントに、ブルゾンちえみが出演したときも、体調けっこうよかったんで行きましたよ。立錐の余地もない混みっぷりの中で、アンコールに応えたちえみは、鉄板ネタの「だって、地球上に男は何人いると思ってんの? …………35億♡」を披露したの(客のゲイのほとんどが、ネタをそらんじていたことにもビックリした)。

 で、「35億」に続く「あと5000万人」の部分を、ちえみは「2億はホモ」に変えてブッ込んできたわ。その瞬間の、周りのゲイたちの歓声の大きさといったら! 小さな営業場所でも、その場に合わせたアドリブを入れてくるブルゾンちえみのスタンスも、とっても印象的だったわね。もし、いまアタシが19歳の小娘ゲイだったら、「2億! そんなにいるんだ!」と、パワーをガッツリ注入されていたと思うわ。

 それにしてもつくづく思うのは、「カッコよさげなリズムとか音楽の中にさえ『面白さ』を見出す。それも才能よねえ」ということ。渡辺直美もビヨンセのモノマネで世に出てきたし、ブルゾンちえみはオースティン・マホーンの『Dirty Work』を使っている。自分が音楽的な感受性に欠けている自覚があるせいか、こういうのって、言葉で生み出す「何か」よりもさらにパワーがあるような気がしてならないわ。なんと言うか、「頭より先に、体に直接くる」みたいな。

 で、こういうネタは、渡辺直美のビヨンセもそうだったけど、男たちの反応は基本的に薄いもの。まあ、年をとればとるほど、こういうネタに対する反応が悪くなるのも無理はないんだけどね。ブルゾンちえみに対しても、それがオトコ芸人たちの芸風でもあり、彼らなりの褒め言葉でもあるんだろうけど、「ちょうどいいスタイルの悪さ」とか「黒目の分量が腹立つ」みたいな感想が目立っていたわ。

 そんな中、アタシがテレビを見ていて刮目したのが、手越祐也と出川哲朗。それぞれ、ブルゾンちえみのネタを見た直後に、こんな感想を漏らしていました。

 「めちゃくちゃ面白かったです。いいですねえ…、あ、ヤバいヤバい。目ぇ合わせてたら落とされそうな気がして。(ちえみさんが)出てきた瞬間に、頭の先からつま先まで見ちゃった自分がいる」(手越祐也)
 「岡村隆史のど真ん中のタイプ。セクシーボディ」(出川哲朗/1月1日)
 「ちえみちゃんがそんな色っぽいってことは、いつも一緒にいるwith Bと恋愛関係になっちゃわないの?」(出川哲朗/2月9日)

 ジャニーズのアイドルでありながらこういう感想を口にして、どこにも波風を立てずに成立させてしまう手越と、100%「いいオンナ」としてブルゾンちえみを扱う出川。いやー、こういうところで手越と出川の「天才」を確認することになるとは。そりゃ手越は愛されるよ。時代は出川に味方するよ。あ、あと、『嵐にしやがれ』で、ゲストとしてやって来たブルゾンちえみのルックスや体型を一切揶揄することなく、10分くらいあったコーナーを笑いだけで仕切った二宮和也も、相当な凄腕ね。

 なんだかんだ言っても、テレビの世界(に限った話ではないけれど)でキャスティングを握っているのは、オトコたち。クレジットロールに出てくるプロデューサーの男女比を見ても、それは明らかね。ただ、ブルゾンちえみのようなオンナ芸人は、「落として楽しむ」のではなく「アゲるからこそ楽しい」という事実に、オヤジたちも気づいてほしいわけ。「一発屋で終わってほしくない」と思う「芸人」の登場なんて、アタシにとっても超久しぶりだから、ホント、この願いは切実なのよ…。

『WOMANIZER』MV


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