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相次ぐ性犯罪無罪判決に抗議する!「#MeToo #WithYou 4・11緊急行動」@大阪

李信恵2019.04.18

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相次ぐ性犯罪無罪判決を受けて、「このままではいけない、黙らないで声をあげよう」と、東京では4月11日、作家の北原みのりさんらによる「性暴力と性暴力判決に抗議するスタンディング・デモ」が開催された。

私は同日午後6時から大阪の梅田HEP前で開催された「#MeToo #WithYou 4・11緊急行動」に参加した。北原みのりさんの呼びかけに、大阪でも応えようと企画されたもので、平日の夕方であるのにもかかわらず、60人以上の人々が集まった。

 

TwitterやFacebookなどの告知には「参加者は#With Youの思いをあらわすために、花や、花柄のなにか、またはピンク色のものを身につけてほしい。バナーやプラカードなどを持って集まってください」とあったので、私はショッキングピンクのトレンチコートに岡山の友人に作ってもらった「#MeToo」のワッペンをつけて駆けつけた。久しぶりに着たコートは、ぱっつんぱっつんだった(つまり太った)が、それはまあいい。

会場となったHEP前では参加者はさまざまなプラカードや花束を手に持ち、そしてひとことずつアピールを行った。男性も何人か参加していて、そのことも素晴らしいことだと思った。この問題は、女性だけの問題ではないからだ。

その間に、ビラを配っていた女性からある話を聞いた。「一度は通り過ぎた女性が、しばらくしてからビラを受け取りにここまでわざわざ戻って来てくれた。
どんな思いで受け取りに来たのかと思うと胸が苦しくなる。
もしかしたら、彼女も性暴力の被害者だったのかもしれない」と、すごく心配されていた。

性犯罪無罪判決が続き、Twitterでは一部の弁護士からその判決は妥当であるとか、路上で声を上げることはただの自己満足、挙句の果てにはヘイトスピーチと同じであると云う馬鹿げた発言も目にした。
私は、ヘイトスピーチが行われていた現場に何度も通った。
そのたびに苦しく、つらかった。
けれど、そこにはいつも反差別のカウンターの姿があった。
彼ら、彼女らを見かけるたびに、うれしかったし、自分の存在が肯定されているような気持ちにもなった。
路上で声を上げることは、ときには声を出せない、黙らされている誰かの支えや勇気にもなるのだ。

ビラを受け取りに戻って来てくれた彼女にとって、集まった人たちの姿もまたなんらかの支えになってくれたらいいのに、と思う。
私は一参加者に過ぎないし、性暴力に関してはいまだに心の中で抱えて誰にも言えないこともある。
「#MeToo #WithYou」は、勇気をもって告白する人のためにもあるし、つらさを黙って抱えていたとしても、そのままのあなたの隣にいるから安心してほしいと、伝えることでもある。

法律は人がより良く生きるためにあるし、現代の人権にそぐわないおかしな法はどんどん議論し、改善すべき部分はとっとと変えたらいい。
そもそも、性暴力被害者を守るための法律がないのもおかしい。
早く作れ。被害者の声を聞きながら、冤罪を防ぐことは両立する。
被害者の感情や尊厳を置き去りにした、強者の理屈はいらない。

そして、「ビラの中に性暴力被害者が必要とする、支援機関や相談窓口などの記載がなかった。申しわけなかったな」とも話されていた。
主催者側のオンニ(朝鮮語でお姉さん)は、「次回にまたこのようなデモがあったときは、必ず記載するね。ちゃんと指摘してくれてありがとう」と返事をしていた。
そのやりとりもすごく気になっていたので、後日この記事を書く際に、そのオンニにどこかいいところはないのかと尋ねてみたら、以下のサイトを紹介された。

「性暴力被害者支援情報サイトぱーぷるラボ」 http://purplelab.web.fc2.com/

性暴力の当事者はもちろん、そうでなかったとしても。こういうサイトや支援機構があるってことを知っておくことは大切なことだと思う。

声を上げることはしんどい。声を上げても無視されたり、「たいしたことがない」と無効化されたりする。
また、「自分の方に非があったんじゃないか」と思わされる。
二次被害の連続だ。多くの女性はそんな体験をしたり、見聞きしたりしているので慎重になる。
そんなリスクを背負いながらも、声を上げた女性たちがいる。だとしたら、私たちは彼女たちのそばに一緒に立つ以外にないだろう。

 

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李信恵

李信恵(り・しね)

1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。 

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