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おかんとコピ Vol.9 フラワーデモとコピ

李信恵2020.03.04

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5月に入って11日、コピは1回目の3種混合ワクチンを接種した。大人しく、されるがままに注射を打たれた。世間ではゴールデンウイークと云うものがあったが、そんなことはお構いなく私はコピとひたすら遊び、そしてコピの妨害にも負けず、仕事をしていた。猫って目だけじゃなく、顔も毎日変わる。今日は面長っぽい。それにしても大きくなるのも速い。1キロになって、驚いた。しかし、まだこの時点ではコピがこの先どんどん巨大化することを、私は知らない。

病院は込み合っていて、いつものんびり待つ。待合室に「猫医者に訊け!」と云うエッセイ集があったので、それをひたすら読んでいた。この本はすごく面白く、日本で最初のネコ専門クリニックを開院したという猫医者の鈴木真先生の回答はすごくシビアなんだけれど、根底に猫への愛情があふれている。コピを飼うまでは、こんな本があることを知らなかった。けれど、何かをきっかけに世界は簡単に変わるんだなあと思う。道を歩いていても、やたら野良猫などが目に入るようになったし。自宅でも読み直そうと、ネットで注文した。すると、「またまた 猫医者に訊け!」「もっと 猫医者に訊け!」など、続編もあった。なので、つい全部買った。

本とは関係ないけれど、「白花油」と云う台湾土産のハッカ油を鼻づまりや頭痛、肩こりにと愛用していた。しかし、ハッカ油の成分には猫には毒になるものも含まれるとネットで見かけたので、手の届かないとこに直した。知らないことが、この世界にはいっぱいある。小さい時にも猫は飼っていたけど、自分が常識だと思っていたことも、時代が変わると非常識になったりする。それは、どんなことでも同じだ。常に、新しい情報を手に入れ、かと云って、それに振り回されず、デマには気を付けて、考えながら。日々、ブラッシュアップせなあかんなあと思う。

コピを保護したのが3月31日。それから10日ほど過ぎた4月11日、東京で初めてのフラワーデモが開催された。フラワーデモは、2019年3月以降に相次いだ性暴力に関する無罪判決に抗議し、性暴力の撲滅を訴えるとともに、性暴力被害者に花で寄り添おうという呼びかけから始まった。大阪でも同日、その思いを共有しようと阪急HEP FIVE前に有志が集まった。私も参加した。そして、5月11日には中之島公会堂前に場所を変えて、開催された。

私もほぼ毎月、花束を抱えてフラワーデモに参加した。5月11日も、動物病院から帰ってコピと遊んで、仕事してから(多分)参加した。参加者たちの思いをたくさん聞かせてもらった。参加しては、ときどき泣いた。スマホのアルバムをたどっていると、フラワーデモの参加者たちが抱えていた花束の写真が出てくる。たくさんの花束の写真と、コピの写真が毎月のように並んでいる。コピはフラワーデモとともに育っていた。私たちはどんどん変わっていけるし、社会も変えることができる。そんなことを、フラワーデモであらためて学んだ。コピは、お利口にお留守番をしていた。

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李信恵(り・しね)

1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。 

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