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自衛のつもりのマスクが、ウイルスは通すから意味ないよ、となり、いやでも飛沫感染で他人にうつさないためにつけておいたほうがいい、という公衆衛生の話になり、結果、感染しない人が増えることで自分の身も守られる、と。
身につけているだけでその意味がどんどん変わっていくという三カ月だったような気がします。

でもマスクが手に入らない、どうしよう。いまここ、みたいな。

いつも仕入れている文具の卸業者から、原価一枚95円でどうですか、と提案を受けました。
ふだんなら売値でも一枚8円とかなのに、その価格高騰の内訳はどうなってんの、と驚きました。

これを仮に仕入れて、ご奉仕の一枚100円で売ったとしても、売れるかもしれないけど、ぼったくってるとしか思われないんじゃないかと思って、ちょっと見合わせます、と断りました。
とりあえず、従業員用のマスクを一枚50円のネットショップで購入したくらいです。

レジ接客でお客さんも気になるだろうし、私は喫煙者だからか風邪をひいてなくても咳をするし、同じように咳の一つや二つでスタッフがいちゃもんつけられてもかなわんし、みたいな消去法的な選択です。
ただ今のところ、店員のマスクのあるなしで客から苦情を受けたという話はありません。

本屋稼業、どうしよう。この二カ月の売り上げは20%減といったところ。人の触れたものに触れるというリスクはあるものの、そんなに密集するほどの繁盛店でもなく、それよりも、不特定多数の人やお金と接するスタッフの衛生状態を気にしたほうがいいのか。そうすると時短営業なんてちまちまやっているより、一カ月休業するか、経営陣だけで営業したほうがいいかもしれない……悩ましいところです。

売れているのは圧倒的に漫画で、複数冊購入する人がふだんより増えている気がします。ありがたいことです。
漫画は入荷したときにすべてビニールを巻くのですが、それは立ち読み防止よりも、きれいな状態のまま買いたい、という層が一定数いるからです。
漫画や漫画雑誌、それに週刊誌は、使われている紙が安価なので、数回触られると痛んできます。ビニールで保護することを結構徹底しているので、それで来てくれている人も多いのかな、と。

だったらアマゾンのほうがいいんじゃないかと思われますが、漫画を毎日買ってくれる人たちは、たぶん「選びたい」のだと思います。
アマゾンは関連本を推薦してくれますが、それ以外の本を探すのには適していません。全ジャンルの本を見渡せるのがリアル書店の魅力です。
そうして選んだ本をアマゾンと同じくきれいなままで買いたい。需要と供給で成りたっています。たまに潔癖に行き過ぎたお客さんもいますが、それは少数です。

仕事帰りに漫画をたくさん買う人たちは、おそらくお酒を飲まないような気がします。家に帰ってご飯を食べて、寝るまでの間を読書で過ごす。それが至福のひとときなのだと思われます。

もし、のべつくまなく一人50万円支給されて、一カ月間家にいなさい、となったら、私も喜んで読書三昧の日々を送りたい。けれど、そんな人たちのために店は開けておいたほうがいいのか、開けられるのか、試行錯誤が続きます。

ふだんの私は家に帰るとすぐにワインを飲んでしまって、読書もしない日々です。
録っておいた上沼恵美子の番組も30分ほどで頭に入らなくなってしまって消してしまう。お酒を飲むと文字や情報が入ってこなくなります。
もともとお酒を飲むのは、意識を強制的にシャットダウンするためなので、自分的には理にかなった行為です。
ただ、外でそれをすると、そこには他人様がいるので困ったことになることも多く、ここ数年はもっぱら家飲みです。

加えて片づけや掃除もしないので、ある時点でワインの空ボトルを大量にゴミ捨て場に捨てに行くことになります(限界はくる)。
以前エレベーターで向かいに住んでいるおじさんと一緒になったとき、「お、頼もしいな」と言われて恥ずかしくなりました。彼は飲み屋を経営しています。

アルコールやタバコが、コロナにまつわる道徳みたいなものによって、どんどん悪者になっていっているように思いますが、そこはあまり気にせずすり抜けていきたい。何かあるといつも標的にされるけど放っておいてほしい。

ガラガラと音を立てて45リットルのビニール袋に入れた20本の空き瓶を捨てるとき、ときどき、すでに同じ容量のごみ袋いっぱいにCCレモンのペットボトルが捨てられていることがあります。

これも愛(依存)、あれも愛、たぶん愛、きっと愛。

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茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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