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女のいない政治過程。今こそ小池百合子論をフェミが語る。オンラインシンポジウムのご案内

北原みのり2020.04.16

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男しかいなくて怖すぎる。女はずっと昔に地球上からいなくなったのか。絶望しすぎて殆ど死んでしまったのか。男100人に女1人しかいない、そういう時代になっているのか。日本のテレビで、日本の政治の現場を眺めていると、ついそんな気持ちになる。ホラーレベルで女がいない日本の異常さが、地球規模で疫病が蔓延し、政治の力がものを言う時代になると際立つのだ。

ニュージーランドのアーダーン首相が、地球を治めてくれればいいのにな〜。韓国の外務大臣康京和が、地球を治めればいいのにな〜。二世とか三世とか四世の政治家ばかりで、こんな時も犬と戯れ紅茶を飲みテレビをうつろな目でザッピングしてる様を「国民の皆さん、私はこんな風に過ごしてるのであります」などとアピールするまぬけな貴族に布マスクが強制配布させられる国で、改めてリーダーシップというものを考えさせられるし、女性が全ての政治過程に不在であることの意味を泣きながら考えてる。

この状況を「戦争」と例える政治家の多さについても考えている。「経済戦争だ!」「サイバー戦争だ!」とかそういう比喩としての「戦争」ではなく、本当に「戦争」だと思っているんじゃないかと受け止められる強さで「戦争」は安易に比喩に使われている。私が知らないだけかもしれないが「戦争」を積極的に出すのは、男性政治家が多い。女性リーダーでも「戦争」を引き合いに出している人はいるが、例えばドイツのメルケル首相のいう「第二次世界大戦以来のドイツの危機」との発言は、トランプの「コロナとの戦いだ! これは戦争だ!」といういきりたった雰囲気とはまるで違うし、安倍首相のいう「第三次世界大戦だ」と言い切っちゃうのとも、全く違う。

女性=平和主義、と言いたいわけではない。ただ、勇ましさ、決断力、リーダーシップをアピールしたがる男性政治家が安易に口にする「戦争」という時の高揚感が、今、ただただ無駄だし、巻き込まれたくない。命と暮らしを守るため、地味に動き、真剣に心配して、最悪の事態に備え安心できる政策を打ち出せる、そういうリーダーの姿を見たい。何を優先し、誰の顔をみてい動いているのかが、こういうときの言葉の選び方や、態度に表れる。多分、今、「これは戦争だ!」とアドレナリンを吹き出している上位ランクに大阪知事とかいるんだろうと思うけど、そういうのじゃない、知的で冷静で視野の広い優しいリーダーが本当にほしい。生きるために。

さて。そういう男性政治家だらけの世界で、今、紅一点の存在感をここぞとばかりにアピールしている(ようにみえる)のが小池百合子だ。あれほどオリンピックにこだわり「延期なんてあり得ない」と言い切りCOVID−19の危機を軽視していたようにしかみえない都知事が、毎日のようにオシャレ布マスクをまといマイクの前に立ち、妊婦へのタクシー券や、アーティストの女性など、国が絶対にやらない丁寧なサポートを始めている。国の批判もさりげなく行い、「オッサン政治」を批判しながら女性たちの心を掴んだ都知事選挙の時に絶大な人気をまた得ようとしているようにも見える。

都知事選挙の時、清水ミチコが小池百合子の物まねをしていたのを思い出す。そこはかとなく小池都知事に漂う“黒さ”を適確につかんだ清水ミチコの小池百合子は、本質を掴んだものまねは、より本物への理解が深まる効果を持つのだと圧倒されたものだ。息を漏らすように語り、着地に向かってテンポをゆっくりにし、「はじめから、わたくしの勝ちなんでございます」と薄笑いを浮かべていた清水ミチコ。クリーンをまとった小池百合子新都知事の黒さの正体を、私は清水ミチコに教わったように感じたのだ。都民ファーストを前に押し出すほど、百合子ファーストにしか見えない百合子ワールド。今のコロナ対策も、決して都民ファーストには全く見えないのは何故なんだろう。何をやっても言っても自分ファースト感の強い人。この人の勝ち誇った笑いに、自分の生活が押しつぶされそうに感じる。

「排除します」発言から一気に黒さをダダ漏れさせ、女性からの人気も失った小池百合子都知事。今後、彼女のリーダーシップはどのように発揮されるのだろうか。私たちの生活はどうなるのだろうか。そんなことを考えていた折、「女のいない政治過程」を記された岩本美砂子先生の小池百合子論を読む機会があった。これが非常に面白い。政治家としての小池百合子がどのように「中央」に歩んできたのか。この人の思想はどのようなものなのか。(ちなみに「トルコ風呂」を「ソープランド」という名前に変えさせた背景に百合子の尽力があるというのだけど、このエピソードが面白い!)
岩本先生は行政、立法、司法の場に女性が不在であることを訴え、女性政治家のその存在・不在について研究されてきた。特に小池百合子論は、なぜ日本の女性政治家が土井たかこさんの系譜ではなく、「権力を愛し、権力に愛される」系の女性がのしあがる方向にいったのか・・・が時代を追いかけながら見えてくる非常にスリリングな論考だ。

考えてみれば、小池百合子都知事をはじめ、女性政治家のイメージは昔と比べ(私のいう昔は80年代)随分変わったものだ。例えば1989年の参議院議員選挙のマドンナブームを巻き起こした土井たか子さんはあの時61才、東京都知事になった年の小池百合子と同じ歳だ。媚びた笑みを見せず、おたかさんの名で親しまれた土井さんの安定感は、今の女性議員たちに(男性議員にも)求めるのは難しい。人々に親しまれるのではなく、権力者に愛されることを目指しているようにみえる与党女性議員のチイママ感を見るにつけ、マドンナブームその後の砂漠、女性政治家の不在について、私たちは改めて考える必要があるのではないかと思う。

というわけで、急遽。こんな時代ですし・・・。オンラインで岩本美砂子先生を招いてシンポジウムを行うことにしました。女性と政治をテーマに長年研究されてきた岩本先生の貴重なお話を伺える機会です。またジャーナリストであり元衆議院議員であり、県会議員も務められた政治家であり私の友人であり、共に東京医大差別問題等を闘っている井戸まさえさんと一緒に、岩本先生のお話を伺います。政治の力が私たちの命に直結することを突きつけられている今だからこそ、私たちが目指すべきリーダーのあり方について考えましょう。そして女性がリーダーの場に立てない日本の問題を、言語化していく時間にします。皆さまのご参加をお待ちしています。

オンラインシンポジウム:今こそ「小池百合子論」フェミニストが語る女性と政治

参加方法:ZOOMにて事前登録が必要です。事前登録にはZOOMのアカウントが必要になります。以下のリンクをクリックしていただき、表示される指示に沿って、メールアドレスとお名前をご登録下さい。100名の先着順になります。

シンポジウムはオンラインで登壇者だけがカメラで映ります。参加者の皆様のお名前やメアドは表示されず、参加者の顔は映りません。

シンポジウム内で質問やアンケートを受け付ける時間があります。直接岩本先生への質問を、テキストでしていただけます。

※既に定員100名が埋まってしまいましたが、後日オンラインで、または当日中継などでお届けできるように調整中です。

 

事前登録する:https://zoom.us/webinar/register/WN_P9lBbx2dSOmHsgsq-7oceg

ご登録後、オンラインシンポジウム参加に関する確認メールが届きます。

講演者

 

岩本美砂子 (三重大学人文学部教授 ) 専門は女性学、政治学
京都大学法学部卒 名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学
名古屋大学法学部助手、三重大学人文学部講師、同准教授を経て現職。
一貫してジェンダーと政治を研究、土井たか子、小池百合子等女性政治家研究の第一人者。1997年に発表した「女のいない政治過程--日本の55年体制における政策決定を中心に」が再び脚光を浴びている。
編書に『ジェ ンダーと政治過程 』(日本政治学会,木鐸社,2010)、訳書に『中絶と避妊の 政 治 学 - 戦 後 日 本 の リ プ ロ ダ ク シ ョ ン 政 策 』( 青 木 書 店 , 2 0 0 8 )な ど 。

 

 

井戸まさえ (ジャーナリスト 元衆議院議員 )
関西学院大学非常勤講師
東京女子大学大学院博士後期課程在籍
東洋経済新報社勤務を経て2005年より兵庫県議会議員(2期)
2009年、衆議院議員に初当選
無戸籍問題他、法の狭間で苦しむ人々の支援等を行う
『無戸籍の日本人』(集英社)で第13回開高健ノンフィクション賞、第38回講談社ノンフィクション賞いずれも最終候補。2015年貧困ジャーナリズム賞受賞
著書に『日本の無戸籍者』(岩波新書)『候補者たちの闘争』(岩波書店)他

 

 

聞き手:北原みのり (フェミニスト作家 @LOVE PIECE CLUB)

ライター、経営者、アクティビスト

 

 

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北原みのり

北原みのり

ラブピースクラブ代表
1996年、日本で初めてフェミニストが経営する女性向けのプレジャートイショップ「ラブピースクラブ」を始める。2021年シスターフッド出版社アジュマブックス設立。
著書に「はちみつバイブレーション」(河出書房新社1998年)・「男はときどきいればいい」(祥伝社1999年)・「フェミの嫌われ方」(新水社)・「メロスのようには走らない」(KKベストセラーズ)・「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)・「毒婦」(朝日新聞出版)・佐藤優氏との対談「性と国家」(河出書房新社)・香山リカ氏との対談「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」(イーストプレス社)など。

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