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ちょっとネタバレもあるけど読んでほしい&見てほしい!!ガチガチの結婚観をぶち壊してくれる韓国ドラマ

行田トモ2020.12.24

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えー、皆さまこんにちは。師走ですね。逃れようもなくTHE・師走ですね!

逃げるといえば、お正月の『逃げ恥』のポスターを車内で眺めていたら「尿漏れ」の文字があり、「みくりちゃん、ラブピにアクセスして!」と思った行田です。

さて、皆さま、今年はどんな一年でしたか?

行田はコロナの中、文学、ドラマ、音楽と、韓国にさらにどっぷりと浸かった一年でした。先日ラジオで「すでに韓流という一時的なブームではなく、Korean Cultureとして定着している」という会話を聞いて「その通り!(むしろないとやっていけない)」と一人でしゃべっていました。

NetflixはStudio Dragonのような制作会社とタッグを組んでオリジナルコンテンツをどんどん生み出しています。そこで雇用の機会が生まれ、役者にチャンスが巡り、さらに韓国文化は世界に広がっていくのでしょう。もう、すごいスピードで繰り出してきますもんね、ネトフリさん。愛してるけどさすがに追いつかない! なぜなら韓国ドラマは何周もしたくなっちゃうから!!

ネトフリオリジナルではありませんが、『トッケビ』を5周はした行田が、その次に多く見たのが『この恋は初めてだから』です。放送されたのは、『逃げ恥』の翌年、2017年です。

https://www.netflix.com/title/81167119

初めは「なーんか逃げ恥の二番煎じっぽいなぁ」と思っていた行田ですが、結果3周です、はい。

なぜならこのドラマ、既存の結婚観をぶち壊してくれるんです。

主人公はアプリ開発会社に勤め、猫とマンションで静かに暮らしていたい(けれどローンを早く返すために同居人が必要)な独身男性セヒ(38)と、名門ソウル大を学費免除という好成績で卒業したものの、脚本家を夢見て、下積みを続ける独身女性ジホ(30)です。

セヒは良い同居人が見つからず頭を抱え、ジホは超家父長制の家庭で育ち、チョンセ(補償金)を支払ったアパートに弟を住まわせねばならず、自分は作家先生の家に泊まり込んで仕事漬けの日々。

ようやく家に帰ったジホを待っていたのは、何と弟の結婚報告とお相手の妊娠報告でした。しかも男の子だということで、ジホの父親は大喜び。彼女はしかたなく自分の家を出ることになります。

ここでもうおわかりですね。ちょっとした行き違いがあったのですが、セヒとジホが同居することになります。ジホは出ていこうとしますが、寝泊まりしていた場所で仕事仲間にレイプされかけ、セヒの元に戻ることになります。

ジホは痛感します。現代社会で愛のために結婚できる人は、裕福な人だけだと。

ひとりはローンのために。

もうひとりは安心して眠る場所のために。

ふたりの偽装結婚生活が始まるのです。

ここからが面白いところで、ジホは長男の嫁として当たり前のように法事で重労働を強いられます。その分をお金で返すというセヒに対して、「代わりにわたしの実家でキムチを漬けて」と言うのです。

ジホの実家でセヒが見た光景は、キムチ漬けに勤しむ女性たちと、まったく手伝わずにただ楽しく酒を飲む男性陣。典型的なホモソーシャルな世界です。そこで(夫なのに)せっせとキムチを漬けるセヒ。「俺の酒が飲めんのか」とセヒに突き出された酒を飲み干すジホ。

スカッとする場面です。

そのほかにも、昔からお嫁さんになって家庭を守るのが夢のホラン、とある事情から「自分の居場所はわきまえている」と社内のセクハラにも耐え仕事に生きるスジなど、ジホの友人も含め三者三様の恋愛、そして結婚観が韓国に根深く残る家父長制や「夫はこうあるべき」「妻はこうあるべき」という考え方をくつがえしてくれます。


今年は帰省される方は少ないかもしれませんが、「結婚はまだか」「いい人はいないの?」と言われること、ありませんか?

わたしは祖母にはカミングアウトしていないため、「きっといい人がいるから」と言われます。そのたびに「おばあちゃん、もういるの」と胸が痛みます。

そんな方、このドラマを見てください。

そもそも、育ってきた環境も違う(byまさよし)ふたりが結婚して、それが他の夫婦やパートナーシップを結んだ人々と同じであるわけがないのです。

大学の先生が教えてくれました。「セクシュアリティはバリエーションで、グラデーション」だと。

それは、家族やパートナーシップにも言えることではないでしょうか。

もうお相手がいるという方も、ひとりが好きだという方も、3人や4人でいるのが好きだという方も、何かあったときは、「人間関係はバリエーションで、グラデーション」とつぶやいてみてください。

不思議と自分の状況が「おかしい」のではなく、「スペシャル」だと思えてくるのです。

ちなみに今回ご紹介したドラマの英題は”Because This Is My First Life”
皆はじめての人生なのです。そこに正解なんてあるのでしょうか?

さぁ、2021年はどんな年にしましょうか。とりあえず行田は見たい韓国ドラマが3、4本あるのでその時間を捻出しつつ、さらにフェミニズム道を邁進していきたいものです。

そして、このフェミニズム道も「バリエーションで、グラデーション」です。

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェが明確にしてくれた

“フェミニストとは、すべての性の社会的、政治的、経済的平等を信じる人”

これを指針にとわたしは思っていますが、アプローチの仕方は人それぞれ。

ただ、それぞれの想いがより良い未来へとつながりますように。


そう願いつつ、2020年の『フェミニスト1年生』を締めくくらせていただきます。


あ、ちなみに来年も進級はいたしません!

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行田トモ

行田トモ(ゆきた・とも)

エッセイスト・翻訳家
立教大学 文学部 文学科 文芸・思想専修卒
在学中に一年間ロンドンに留学。
ストックフォト会社、美術館、出版社事務を経て、現在はうつ病との共生を目指して半療養中。自身の病気と、セクハラ被害を受けたことをきっかけに、女性のwellbeingを模索中。同時にジェンダー、セクシュアリティ、クィア、フェミニズムについて考える日々。
趣味は読書、観劇、『ル・ポールのドラァグ・レース』『Queer Eye』を見ること、海外セレブウォッチ、
ハムスターの世話(でも噛まれて泣いた)
最近のブームは韓国ドラマ&文学、アルゼンチンタンゴ。
笑顔で沼に沈没中。

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