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おかんとコピ Vol.16 黒猫のマフラー

李信恵2021.01.22

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猫を飼っている友人が多い。もちろん、猫以外にも犬やウサギ、トカゲとか爬虫類と暮らしている友人もいる。うちにもコピのほか、ヤモリが3匹ほどいる。ヤモリは飼っているというより、勝手に玄関先に住み着いているのだが。何を飼っているのかは置いといて、猫を飼っている友人たちは冬が近づくと布団に潜り込んでくる猫についての話をする。しかし、うちのコピはいつも私から離れて眠る。何故だ。

赤ちゃん猫の時は、離乳するまでほとんど毎日抱いて寝かしつけていた。膝の上、お腹の上、懐に入っていた。それがしばらくすると、ひとり(一匹)で眠れるようになってきた。ひとりで眠れるようになると、私から離れるようになった。キャットタワーを購入すると、そこの一番上がお気に入りになった。私が眠る布団を、見下ろすように眠る。

私の寝相が悪いからなのか、いびきをかくからか。布団には入ってきてくれない。寂しいが、そういう性格の猫と思ってあきらめている。布団を占領されることはないが、温めてもくれない。布団の上に乗っかって来ることもないので、その重みを感じることもない。たまに、キャットタワーのてっぺんから私のお腹に向かって飛び降りてくることはあるが、これ以上体重が増えてそれを食らうと、内臓が口から飛び出すかもしれないのでやめて欲しいとお願いしている。すくすく大きくなったコピは、冬が始まるころには5キロ近くになっていた。ほんまに猫なのか。

私が小学生の時に飼っていた黒猫のミィは、いつも私の首に巻きつくように寝た。マフラーみたいだった。私の耳たぶが好きで、よく吸われた。お母さんのおっぱいと間違えていたのかも知れない。小さい時の私は喉が弱く、扁桃腺が腫れてすぐに熱を出していた。喉を冷やすのは良くないと、ずっと言われていた。その癖が続いているのか、大人になった今でも、自宅では夏場でも風邪気味になると首に手ぬぐいやタオルを巻く。冬はとっくりセーター、マフラーは欠かせない。そういえばミィが家に来たぐらいから、徐々に寝込むことは少なくなった。ミィが首に巻き付いていたからかもしれない。

コピを飼いだしてから、黒い服が多くなった。家族に「なんで最近は黒い服ばっかり買うの?細く見せるためか(笑)」と聞かれ、「コピのお母さんだから」と答えて呆れられた。私は自分から歩み寄るタイプなのだ。そして、黒猫にまつわる小物もいっぱい買ったり、またはプレゼントで頂いたりすることが多くなった。


冬のある日、友人のStudioFATEのFusaeちゃんから郵便が届いた。開けてみると、中に真っ黒なマフラーが入っていた。真っ黒で、猫の形。StudioFATEは美味しいカレーとスコーンが味わえ、手作り石鹸やオリジナルアクセサリー、そのほかいろんな雑貨などにも出会えるアトリエだ。このマフラーは、StudioFATEでも扱っている、編み物作家さんが作ったものだった。「コピに似ているから」と、Fusaeちゃんがプレゼントしてくれた。とても可愛くて、嬉しい。そして、ミィのことも思い出した。今考えると、小学校1、2年生の私の首に巻き付いていたミィは、雌猫だったしとても小さかったんじゃないかと思う。3キロもなかったんじゃないかな。コピが今、私の首の上に載ったら、大人になってそこそこでかい私でも窒息しそうになるだろう。

また今年も、冬が始まる。私の首には黒猫がいる。こっちのコピは、重くない。そして温かい。本物のコピは、高いところから私を見下ろして今日も眠る。少し離れていても、いるだけで温かい気分になる。コピは、私のマフラーだ。

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李信恵

李信恵(り・しね)

1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。 

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