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ラブピではフェミニズムやジェンダーについての書籍も数多く取り扱っています!

ラブピスタッフ2021.07.06

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こんにちは!スタッフHです。毎週リリースされる新商品の中から注目度大!話題の商品をご紹介するこちらの月1コーナー。
ラブピで扱っているのはプレジャーグッズや、生理用品、膣トレグッズやフェムテックだけではありません。
創立当時から書籍にも力を入れていて、ジェンダーやセクシュアリティのことを考える国内外のフェミニストの本もこれまで多く扱ってきました。さらに今年から、ラブピースクラブのシスターフッド出版社「アジュマブックス」も始まり、今後さらに充実していく予定です。今回はそんな書籍のご紹介です。

「あなたのセックスによろしく~快楽へ導く挿入以外の140の技法ガイド~」
MOOND by LPCやラフォーレ原宿店でも、手にとって内容を確認されてから購入される方も非常に多く、スタッフの間でもわかりやすい!と評判の一冊です。

本書は、フランスでベストセラーになったフェミニストが書いたセックスの技法ガイドです。セックスといっても、「挿入を伴わないセックス」が中心。これだけでも安心感があるのは、これまで出会ってきたセックスガイドの多くが「シスジェンダーでヘテロセクシュアルのカップルが性交し挿入してオーガズムを同時に迎えること」があたかも「ノーマル」であり、目指すべきゴールであるかのようにされていることが、あまりに多かったからかもしれません。
かくいう私も、性のことをもっと知りたいとポジティブな気持ちで開いたはずのハウツー本で、「愛されセックス」とか「女性としての悦び」とか、ちょいちょい差し込まれる抑圧的な表現にバコッと不意打ちを食らって、表紙を閉じた過去が何度あったことでしょう・・・。
そんなわけで、スタッフHはこの類の本、実はちょっと敬遠していたんです。ですが、本書はフェミニストが書いた本とのこと。そして、老若男女、ジェンダー、セクシャリティ問わず、すべての人を対象にしていて、それを表すように「女性」「男性」という表現も本書の中では一切出てこないし、挿入ありきでない。あらゆる立場の人を想定した上で、誰をも排除することない丁寧な表現で、抑圧とかコンプレックスを刺激されることがない・・・いえ、むしろそういう呪いから解放してくれるセックスガイドで、安心して読み進めることができました。

さすがフランス!やっぱり進んでる!と思ったのですが、実は、この本が作られたのはスタッフHのイメージとは全く異なる状況からで、意外とも思えるのですが、フランスでもジェンダーに抑圧的で差別的な考え方が根強く性教育も十分ではないのだそう。
「アダルト作品を観た人は、ペニスが支配者として挿入されるのだと思い込む。そして、ヴァルヴァは受け入れるだけだが、その嬌声を聞く限りではどうやら満足しているらしいと考える。」って、性教育が不十分なままアダルト作品をリアルと思い込んでしまうこの状況、まさに日本の状況ではありませんか・・・!!!


こうした状況に「性革命」を起こすべく、イラストレーターである著者のジュン・プラが始めたのが、instagramで性器の構造や触り方、正しい性の知識をイラストで発信するアカウント「ジュイサンス・クラブ」です。

瞬く間にフォロワーが増えたこのアカウントは、今では様々な意見や情報が交わされ、アカウントを通してようやく性器の構造が理解できた、初めてオーガスムが得られた、自分の抱えている問題を初めて表現することができた、さらにそれをパートナーと話し合うことができというたくさんの声が寄せられているそうです。本書はそんなジュイサンス・クラブをもとに、フェミニズム的な観点と解剖学的な知識に基づいて構成されています。

ヴァルヴァとペニスの構造や、触り方が、一つ一つ丁寧にイラスト付きで説明されていて、しかもあたたかいユーモアを交えた説明も親しみやすい。例えば、同じ部位でも角度を変えて何度も図解が出てくるし、いわゆる正面図/側面図のような平坦な図解ではなく、器官やポーズを角度をつけて描いたものが多いため立体的にイメージもしやすいんです。
お客様に月経カップの挿入方法を説明する際なども「膣はまっすぐ真上に向かっているわけではなく、おしり(尾骨)のほうにやや後傾しているため、折りたたんだカップは斜め後ろへ挿入します」という私自身繰り返してきましたが、本書のイラストと合わせてご説明すると、分かりやすい!と言っていただくことも多いです。
自分の身体を知り、把握できるようになると、自分の身体への安心感も増すものですよね。
性教育としてもオススメの一冊。

その他にも、冒頭でもご紹介したアジュマブックスからは、慰安婦にさせられた女性たちに絵を教えた美術の先生が描く、性暴力トラウマ治癒の物語で「咲ききれなかった花」や、韓国フェミニストたちの戦いの物語を描いた韓国フェミニズムドキュメンタリー「ハヨンガ」なども新たに発売中です。
柔らかで最強な読書の時間を深められる、そんな書籍を今後も皆様にお届けしていきます!

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