ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

banner_2212biird

スクールフェミ「ブラック校則が変わる⁈」

深井恵2021.07.14

Loading...

6月上旬、文部科学省から「校則の見直し等に関する取組事例について」という連絡が出された。「昨今の報道等においては、学校における校則の内容や校則に基づく指導に関し、一部の事案において、必要かつ合理的な範囲を逸脱しているのではないかといった旨の指摘もなされてい」ることが明記されている。
いわゆる「ブラック校則」をめぐる報道、インターネットやSNS等の動きが背景にあることがうかがえる。これまで、生徒や教職員が現場で「その校則はおかしい」といくら声を上げても変わらなかったことが、「上から言われて」変わらざるを得ない状況だ。
声を上げ続けることの大切さを実感する。本当は、「上から言われ」なくても生徒の声を聞く場を持ち続けて、生徒の人権を守る校則かどうか、常に現場の教職員がチェックする体制づくりが求められているところだが。
「下着の色は白」「ツーブロックは禁止」等、科学的根拠も何もない校則が根強く残っている学校もあるようで、今回の文部科学省からの連絡を受けて、全国的に「ブラック校則」が変わり、生徒の人権が守られる方向に進んでいくことを願う。

筆者もある男子生徒に「なんでツーブロックはダメなんですか?」と先日聞かれた。筆者自身なぜツーブロックがダメなのかわからなかったため、「どうしてダメなのか私にもわからない。科学的な理由はないけど、高校生にとってオシャレすぎるからかな。ツーブロック、認められるように校則が変わるといいね。全国的には認められる方向に動いているようだよ」と答えた。
ツーブロック禁止の理由を、同僚に聞いてみたところ、以前あった出来事を話してくれた。ある企業の方が学校にいらした時に、その企業に就職を希望していた生徒がいたので、企業の方と生徒との面談の場を設定した。その時の生徒の髪型がツーブロックで、その髪型を見た企業の方が「まさか、君、その髪型で就職しないだろうね」と言われたそうだ。それ以来、生徒の就職に不利にならないように、ツーブロックは禁止になったとのこと。
その話を聞いて、変わるべきはその企業の方も含めた大人の感覚なのでは? と思ってしまったが、どうだろう。個人的にはツーブロックは、清潔感が感じられてすっきりとしてかっこいいと思っている(カットの仕方によっては、イマイチ決まっていないツーブロックもあるが)。

先月23日、沖縄慰霊の日。今年も「かりゆしウエア」を着て出勤した。生徒に沖縄戦の話をするきっかけとして。その日、職場の同僚(男性)から声をかけられた。
「ハワイアン、おしゃれだな。俺もハワイアン好きなんだけど、学校には着てこられない」
「今日、沖縄慰霊の日なんで、ハワイアンではなくて、かりゆしウエアを着てきました。ハワイアンお好きなら着てこられたらいいじゃないですか。みんな楽しい気分になりますよ」
すると、その同僚は「俺がハワイアンを着てきたら、すぐ校長室に呼ばれて、何という格好をしているのかと指導される」と言った。そばにいた別の男性教員もうなずいた。「えっ、男性教員はそんなことで校長室に呼び出されて指導されるのか」と驚いた。言確かに男性教職員は、全員、無地かストライプの半袖のシャツだ。それも「クールビズ実施期間」などと「上からのお達し」が来て初めて、ネクタイなしの涼しい着こなしを許される(クールビズでなくてもネクタイのない人もいるが)。
教職員自身、もっと言うなら大人の男性の大半が、服装頭髪に自由でないから、就職後の自由でないことに慣れさせるため(?)、生徒たちにも自言にさせないのではないか、などと勘ぐってしまう。

筆者が高校生の頃、校則で靴下の色は「白」と決められていた。ワンポイントは可。今では、黒や紺、灰色、茶色あたりまで認められるようになっている(それでも「ワンポイントは可」は変わらない)。
筆者が教員になったばかりの頃も、変わらず「靴下の色は白」の学校が多かった。当時、年配教員が「僕たちが高校生の頃は、靴下は黒しか認められなかった。時代が変われば校則も変わる」と言っていたのを思い出す。何が正しくて何が違反なのか、絶対的な基準はない。それなのに、そんな校則に生徒も教職員も振り回されている。
同じく筆者が高校生の頃、色付きリップクリームは認められていなかった。当然、化粧も認められていなかった。が、高校3年生の終わりの頃、女子生徒だけ集められて、化粧品会社の人が講師となって、「お化粧教室」が開かれたことがあった。当時、化粧には全く興味がなかった(むしろ、したくなかった)ので、苦痛な時間となったが、化粧はするなと禁止しておきながら、手のひらを返したように卒業した途端に化粧をすることを要求する、大人の欺瞞を感じたことを思い出す。
今回の校則の見直しについては、全校生徒を対象とした事前の意見収集、生徒及び教職員で話し合う場の設定をするように求められている。

だが、残念なことに、事前の意見収集について担当の教員は、意見を書く用紙を配ってすぐ、「校則の見直しについて意見を書いて出して」と伝え、考える時間をほとんど生徒に与えなかった。説明及び記入用紙の配布の仕方に、生徒にあまり意見を書いてほしくないかのような印象を受けた。
筆者が生徒の意見を収集する立場なら、意見収集の日の何日か前に「校則について見直してほしい項目があるかどうか、意見を書いてもらうので、考えておいて」と事前予告するところだ。
考える時間があまりない中で、それでも生徒たちは、校則について思うところを一生懸命記入していた。意見収集の次の段階、「生徒及び教職員で話し合う場」がどうなるか、気になるところだ。今回の高速の見直しが、形だけに終わらず、生徒たちの自治の力、主体性を養う機会につながるようしっかりと見届けたい。

RANKING人気コラム

  • OLIVE
  • LOVE PIECE CLUB WOMENʼS SEX TOY STORE
  • femistation
  • bababoshi

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOPへ