ドラマ「冬のソナタ」でペ・ヨンジュンと共に主演し、日本でも絶大の人気を誇ったチェ・ジウ。1月に韓国で公開されたチェ・シンチュン監督の映画『シュガー』で主演し、病気の息子を育てるお母さんの役を熱演した。2018年に結婚、2020年には長女を出産し、実際にも母となったからか、息子を守ろうと奔走する姿が真に迫っていた。
チェ・ジウが演じたのは、ソフトウェアエンジニアとして働くワーキングマザーのミラ。ある日、ミラの長男ドンミョンが学校で倒れ、病院に搬送される。「1型糖尿病」と診断された。一般的によく知られている糖尿病(2型糖尿病)と違って発症年齢は10代以下が多く、膵臓のインスリンを出す細胞が壊されてしまう病気だ。

医師から「一生インスリン注射を打ち続けなければならない」と告げられ、ミラは絶望する。1型糖尿病は血糖値が急激に低下する低血糖ショックが起きる可能性があり、血糖管理は必須だ。1日に何度も指先に針を刺して血糖値を測定するドンミョン本人もかわいそうだが、それを見守ることしかできないミラもたまらない。
そして、立ち上がった。ミラは針を刺さずにセンサーで測定する持続血糖測定器を海外から取り寄せ、工学の知識を生かして、遠隔で血糖値をモニタリングできるようにスマートフォンに連動させた。ドンミョンが再び学校に通えるようになっただけでなく、ミラはその持続血糖測定器を同じように1型糖尿病で苦しむ子どもと保護者のために海外から大量に購入する。

タイトルから明るい映画を想像していたが、映画の冒頭、憔悴しきった表情のチェ・ジウがクローズアップで登場したのに驚いた。「なぜそんなことをしたのか?」と追及されるミラ。利益を得る目的ではなかったが、海外から医療機器を大量購入して国内で販売したことで、告発されたのだ。韓国ではまだ認められていない医療機器だった。良かれと思ってやったことで、犯罪者のように責め立てられる。ドンミョンだけで精一杯なのに、なぜリスクを冒してまで他人の世話を焼くのかと夫にまであきれられる始末。

『シュガー』は実話がもとになっている。ミラのモデルとなったのはキム・ミヨンさんという女性で、1型糖尿病の子を持つ保護者達と連帯して運動し、持続血糖測定器が韓国で正式に導入されるようになった。我が子だけを守ろうとしていたら、実現しないことだった。
母強し。上映後、客席から拍手がわき起こった。チェ・ジウの熱演と、実際に制度改善を実現させたキム・ミヨンさん、心底かっこいいと思った。
ところでチェ・シンチュン監督、見慣れない名前だなと思って調べると、『シュガー』が長編デビュー作で、監督自身が1型糖尿病の患者なのだという。どおりでリアリティーが感じられたわけだ。チェ・シンチュン監督は記事でキム・ミヨンさんの活動を知ってキム・ミヨンさんに連絡を取り、直接話を聞いて映画化を決心したという。病名が糖尿病なだけに、生活習慣病と勘違いされがちで、偏見に傷つく子どもたちも少なくない。監督本人が経験したことでもある。映画化は1型糖尿病について世間に知らしめることも目標の一つだった。実は私も映画を見るまで知らなかった。
3人の女性にもう一度拍手!














