ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

banner_2212biird

第4回 昼休みにキャバクラと風俗の話……一方的に聞かされてイラッとするけど、これってセクハラ?

具ゆり2014.06.12

Loading...

  Q  40代 Gさん 職場で休憩時間やランチ時間に、同僚の男性たちが、「誰々は胸が大きい」と職場の女性たちの品評会をしたり、退勤後に通っているらしいキャバクラや風俗での話を大きな声でたのしそうにしています。 はっきり言って、すごく気持ち悪いしイライラします。 でも、同じ場にいる同僚の女性に相談すると、「男なんてみんなあんなもの。仕方ないわよ」とか、「ひがんでるの?」「浮気するより風俗のほうがマシじゃない?」とか、わたしに共感してくれる人がいません。 かといって、直接男性たちに「やめて」と言うのも気が進みません。 毎日、職場に行くのが気が重いです。 A それは、気が重くなるのは当然でしょう。これが、まさにセクハラなのですから。 だから、気もち悪くて、イライラするのはあたりまえ。 職場でされる痴話話、シモネタ、女性の品定め、性風俗の話題・・・きっとそれだけではないでしょう。休憩時間でそんなことがまかり通っているのなら、懇親会や社員旅行の宴会で、出張先で、もしかしたら上司の言動なども心配になります・・・。 いまだにそんな状況が放置されている職場なんて、はっきり言って大問題。あなたに起こっていることは、職場の環境汚染です。あなたに直接言っていなくても、聞かされる(=聞こえる)こと自体、女性蔑視、女性を侮辱的に扱う言動ですし、性的言動そのものです。つまり就業環境が侵害されていることなのです。たとえ休憩時間でもね! ましてや、同僚女性がそんなセクハラを容認する、助長する職場で毎日仕事をする・・・まったく、気が重くなりますよね。 今では、セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)の言葉はすっかり定着して、子どもたちも知っている言葉です。ですが、セクハラが「性暴力」「性犯罪」として訴訟に発展するような深刻な被害は後をたちません。実際、労働相談のワースト1がセクハラ問題ですし、年々その相談件数も深刻度も上がっているのが実情です。最近は、パワハラもかなり重大な問題ですね・・・。 最近のニュースを「セクハラ」で検索してみてください、残念ですが被害事例のネタにはこと欠きません。職場だけでなく、学校や大学で、警察や公共の場、マスコミで、どんなことが起こっているか、唖然とすることでしょう。 被害者はおとなだけではありません。女性だけでもありません。若い人だけでもありません。加害者はどこにでもいますし、誰もが被害者になりうることがわかるはずです。 「性暴力」「性犯罪」と呼べるようなことが、一向になくならないばかりか、いまだに加害者を擁護する風潮や被害者への二次加害が繰り返されていますが、その現状をぜひ変えていきたいものです。あなたも、自分のためにできることを、ぜひ考えてみましょう。 あなたの職場では、まわりの人たちがセクハラの問題点を理解しているとは思えません。セクハラ談議をしている彼らが、本人たちにとっては悪気なくしている話だとしても、職場でしていることが問題なのです。 確かに、あなたが直接かれらに「やめて」と言うことは勇気がいることでしょう。「気が進まない」のは、まともに反応をすることで、からかいのネタにされたり、ターゲットにされたくないと、どこかで怖れる気もちがあるのかもしれませんね。 それに、相談した同僚の女性から、共感どころか、逆に非難がましく言われたこともきつかったでしょう。せめてこんな時「そうだよね」と分かりあえる人がいてくれたら、少しは気もちの持っていきようがあるんだけどね。 いずれにせよ、セクハラは個人の問題ではなく、労働問題です。事業主、使用者に労働環境、就業環境整備の義務と責任があるので、そこを考えていきましょう。 自分の会社の就業規則や労働条件をきちんと把握していますか? まずは、あなたの会社の就業規則を点検してください。男女雇用機会均等法にセクハラ禁止規程が盛り込まれて(1999年)以降、規程の中で言及すべき項目です。対象は非正規、契約社員、パートなど、雇用条件に関わりなく対象となるはずです。     あなた自身が、そもそもセクハラはなんで悪いのか、あなたが感じた不快感がセクハラにあたるのかに学んで気づくことが大事です。そして、改正均等法では、何が決められていて、会社はどんなことをしなければいけないのかを知る必要もあります。 あなたのまわりにいる人たちの個人的な価値観を変えることや縛ることは無理ですが、正しい知識や認識に立って正攻法で主張をすることは、あなたの労働権だと考えてくださいね。 職場は仕事をする場所です。誰もが働きやすい環境を保障される権利があると思えば、あなたの不快な環境を整備してもらうのは当然の要求でしょう? 会社の相談窓口や担当者に相談するほか、「セクハラ防止研修」を提案するなど、選択肢はあるのですよ。 会社はセクハラのない環境を社員に保障する義務があります。相談をしたら、何か不都合なことが起きないかと心配して声を上げない人は大勢いますが、実はそういう不利益な扱いをしてはいけないことも規程で定めています。もし不利益を受けるようなことがあれば撤回を要求することもできます。そのことも知った上で、自分の行動を選んでいけるといいですね。 ※ゆり先生へのご質問や相談を受け付けています! お名前と相談内容をご記入の上、ラブピースクラブHP編集部へお届け下さい。宛先は コチラ→ love@lovepiececlub.com

Loading...
具ゆり

具ゆり(ぐ・ゆり)

フェミニストカウンセラー
フェミニストカウンセリングによる女性の相談支援に携わっている。
カウンセリング、自己尊重・自己主張のグループトレーニングのほか、ハラスメント、デートDVやDV防止教育活動など、女性の人権、子どもの人権に取り組んでいる。
映画やミュージカルが大好き。
マイブームは、ソウルに出かけてK-ミュージカルや舞台を観ること。

RANKING人気コラム

  • OLIVE
  • LOVE PIECE CLUB WOMENʼS SEX TOY STORE
  • femistation
  • bababoshi

Follow me!

  • Twitter
  • Facebook
  • instagram

TOPへ