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結婚したら全て解決? 「婚活・街コン推進議員連盟」から見えてくる、間違いだらけの少子化対策。

はっちゃん2014.04.01

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唐突ですが、皆さん、日本はなぜ少子化がここまで深刻化してしまったのだと思いますか? 質問をもっとシンプルにすれば、なぜ、女(あなた)は子供を産まない(または産まなかった、または産みたくない)のでしょう?
 
さて、そんな疑問に永田町は、こう答えるようです。
女が子供を生まないのは、女が結婚しないからだっ!
あ、そうかぁ~、私が子供を生んでないのは結婚してなかったからだぁ、うっかりしてたぁ~! あはは~! と、気づかせていただいてありがとうございます・・・。
 
最近メディアでちらほら目にする「婚活・街コン推進議員連盟」をご存知ですか? 少子化対策を目指し、去年の秋に設立された自民党議員の会です。今年3月14日には「婚活・街コン推進議員連盟」サミットなるものがあり、100社以上の婚活・街コン事業者や自治体が集まったそうです。そこではこんな宣言が発表されていました。
「異次元の少子化対策で世界一結婚しやすい国へ!」
・・・2位じゃダメなんですか? 蓮舫さんの言葉が蘇ります。というか、この国は、いったいどんな国になるんでしょうか。異次元とか、世界一とか・・・大げさ過ぎて、私の子宮のキャパを確実に超えちゃってますけど。
 
日本は90年代から少子化少子化とは言われていましたが、政府が本格的に腰をあげたのは2003年、小泉内閣の時です。
覚えてませんか? あのおどろおどろしい少子化対策基本法の前文。原発に関する法律でも、これほどの恐怖は滲みでていないのではないでしょうか? 03年の少子化対策基本法案は、こんな前文で始まります。
 
「我が国における急速な少子化の進展は、平均寿命の伸長による高齢者の増加とあいまって、我が国の人口構造にひずみを生じさせ、二十一世紀の国民生活に、深刻かつ多大な影響をもたらす。我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している」「急速な少子化という現実を前にして、我らに残された時間は、極めて少ない」
 
怖すぎる・・・・。日本人のDNAが滅びていく、我らは滅びていくかもしれないのだ・・という恐怖が、滲み出ていて気の毒なくらいです。10年前、この法案を読んだ時には、これからは産めよ増やせよっ! という力が働いていくのだろうな・・・とズシリと重たい気持ちになったものですが・・・・。
 
さて、結果はどうだったでしょうか?
合計出生率だけをみると、2005年に合計出生率は底をつき、緩やかにじわじわと出生率があがってきてはいます。とはいえ、待機児童の問題、深まる貧困、先の見えない社会・・・不安要素は全く消えていない。むしろ、原発事故を経て、社会不安はますます深まっているともいえる。さらに男性が育児に関わることも重要な「少子化対策」であるけれど、子育て世代でもある30代男性の就業時間はどの世代よりも長く、育児に時間をかけられるようなパパは少数派でもある。
そう、少子化への恐怖は煽るけれど、社会のシステムは03年頃から、格差が広がり、貧困問題は深まり、どんどん子育てしにくい社会になっているのではないでしょうか。
 
改めて。今、少子化対策として必要なのは、本当に男女の出会いの場なのでしょうか。
 
婚活・街コンサミットでは「結婚の質を高め、結婚の幸福感を増す」とあります。本当に、素直な疑問なのですが、それって、政治家の仕事なんすか? ちなみに、2013年の補正予算に少子化対策に30億円が計上されましたけど、使い道、もの凄く不安です。さすがに合コンや街コンにはお金は出さないそうだけど、「独自の取り組みを行っている地方自治体の先駆的な事例に対して予算支援をしていく」とのことです。自民党の考える先駆的な事例とか独自の取り組み・・・不安しか募りません。そんな不安を煽るよりも、実直に、保育園つくりませんか? 地道に、女性の就業支援しませんか? 素直に、シングルマザーを助けませんか? ママ応援サミットでもひらきませんか? 
 
30億円の予算で何ができるのか。私にはよくわかりません。でも、様々な自治体の取り組みをみていると、若者を、地元で出会わせ、結婚させ、地域に根付かせる。そういう力が働いていくことは確かなようです。
そのことで、日本の地方が活性化していく可能性はあるでしょうし、それは決してマイナスだとは思いません。でも、そういう力が、女のライフスタイルや、家族のあり方、男女差別、ジェンダー観を顧みることなく、「結婚させれば全て解決っ」みたいな方向で働いていくのは・・・どうなんでしょう。
 
ちなみに、女性の社会進出が進んでいる国ほど、出生率が高いというのは、よく知られている事実です。出生率が低く、女性が働きにくい国として、スペイン、ギリシャ、イタリア、日本、韓国・・・があげられています。出生率の問題ではなく、経済の問題で国が沈んでいってしまいそうです。結婚させるのではなく、女の選択肢を増やすことこそが、答えなのでは? と思いますけれど。皆さんは、どう考えますか?
 
*写真は婚活・街コンサミットの様子。婚活・街コン議員連盟FBより。桂由美子先生もご参加されてます。キャラクターが恋する女の子っぽいですね! ぜんぜん結婚したくならないのは・・・なぜなのでしょうね!
 
text by はっちゃん
 
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