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私の働いているビデオ屋の本店では、ゲイ雑誌以外の雑誌も売っています。店頭のラックに、週刊誌やテレビ雑誌、スポーツ新聞を揃えています。以前はノンケのエロ本も置いていました。それ以外の店先は貯金箱やヌイグルミなどの雑貨で埋められています。外から見ただけでは店の中がアダルトショップだとはわからないようになっているのです。

表の雑誌の品揃えの量はコンビニの5分の1くらいですが、その中に「25(ヴァンサンカン)」や「JUNONN」があったりします。あまり売れているわけではありませんが、ちょっと二丁目っぽいセレクトだと思います。
今日は倉庫にあった返品予定の雑誌の中から、「マリ・クレール(2月号)」を抜き出して仕事の合間に読んでいました。
特集は「エイジレス! ボーダーレス! 男も女も惚れる女」でした。夏木マリ、小泉今日子、松任谷由実の登場です。
他には、「マドンナに続いて日本の女性もポールダンスを!」という企画があり、マドンナやカイリー・ミノーグたちがライブでポールダンスを披露している写真がちりばめられています。「エロスの開放」を目指しています。そして最後は、バレンタインにお薦めのチョコレート特集が組まれ、楠田枝里子のインタヴューで締められていました。
ゲイ雑誌ではないけれど、オカマ雑誌だと思いました。

「エイジレスでボーダーレスな女」の特集で、片足をピンと頭の上まで上げた写真の夏木マリさんが、「私の場合はアンチエイジングではないかな~」というような発言をされていました。「50歳を過ぎて生涯のパートナーと巡りあえたのは、逆に言えば私の場合、50歳にならなければ出会えなかったということだったのだと思う」というようなこともおっしゃっていました(正式な引用ではありません)。

年を取ったから出会いがなくなるわけではない、というメッセージだと思いました。
最近仲良くなった年下のゲイ男子は、真剣な面持ちで、「年を取るのが怖い」と言います。
年末は彼に連れられて松田聖子のカウントダウンコンサートに行って来ました。会場は40代前後の女性とゲイが半々で満員でした。開演前のロビーは二丁目の仲通りのようでした。コンサートが始まって初めて見るナマ聖子は、なんていうのでしょう、想像していた以上に聖子でした。

「みんなー!いっしょに歌ってねー!」と次から次へと80年代のアルバムから厳選された曲が繰り広げられていきます。いっしょに歌いたいけど私はシングルしか知りません。歌えないまま体を揺らしていると、横で年下の男子はすごい勢いで跳ねて踊っています。
聖子もこの子もアンチエイジングだわ、と思いました。

ライブが終わって、歌舞伎町にある夏木マリプロデュースのうどん屋に二人で食べに行きました。そこで私はその子から、「僕、28歳だって言っていたけど、本当は30歳なんだ」と告げられました(それでも年下です)。
初対面の人にはいつもサバを読んでしまうのだそうです。

「聖子は以前、年齢はただのナンバーですから、って言っていたよ」と慰めてみました。
そのあと二丁目で彼と別れて自転車に乗った瞬間、私は両足をツりました。家に帰ってきて寝るときにもう一度。
そんなに激しい動きをした覚えはありませんでしたが攣りました。
日頃の運動不足が原因だと思いますが、年を取ったからのような気もしました。
さっきまで28歳だった男の子は、18歳の時に二丁目に来てから、飲み屋の店子(ミセコ)や、ハッテン場(セックスをするところ)の受付や、ウリセン(体を売るところ)で次々と働き、「若いとモテる」という価値観にすっぽりハマってきたという印象を受けます。それは本当に楽しかったのだと思います。
そのタイムリミットが近づいている、とか、その若さがなくなったらどうやって生きていけばいいのか、とか、そういう不安が「年を取るのが怖い」という原因かもしれません。
私にはまだ十分28歳に見える肌ツヤと聖子ダンスでしたが。
二丁目近辺で耳にする、ゲイの男性は実年齢より若く見える人が多い、という噂は事実だと思います。その理由は、家庭を持たないから、で、ほぼ正解だと私は睨んでいます。

ゲイバーで飲んでいると、初対面の人から「私、幾つに見える?」という質問を受けることが多いような気がします。自分からそういうことを言う人はたいてい、(私はいつも実際より若く見られるのよ)という自信がある人なので、私は視神経を集中して肌年齢をチェックして、一発で年を当てることにしています。
ちょっとしたイケズです。当てると、その人がおもしろくない顔になるのを見るのが好きなのです。
と言いつつ、私も若く見られると嬉しいほうです。
先日隣に座った大学生に年齢を聞かれて32歳だと言ったら、「10年前はすごい可愛かったでしょうー」と言われました。
微妙です。一瞬喜びましたが、失礼だわ、という気持ちも出てきました。
「じゃあ、今はどうなのさ」と返すと、「いや、さすがに今は衰えが目立つというか」とハキハキ答えられました。ショックでした。
ふだんは、年齢なんて気にしないわ、と思ってイケズをする私ですが、こうして逆に攻撃されるとすぐ負けてしまいます。
「私の場合はアンチエイジングではないかな~」と、片足を上げる立派なオカマになりたいです。

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茶屋ひろし

茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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