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私はアンティル Vol.137 黙って読んだTの日記

アンティル2009.04.01

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浅い眠りから覚めると横にTがいた。私はそれだけで幸せな気持ちになった。
昔の関係を取り戻せたような錯覚と、いつ現実に戻るかわからない恐れが交互に私を襲っていた。私はTをギュと抱きしめてみる。

T「お早う・・・」

この手を緩めたらTがKの元へ帰ってしまいそうでTの背中に回した腕を戻ることができなかった。

T「久しぶりにあの遊園地に行こうか。」

Tと幾度となく行った遊園地。コーヒーカップでさえ苦手だった私はTと過ごした3年の間に絶叫コースターに乗れるまでになった。思い出の遊園地。

ア「うん!」

私は浮かれに浮かれていた。その時だった。
リンリーン リンリーン
黒電話がリビングで鳴っている。

T「はい・・・・・うん・・・」

不自然な無言が続いている。それは私の心を凍らせた。

T「・・・わかった。」

チャリーン 受話器を置く音が隣の部屋で響いている。

T「アンティル、ごめん。ちょっと出かけてくる。ちょっと待ってて」
ア「・・・うん。」

一人になったTの部屋。Tは自転車の鍵を握り締め慌て駆け出していった。
私の頭にTとKの姿が浮ぶ。そうだ。二人は付き合っているんだ。ただお母さんが留守で、その間に久しぶりに私がこの部屋に来たというだけで、何も変わってはいない。Tは私と別れてKと付き合っている。そうそれが事実。

それまで幸せだったTの部屋の空気が変わった。不安で、嫉妬で、寂しさで私はどうにかなりそうだった。そして私は歪んだ世界の住人になった。Kとはどんな風に付き合っているの? Kってどんな人なの? TはKに何て呼ばれているの? Kとはどんなセックスをしているの?? 止められない衝動が私のカラダを動かしたのだ。机の引き出しに、Tの鞄。私は探偵のようにその形跡を探し始めた。

5月3日。こーちゃん(K)と海に行く。こーちゃんがテープを作ってきてくれた。ユーミンも入っている。すごく幸せ。ペンションもすごくいい感じ。
5月12日。N市のラブホに泊まる。こーちゃんといつものように(ハート)もっと泊まりに行きたいな。
5月30日。夜中の12時にこーちゃんが家に来た。私の誕生日にこーちゃんが撮ったお気に入りの写真をくれた。うれしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こーちゃん・・・・・ラブホ・・・・・・・海・・・・・・・・・・・探していたものは見つかった。しかしその事実はあまりに辛いものだった。床にへたり込んで私は言葉を失う。私は何? ・・・・・・。

目も耳も感情も隠すように私は膝を抱え頭を垂らし闇の世界に逃げ込んだ。しかし、それでもその闇がスクリーンとなってTとKの姿を映し出すのだ。もうここを出て行くしかない。そうだ!この場所から逃げよう!!しかし私はTの家を出ることができなかった。それでもTといたい。私の心からTがいなくなるなど私には耐えることができない。もう何も知りたくない!しかし、そう思ってももう一人の私が私の手を操るように動かし始める。

6月23日。こーちゃん修学旅行に行く。会えなくて寂しい。帰ってきたらいつもの所に泊まりに行こうっていって泣きながら見送った。こーちゃんも泣いていた。大好き。
6月30日。S子のことでケンカになる。絶対S子はKのことが好き。許せない。
7月5日。S子からもらった誕生日プレゼントのキーホルダーを学校の鞄につけていた。こーちゃんとそのことで大喧嘩。
そのメモの日付は昨日で終っていた。

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アンティル

アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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