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ようやくあたたかくなってきましたね。寝ても寝ても足りない春です。
って、春とか季節関係なくよく寝るのは昔からです。

人は25時間サイクルで生きているという説を、大島弓子のエッセイ漫画で読んだ20代から信じていて、本来ならば1時間のズレがあるのにそれを定時に合わせていくから心身ともにおかしくなるんだ、と思っています。
漫画では、それに逆らわないでいると夕方の6時におはようということにもなる、という理想郷が描かれていました。大島弓子になりたい・・って、強く思いました。

今は職場のスタッフの人たちに朝礼で、「時間を守ってください。これはルールです!」なんて言っています。30代にあれだけ遅刻していた私が。1日24時間がおかしいとぶーたれていた私が。季節は巡るものでしょうか。海は死にますか、春は死にますか。死にません。
そのかわりでもないですが、眠れるときは何時間でも寝るようにしています。夜の9時前に布団に入る日もあります(こどもか)。それで昼過ぎに起きたりします。

先日結婚していない同級生男子と会っていて、誰かと一緒に暮らすことの不可能性について、確認してしまいました。猫とか犬でさえ無理じゃない? 植物ですら・・! 水をあげなくちゃいけないなんて、という世界です。
それなのに、あと20年くらいしてまだお互い一人で生きていたら、近くに住むとか一緒に家買うとかなんとかしよう、と都合のいい未来を描きました。

こんなんだから、結婚しなかったのはゲイだからではなくて、必然だわ、と思います。こないだ飲みの席で年上のおっさんに、なんで結婚しないのか、と言われて、ゲイヤカラ! と答えましたが、間違ってるわその返し、とすぐに思い直しました。
ゲイ、関係ありませんでした。セクハラうっさい、とか言うほうがまだマシでした。
男やったら膝を閉じて歌うな、と、これはまた別のスナックで知らんおっさんにからまれましたが、それには、オカマやからこれでええねん! とマイクで怒鳴り返すことができました。それが正しいのかどうかわかりませんが、女の肩を抱いていたその顔が、ぎょっ、としたのでしてやったりでした。

日々のほとんどが仕事と睡眠でおおわれている今では、お酒とカラオケとオナニーくらいしか楽しみがありません。
結婚していて自分の部屋を持たない男は、どこでオナニーしてますか。トイレ? お風呂? 出張先? 壁や仕切りのないお洒落なデザインの家を見るたびに、どこで? と思います。

職場で、乙武さんの話題を振られました。48歳の編集者の女性からです。
「あれ、奥さんが謝った、ってことは、私はもうそういうことはできません、ってことじゃないですかね。性処理、というか、自慰行為の介助を・・」
不倫問題とされている件です。
「だから夫の不倫は自分の責任です、っていうのもおかしいですけどね・・」とぼんやり返します。
乙武さんの奥さんがどのように思っているのかわからないまま、想像で話が進んでいきます。

奥さんだから、私がオナニーをさせてあげなくちゃいけない、ということもない。
ただ、あなたには手がないからオナニーはあきらめなさい、という社会もおかしい。

これは夫婦のセックスレスから見た話にもなっています。
そもそも、有名人の不倫や浮気が断罪される風潮は、どうでもいいを通り越して気持ち悪く感じる私ですが、乙武さんのオナニー問題なら考える必要があるように思いました。

昔から上野千鶴子さんが、フェミニズムは女が男並みになることを目指している思想ではなくて、女が女のままで尊重される社会を望んでいるだけだ、というようなことをおっしゃっていますが、それと同じことかもしれません。
障害者が健常者並みになる必要はない。

「ただ、乙武さんてマッチョなんだよねー」と編集者は不平を言います。

言い換えてみます。障害者が健常者並みを求める権利はあるが、健常者が障害者に健常者並みを求めることは差別である。

私がこれまで、見たり聞いたり読んだりしてきた様々なゲイカップルの話では、別れてから友達となるケースはたくさんあったし、付き合いが長くなってセックスがなくなったら、ほかの人とセックスすることをお互いに黙認している場合もよく聞きました。これは、男女のカップルの規範に合わせる必要はない、ということだと思われます。

男性、健常者、異性愛者の規範やルールに合わせていたら「やってらんない」ところに、新たな関係性が生まれている、というのは個々の現場でたくさん起きていることだと思います。
乙武さんの「私の不徳の致すところ~」と謝罪された文を複雑な思いで読みました。まるっきりよくある、男の有名人の謝罪文だったからです。

当事者がマジョリティに寄せていくことによって、見落とされる(あるいは守られる)関係性があるなら、それは社会が拾っていかなくてはいけない気がします。

*と、書いたところで、週刊文春(4/7)と女性セブン(4/14)に奥さんの独占告白が出ました。
「(三人の)子どもを育てる中で、手足のない体をぞんざいに扱ってしまったことで、彼がとても屈辱的な思いをしたこともあったと思います」と謝罪した理由を述べています。
「子どもたちのためにももう一度、夫婦で手を取り合っていこうと決意しました」ということは、また一人で引き受けるということ・・、結婚制度がもたらす女への負担はかくも重いものですね。

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茶屋ひろし(ちゃや・ひろし)

書店員
75年、大阪生まれ。 京都の私大生をしていたころに、あたし小説書くんだわ、と思い立ち書き続けるがその生活は鳴かず飛ばず。 環境を変えなきゃ、と水商売の世界に飛び込んだら思いのほか楽しくて酒びたりの生活を送ってしまう。このままじゃスナックのママになってしまう、と上京を決意。 とりあえず何か書きたい、と思っているところで、こちらに書かせていただく機会をいただきました。 新宿二丁目で働いていて思うことを、「性」に関わりながら徒然に書いていた本コラムは、2012年から大阪の書店にうつりますますパワーアップして継続中!

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