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東方神起がただものじゃない理由

おのゆり2016.08.08

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 東方神起はアイドルだし、もちろんだいたいがミーハーに、すごくかっこいいって、見た目から入るのだと思うけど、知れば知るほどその魅力は果てしない。たとえば、ユノはめちゃくちゃかわいい。ほんとに。いろんな魅力の、そのひとつひとつに感嘆するけど、わたしは、結局、ユノのすべてがすごくかわいく思えてしまう。声が繊細で甘いのに、でも、コンサートでは、会場のファンをあおるように、力強くかっこよくワイルドに太めの声を張り上げてみたりするんだけど、それすらもやっぱかわいい。だってリーダーらしくオッパらしく男らしくって一生懸命がんばってそうしてるって感じがしちゃうから。でも、そんな風にすごくかわいいくせに、ユノは本気出すとすごい。

 わたしがファンになったとき、最初とても惹かれたのはダンスだった。ユノのダンス。それまでそういうのを日本の芸能界や音楽界では見たことがなかったんだと思う。顔小さくて背が高いほんとにスタイルの良い男の子が、その長い手足を、すらっとしたきれいな男の体をあますところなく使い、文字通り全身で音楽にのってきれいに踊る。なんか、はっとするように惹きつけられる、見たことない感じの魅力的なものだった。それで、ネットで探しまくっていろいろな映像を見ていたらもっともっとすごかった。アイドルなのに、韓国では主に小中高校生がファンなのに、こんなのいいの?って思うほど、セクシーだった。もちろんもろに脱いでるとかそういうことではなく、たとえば、踊るたびにちらちらとのぞくお腹とか、腰をきかせたセクシーな振り付け、ある映像では、彼は、あいまにさりげなくファンに向かって投げキッスしてた、すごい挑発するような表情で。それは一瞬のことだったけど、その色気ったらなかった。なんかすごいエロかった。

 そんな、そこはかとなくエロいユノや、たしかにエロいユノを、わたしはひとりでむっつり思っていたけど、わたしだけじゃなくて、女たちは、トンペンたちは、ちゃんとアグレッシブにそんな東方神起をたのしんでいた。あれは日本の3rdツアー、Ride onていう曲で腰をぐわんぐわんと回して踊る彼らがすごいって、にわかにあちこちでささやかれ、そこがそのコンサートの最大のみどころとばかりに、わたしたちはセクシーな彼らに釘付けだった。コンサートの帰りみち、コーフンした女性たちがいかに彼らがエロかったかを、いかにそんな彼らに感じたかを、声高らかに語り合っているのを見て、やっぱみんなもエロいの大好きだよね、って思ったし、こんな風に女性たちが、もろに男性の身体にコーフンして大さわぎするなんて、なんかすごいことになってるなって、それにもわたしはコーフンした。

 何がすごいって、わたしたち女が見たい男を、男性の身体を、惜しげなく、美しくエロく見せてくれるってことや、それを見てこんな風に積極的に楽しんで、女同士でその興奮を明るく語り合うなんてことは、今までになかったことじゃないだろうか。少なくともわたしが生きてきた中では、東方神起に出会うまでは、わたしはそんなもの知らなかった。

 東方神起はかっこよくてきれいで、セクシーでめちゃくちゃエロい。それは、むきむきのマッチョで色黒で、圧迫感のあるようなのではもちろんなく、かといって、ひょろっとした中性的な感じでもない、たしかに“男”だけど、押しつけてくるような男らしさではなくて、ときに女性のようにも見える繊細さや、やわらかさもあわせ持つような。そんな彼らの姿は、そのパーフェクトな外見と、それから彼らの真剣な生き方ややさしさや純粋に情熱を伝えたいっていう思いとか、そういう中身からくるものでもあると思う。とにかく、そんな美しい彼らがステージの上で、もろに、“男”を感じさせ、性的なことを表現するようなパフォーマンスをして、わたしたちを魅了するんだ。心をうちぬかれないはずがない。夢中にならないはずがない。

 男の人って、男の身体って美しいんだってことを東方神起で知った。そして男をエロい目で見るってことを自然と学んでしまった。男の身体を恥ずかしがらずに感じること、そしてそれをたのしむってことも。それまで、自分の欲望ってものを自分で認めることもちょっと恥ずかしいと思っていたと思うし、ましてやそれを人と話す習慣なんてないし、友だちと話すきっかけもなかった。それなのに、そういういろんな事情やステップをすっと軽く、大きく飛び越えて、東方神起はいとも簡単に、わたしたちにその欲望を真正面から受けとめさせて、その上、何に感じるとかどんなことに興奮するかとかを、たのしく女同士に語らせてしまった。そんな、女にとって新しくてすばらしくたのしいこと、わたしたちは今、手にしたんだ。

 この、東方神起がわたしたちにもたらしたものの意義は大きいと思う。東方神起にはまっていく理由はたくさんあるわけだし、そりゃいっつもいっつもみんなが、ただエロい目で見てるわけではもちろんないけど。だけど、彼らのこのセクシーな魅力、それに、わたしたちがみずから熱狂して素直にたのしむってことを大切にしたい。きっと、それは、わたしたちが人生を前向きに主体的に生きることにつながると思うし、そして、美しくてエロいものは、わたしたちをなんだかコーフンさせて、力や勇気をあたえて、生きていくってことを無条件に肯定してくれるもののように思うから。あぁ、東方神起がいてくれて本当によかった。

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おのゆり(おの・ゆり)

大学院生。
1974年生まれ。東京出身。女性学修士。2012年に渡独し、現在、大学のジェンダースタディーズ博士課程で、フェミニズムや女性運動について研究中。もうそんなに若くもないのに、ひとりドイツで、貧乏学生生活送ってます。トンペン歴8年。 

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