ラブピースクラブはフェミニズムの視点でセックスグッズを売り始めた日本で最初のトーイショップです。

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女性器について話す。語りにくさと軽々しさの合間で、フェミニズムを手放さずに。

北原みのり2019.02.27

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3月3日下北沢のB&Bでトークイベントがあります。「禁断の果実―女性の身体と性のタブー」(花伝社)を巡るトークのタイトルは、「女性器について話そう」。


読みましたか? この本、フェミニズムギャグ漫画ということなのだけど、笑いながらも、気がつくと胸が痛くて泣けてしまう。女性器の歴史。それは私たちのクリトリス、私たちのヴァギナに対する無知と偏見と差別と虐待の歴史そのものだから。


例えば奴隷貿易時代、アフリカ大陸から連行された女性が博物館に生きたまま展示され「女性器」を白人たちにさらされた事実。女性のオナニーをやめさせ、「ヒステリー」をおさめるために19世紀イギリスでクリトリス切除が広く行われていた事実。中世ヨーロッパではクリトリスの突起が「魔女の記し」とされていた事実。“女性器に興味を持ちすぎた男たち”が私たちの身体と人生に及ぼした暴力の歴史。


だいたい、クリトリスとは、外に出ているのはその一部でその大部分は皮下にある事実が発見されたのは1998年なのだし! 快感を得るためだけに存在するクリトリス。ペニスの10倍以上もの神経が集まっているクリトリスの存在に全く無関心でいられた人類の歴史(だいたい家父長)は、女性が取り戻していかねばならないことだらけ、ということを本書は明確に教えてくれる。そして私たちは今、女性の性の困難の歴史を知り、尊厳を取り戻していく過程にいるのだと知る。


女性器を象った作品(制作したのは一般の方々)を店に展示していて私が逮捕されたのは2014年12月。女性器もヘイトスピーチもロリコンも等しく表現の自由だよ、と権力闘争をする女性アーティストの闘いを横目で見ながら、私にとってのフェミニズムとは、フェミニズムアートとは、と突きつけられた。「女性器を表現すればフェミニズムアート」。そんな牧歌的なフェミは、とっくに前世紀の神話なのだと気がつかされたのだ。今の時代、フェミの言葉も思想も、フェミの面をかぶった「りべらる」に暴力的に搾取されていくのだと思った。


これは、女性器について、女性が力を取り戻すためのの本。
翻訳者の相川千尋さんは、これまでピケティの翻訳本を出してきいた。あまりにも分野が違うね、と驚く私に「これは、本当に翻訳したかった本」と仰っていた。すばらしい。こんな風に私たちに、優しいメッセージのつまった本を届けてくれて、本当にありがとう。


正直、女性器について公の前で話すのは、少し怖い気もする。女性器についての語りにくさと、軽々しさの合間に、ずっと沈黙し続けてきた。でも、こんな本を前にしたら、やっぱり前に出て行かなくちゃ、という気持ちになった。
相川さんとのトーク。多くの方に来ていただけたら嬉しいです。



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【イベント概要】(本屋B&Bサイトより)



マンガ『禁断の果実』が、花伝社からついに日本語で刊行されました。女性器・クリトリス・女性のオーガズム・生理について、多くの学術研究を引用しながら知られざる事実を紹介し、本国スウェーデンのみならず、フランス、ドイツなどヨーロッパで大ブームを巻き起こしている本書。刊行後は、日本でも「知らなかった!」という声が多く寄せられています。


本書の刊行を記念して、日本のフェミニズムについて著書も多く、日本初の女性だけで経営するアダルトグッズショップ「ラブピースクラブ」の経営者でもある北原みのり先生をお迎えし、ヨーロッパの性関係書籍に造詣が深い訳者の相川千尋先生と、本書について、そして女性が性を語ることについて、日欧両面から徹底的に語り尽くします!


【出演者プロフィール】
北原みのり(きたはら・みのり)
作家 1996年フェミニズムの視点でセックストイショップ「ラブピースクラブ」を設立。
フェミニズム、性に関する著者多数。「日本のフェミニズム」(河出書房新社)「毒婦。」(朝日新聞出版)「メロスのように走らない」(KKベストセラーズ)「性と国家」(河出書房新社)など



 
相川千尋(あいかわ・ちひろ)
『禁断の果実』訳者 1982年生まれ。仏和辞典編集を経てフランス語翻訳者に。共訳にトマ・ピケティ『格差と再分配――20世紀フランスの資本』(早川書房、2016年)、ジュリア・カジェ『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』(徳間書店、2015年)


イベント詳細ページ:http://bookandbeer.com/event/20190303b/
 
出演 :北原みのり、相川千尋
時間 :2019/03/03 Sun 19:00~21:00 (18:30開場)
場所:本屋B&B
東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
入場料:■前売1,500yen + 1 drink order ■当日店頭2,000yen + 1 drink order

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北原みのり

ラブピースクラブ代表
1970年生まれ
1993年津田塾大学国際関係学科卒業。編集アルバイト、フリーライターを経て、96年インターネットHP制作会社をたちあげるる。1996年、日本で初めて、女性だけで経営するセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」を始める。
著書に「はちみつバイブレーション」(河出書房新社1998年)・「男はときどきいればいい」(祥伝社1999年)・「フェミの嫌われ方」(新水社)・「メロスのようには走らない」(KKベストセラーズ)・「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)・「毒婦」(朝日新聞出版)など。佐藤優氏との対談「性と国家」(河出書房新社)・最新刊は香山リカ氏との対談「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」(イーストプレス社)

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