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  • おかんとコピ Vol.14 幸せのかたまり

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去年の夏は海に行ったり、あちこち出掛けたりしていたけど。今年は新型コロナのせいでイベントは軒並み中止&延期、もしくはzoom集会などに置き換わったりしているが、それでも毎日コピは元気に過ごしているので、退屈している暇はない。さらにコピはzoomにいつも飛び入り出演するので、微笑ましいというか忙しいやっちゃなあと思う。きっと私の代わりに仕事をしてくれているのだ、と思うことにする。

8月は例年、6日から10日ごろに東大阪平和祈念集会がある。こちらは今年、縮小して開催された。いつもは遅くに帰ると、持っていたバッグにコピは飛びかかる。去年の今頃は、愛用しているマリーモンドのトートバッグに寄り添ってめっちゃカメラ目線のコピの写真があった。「俺もな、平和を祈ってんねん」みたいな顔をしていた。そして、8月14日は本軍「慰安婦」メモリアル・デーだ。ちなみに今年は、zoomによるオンラインセミナーでの開催となった。

ある日、食べ過ぎたのか、はしゃいで暴れてたせいなのか、コピがご飯のあと突然吐いた。そのあと、ケロッとしてたので大丈夫だろうとは思うが、床を拭いてたら「心配させてごめんな」みたいな感じでこっちを見詰めてた。そしてそのあとは何事もなかったように寝ている。猫と暮らす先輩でもある友人は「猫はしょっちゅう吐く生き物。月一で吐く。だから、そんなに心配しなくても大丈夫」と教えてくれたので、少し安心。

しかし、猫が吐くのはご飯のお皿の高さも関係があるかも、とネットで見た。ということで、木枠を台にしてお皿の位置を少し高くしてみた。…それでもたまに吐く。長毛なので胃に毛玉が溜まりやすいのか、黒い小さなかたまりを吐くときもある。初めて見た時はびっくりしたが、ただの毛だった。普段からブラッシングをこまめにしているが、さらにしつこく念入りにすることにした。

猫ゲロはさておき、コピはとてもいい匂いがするので、それが不思議だ。いったい、何の匂いなのかはわからない。くんくん嗅いではうっとりしている。肉球周りがたまらない。匂いを嗅いでいたら、おでこをなめられた。猫の舌は痛い。けれど、気持ちがいい。みのりさんにその話をしたら、「匂いで猫の気持ちが分かるようになりたいね」って。このまま匂いを嗅ぎ続けたら、にゃんこ(肉球)ソムリエになれるかもしれない。…そんな職業あるか。

コピを迎えて5か月が過ぎた夏のある日の昼間、小さいダーリン(そこそこ大きくなった長男)とコピが仲良く遊んでいた。猫アレルギーがあったはずなので、大丈夫かと問うと「大人になったから(猫アレルギーは)なくなったんちゃう。キムチ(愛娘犬)が大丈夫やってんから、犬も猫も一緒や。痒くなったら手を洗うから心配すんな」とのことだった。

実は小さいダーリンと普通にいろいろ話したのは、半年ぶりぐらいだった。長い反抗期が続いていて、時々ムカつくけどやっぱり可愛いし愛してるぜと思った。コピばっかり溺愛しているので、拗ねているかと思ったけどそうでもなかった。

2014年の8月18日に反ヘイトスピーチ裁判を提訴して、約4年半の闘いも大変だったけど、子育てとか認知症の親の介護、そっちも実はしんどかった。まるで、しんどさの自転車操業みたいな状態だった。漕ぎ続けないと倒れる(笑)。でも、いろんな経験を出来ることは幸せなことだと思いながら、その間を過ごしていた。このしんどさが、いつかは誰かのためになったらと思っていた。ならなくてもいいけど。私はバカなので、経験しないと、誰かの痛みは分からない。

私は遅くに生まれた末っ子だけど、自分の子どもを産むのは20代で、やや早かった。なので、介護をするにも子育て的にも、体力がしっかりある。しかも、サポートしてくれる人は家族やオモニのロングステイ先、カウンセラーなど周りにたくさんいる。なので、ラッキーだと思う(ことにする)。楽天的か。しかも、この年になって息子がまた増えた。この息子はとても賢いし可愛い。あ、コピのこと。

一方、コピは翌日も小さいダーリンに遊んでもらっていた。「今日も兄貴に遊んでもらった。チュールももらった。また下僕が増えた」「今日も兄貴が来たので、一時間ぐらい遊んでやった。兄貴は俺にもうメロメロや。手首にしがみついて噛んだったけど、笑ってたわ。俺の愛情表現や。疲れたから先に寝るで?」みたいな顔をしている。毎日いろんなことがあるけど、コピはすくすく育ってひたすら可愛い。家族も、コピが加わったことで再構築されているようだ。猫は偉大な存在だなあ。気が付け打いつも、私のそばで丸くなってぐっすり眠るコピ。コピは幸せのかたまり。

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李信恵(り・しね)

1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日2.5世。フリーライター。
「2014年やよりジャーナリスト賞」受賞。
2015年1月、影書房から初の著作「#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル」発刊。 

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