ラブピースクラブはフェミニストが運営する日本初のラブグッズストアです。Since 1996

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求むP-Labia! ラブピ初25年前のバイブをお持ちの方、ご連絡下さい。

北原みのり2021.01.28

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ラブピースクラブは1996年に一つのバイブレーターからスタートしました。名前はP−Labia(Pラビア)。

その時代(90年代)日本で売られていたのは、ペニス型のバイブか堅いローターばかり。しかもセックスとは関係ない体を装うため、北海道旅行のお土産にいただく熊の民芸品のような顔がついていたのです。お爺さんと熊、熊と熊、お爺さんと妖精らしきもののコラボがついたバイブレーターをみて、「なぜ?」という疑問からつくったのがPラビアです。

男性が女性に使うもの、ではなく、女性が1人自分の楽しみのために使うもの、または2人で楽しむもの、という風にバイブレーターのことを考えたら、ペニスである必要などなく、むしろ指のようなものや、そして柔らかさが必要じゃないかな・・・という思いで。

しかし・・・事件が起きたのです。名前もバイブらしくない名前(当時のバイブは覇王伝説とか、熊んことか、そんな名前でしたから)、PEACEやPIECEのPと外性器を意味するラビアをつけ、パッケージもかわいくして、、、と新しいバイブ発売の準備をしていたところ工場から届いた商品になんと!!! ・・・亀の顔がついていたのでした。

亀。

バイブをつくる専門の工場に頼んだところ、顔がなければ猥褻物で問題になるだろうという”親切心”で勝手に亀の顔をつけられてしまったという。今なら作り直してもらうと思うのですが、正直この世界、この日本、このセックス産業がどんなところかもよく分からずにやる気と強気だけで前に進んでいた20代の私、「そういうものなのか」と思考停止で受け入れました。なぜならバイブなど売ったら警察くるかもしれませんし(実際は20年経ってから来ましたが)、当時、国内でバイブをつくっている工場は地方にある家族経営の小さな工場ばかりで(今は日本の工場、ほぼなくなっています)、つくりなおしていただくのも・・・という思いで。亀好きだし、飼ってるし! と気持ちを軌道修正して。
こうしてPラビアはラブピースクラブの第一歩として世に出たのでした。

そうそう、指の形にしたのはもう一つわけがあります。松浦理英子さんの「親指Pの大冒険」という小説を当時の私は非常に面白く読み、足の親指がある日突然ペニスになるのであれば(小説のなか主人公はそういう体験をします)、ある日突然指がバイブになったら・・・ということで、指につけるバイブを考えたのでした。

さて、こんな思い出話を語っているのも。あれから25年、ラブピの大切なシンボルとなるPラビアが、私たちの手元にありません。なぜないのかと言えば、また当時の日本製のバイブは全て塩ビかプラスチック製です。ですから陽に焼けてしまったりなど、経年劣化もかなりあり破棄してしまったのでした。

先日、ラブピスタッフのミーティング中に、そういえばPラビアってどんなバイブだったの? みたいな話になりました。Pラビアが発売された当時、まだ子どもだった世代のスタッフが今ラブピで働いていることを感慨深く思いながら、そしてこの25年でどれほどプレジャーグッズが進化したかなど改めて考えさせられました。

この25年、海外では女性たちがプレジャー産業に参入し、当たり前のように女性のためのグッズがつくられてきました。素材にこだわり、機能にこだわり、デザインにこだわり、プレジャーにこだわったトイ。25年前、私がこれだー!とつくったPラビアは、今みると、もう縄文時代クラスの牧歌的バイブにみえます。そこでバイブレーターの歴史をラブピであらためて振り返ってみよう! とみなで思い立ち・・・そのためにはまずPラビアを発掘せねば、という話になりました。バイブの歴史、女性のプレジャーの歴史を記録するための企画です。

そこで、みなさま。Pラビアをその昔ご購入いただき、そしてまだ手元にあるよ、という方。パッケージもあるよ、という方いらっしゃいましたらぜひラブピースクラブにご連絡下さい。
Pラビアをお譲り下さる方に、2021年最先端のプレジャートイ、LoraDiCarloをプレゼントいたします! 状態などの号相談の上でのやりとりになると思いますが、まずはご一報いただけたらうれしいです! どうぞよろしくお願いします。

Missing Pラビア係 love@lovepiececlub.com

件名に「MissingPラビア係宛」とご記入下さい。

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北原みのり

北原みのり

ラブピースクラブ代表
1996年、日本で初めてフェミニストが経営する女性向けのプレジャートイショップ「ラブピースクラブ」を始める。2021年シスターフッド出版社アジュマブックス設立。
著書に「はちみつバイブレーション」(河出書房新社1998年)・「男はときどきいればいい」(祥伝社1999年)・「フェミの嫌われ方」(新水社)・「メロスのようには走らない」(KKベストセラーズ)・「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)・「毒婦」(朝日新聞出版)・佐藤優氏との対談「性と国家」(河出書房新社)・香山リカ氏との対談「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」(イーストプレス社)など。

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