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モテ実践録(21)ラフォーレ原宿で膣トレボール買いました!

黒川 アンネ2021.06.29

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「モテたい」という気持ちがスーっと消えていくにつれ、体重がどんどん重くなっていった。というのも、定期的に訪れていたデートまたは食事の約束の前に、ある程度走ったり、少し食事を減らしたりとしていた機会が全くなくなってしまい、しかもコロナによって外食できるタイミングすら減り、身近な飲食店もどんどん閉店しているので、単調な生活の中で食べられる時においしいものを食べることに全力を注ぐようになったからだ。おいしいものが食べたい。おいしいと思える状態で食べたい。空腹を覚えるために走ろうかしら。山に登りたい……などと考えている毎日です。お元気ですか?

さて、今年もあっという間に半分が過ぎ、昼の時間が短くなっていく。かなり前のことだけれども、3月に、このコラムを連載させてもらっているラブピースクラブさんが、かの「ラフォーレ原宿」に出店されたので仕事帰りに寄ってみた。というのも、オープン当時、私が大ファンな神田旭莉さんの大きな写真がバーンとラフォーレのショーウィンドウに貼り出されていたので写真を撮りにいったのだ。神田さんは、ニッキー・ミナージュを超えるファッションセンスと存在感をそなえ、「ムーンパンツ」のモデルを務めるほか、自分自身との結婚披露宴も開かれたそう(出席したかった!)。
ということで、薄暗くなった夕方、店の前でそそくさと、地味かつ小心者の私の憧れの存在である神田さんのラフォーレのショーウインドー写真を撮り、そして中に入ってお店を目指した。ラフォーレ原宿自体、初めて入るので緊張してしまう。ラブピ原宿店には本のコーナーもあると聞いていたので、「気まずかったらそこをチラッと見て出ればいいや」などと考えながら(小心者だから)。店内はとても明るく、ミモザの花などの飾り付けがしてあって、私はとりあえず店頭に並んでいたムーンパンツを手に取ってみた。すると、20歳ぐらいの店員さんが話しかけてくれ、月経パンツの洗い方について「お風呂に入るまで脱衣所に血が垂れると嫌だから、パンツ履いたままお風呂に入ればいいんですよ!」と教えてくれる。確かに私も20代ごろまでは経血が多く、夜中にしょっちゅう寝ぼけながらシーツを手洗いしたり、それこそ脱衣所にポツポツと血溜まりができることも多かった(今は経血も減ったし、月経も2日ぐらいで終わる)。

その店員さんの話があまりに面白かったので、「よかったら、店内の商品を案内しましょうか?」という誘いに乗り、他のお客さんがいなかったことを結構に1時間以上も店内に居座って店内をぐるぐる回って、ほぼ全ての商品の解説をしてもらった。セックストイや、自分の体が大事に思えるようなグッズの数々は、デザインも発想も面白い。私が留学中に狂ったようにパーティーで飲みまくっていたココナツのカクテル「ピニャコラーダ」味のオイルは例えば、息を吹き掛ければ火照った感じになるらしい(実際に試させてくれた。本当にピニャコラーダの味がする)。
いろんな話を聞いて、私が一番興味を持ったのは「膣トレ」用のボールだった。これは、握りこぶしにおさまるようなサイズのひょうたん型で、難易度によって重さが異なるが、初心者用は40グラムぐらい(これは調べると、エリンギ1本、あるいは鶏のササミ1本の重さであるらしい)。外側はシリコンでできていて、中に起き上がりこぼしのような重心の変わる重りが入っていて、少しでも揺れると重りがぐるぐる揺れるようになっている。これを最初は30分ぐらい、慣れれば半日ほど膣内に入れておくといいらしい。

「インナーマッスルを鍛えることになるから、実際に試した人がウエストダウンしたんです」という話も魅力的だったけれど、加齢に伴う尿もれや子宮脱を今から予防できるらしい。それは……欲しい! と思い、一番軽いものを購入した。
私は普段タンポンを使っているので自分の膣に自分で何かを入れることにはある程度慣れているけれど(そんなことを言いながら、月経カップを使うと「中どうなってるの?!」と、取り出せなくて焦ってしまうことも多い)このボールもそんなに大きなものではないので入れてもそんなに違和感はないのだが、例の重りがクルクル遠心力で回転するので、膣内にとどめておくためにはキュッと下腹部に力を入れておく必要がある。これが結構面白く、買った当初はよく使っていた(今は在宅勤務で座り仕事が多く、なかなか歩く機会がないのであまり使っていない。使わなければ!)。このボールの進化系には、アプリと連動して締め付けのリズムやその力を測定してくれるものもあるらしく、お金が入ったらぜひ購入したいと考えている。

この「膣トレボール」には友人たちも興味があるらしく、よく装着感などを聞かれることがあるのだが、しかし興味の方向はセックスの時の締め付けにあるらしい。私は近頃、もう現世でのさらなる肉体的交渉を諦めつつあり(合計したら10回ちょっとぐらいの経験しかないのに、卵子凍結の過程でクラミジア2種の既往歴が発覚し途方に暮れた)、あとは精子バンクか友人の精子をもらって人工授精するんだ、としか考えられない状態にあるので、インナーマッスルを鍛え、将来の尿もれや子宮脱に備えたいと買い求め、実際に試すととても楽しいものとして膣トレボールのことを認識してきた。しかし友人らは「YouTubeで膣圧でバナナを切る動画を見た」「叶恭子は動かないまま膣圧でイカせるらしい」等と教えてくれ、私にも、鍛えるとそんな風になれるのかと聞いたのだ。
エリンギ1本分の重さの小さなひょうたん型でさえ、意識していないとすぐにズリズリと抜け落ちてしまう私の現状では「バナナ……?」という感じでもあるし、別に自分のためにやっていることなので男性を意識したものではない。

それと同じようなことを、私は去年末に耳にした。2020年12月にトーキョーアートアンドスペース本郷で開かれたBack and Forth Collective「Feminists in Collective Practice-実践を共にする-」というイベントに、気になっていたアーティスト(友人の経営するアートスペースで、作品も一つ購入した)本間メイさんが出演なさると聞いて、話を聞きに行ったのだ。インドネシアと日本でフェミニズムに関する作品を制作されている本間さんのお話はとても面白く、自身の子育ての経験やフェミニズム関連のリサーチを含めたお話は大変勉強になった。授乳中に生理が止まるというのも、私はこの本間さんの回で初めて知ったのだ。本間さんのリサーチによると、フェミニストのとあるグループでは、使い捨てのプラスチックのspeculum(膣鏡=子宮頸がん検診などに行くと膣に挿入される、金属のヒヤッとしてパカっとするアレ)を使って自分の膣や子宮口を観察するという集まりがあるらしい。従来、医師しか見ることができなかった自分の身体の一部を自分で観察することによって、健康管理ができるほか、光で照らしてもらって自分を鏡で見るそれは、非常に神秘的で美しいものであるらしい。
この話を聞いて、私はとても感激してしまった。自分の体の一部を、他の人のためにあると思い込んで暮らすのはやっぱりすごく寂しいことであるし、他人のものである前に、自分で愛らしく感じることのできる存在であればきっといい。バナナが切れなくても、動かずに男性をイカせることができなくても、自分の身体をポジティブに意識し感じることができるように膣トレボールの使用を再開しようと思っている(アプリ連動のものをいよいよ買おうかな)。

※やさん、ありがとうございました。やさんが記して下さったアプリ連動の腟トレボールはelvieというイギリス製のものです。フェミニスト技術者たちによって開発されました。https://www.lovepiececlub.com/shop/products/detail.php?product_id=4512

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