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LPC官能小説第17回「よかったら、覗いてごらん」と声をかけられて…

鍬津ころ2017.09.27

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 芸術の秋。
 日中は、まだ残暑といってもいいほどの気温だけど、午後3時をすぎると急に秋らしさが増す季節。
 私は繁華街の片隅に建つ、レトロなギャラリーに来ていた。

 仕事のお使い先から直帰したので、まだ4時前。
 この秋流行りそうなアッシュピンクのフレアワンピースはノースリーブ。黒地にボタニカル柄のカーデを羽織った私は、我ながら、ギャラリーのムードにぴったりマッチしていた。
 とはいえ、アートに目覚めたわけじゃない。
 じつは、 実家の母の知人が個展を開くので「記帳してこい」と命令されたの。
 差し入れが必要だったり、無理にチヤホヤしなきゃいけないから、行きたくないんだって。

 ま、母に貸しを作るのも悪くないし。
 そう思いながら、ギャラリーのドアを開けた。
 中は壁も床も板張りで、ランプやスタンドライトの黄色っぽい光に照らされた、やっぱりレトロモダンな空間。
 中央に大きな背もたれのついた、立派な椅子。四方の壁に沿って、豪華な刺繍の布をかけた、細長いテーブル。
 それらの上で、光を照り返しているのは、中指くらいの長さから、天体望遠鏡みたいに大きな……、
 これ、何だろう?
 そういえば、何の個展だか、聞き忘れてた。
 母からのメールにあったのは、ギャラリーの住所と名前だけ。それも、ちゃんと確認しないで来ちゃったから、場所を間違ったんだろうか。

 いったん外に出よう。
 と、後ろを向いた瞬間、
 「よかったら、覗いてごらん」
 声をかけられて、ビクッとなる。
 「覗くだなんて、人聞きの悪い。私、そんなつもりじゃ……」
 自分でも、何が後ろめたいのかよくわからない言い訳をしながら、振り返った。
 壁の一角に立つ衝立の向こうから出てきたのは、ヤダもう、やっぱり!
 四条丸駆クン!
 それも、ガチムチのボディラインをゆったりと覆う、昔の画家みたいなスタンドカラ—のチュニック姿。その下には、やっぱり充分な余裕のあるワイドパンツ。
 その格好だけなら、ただのコスプレ企画?って感じ。
 だけど、彼の目つきや表情は、ヒヤリとするような、ミステリアスなオーラをまとっていた。
 今まで見た彼とは、全然雰囲気が違う。デカダンな芸術家みたい。

 「……覗くって、何を?」
 「カレイドスコープ」
 私の目を見据えながら、低い声で彼は言った。その声に耳の下をくすぐられたみたいに、ゾクゾクしちゃう。
 カレイ、なんだか知らないけど、このギャラリーでは、それの展覧会が開催されてるらしい。やっぱり間違ってたか。
 だけど、そんなこと、すぐにどうでもよくなった。
 「万華鏡のことさ」
 そう続けて、彼は中央の椅子に歩み寄り、30センチ以上ありそうな、陶製らしい筒を取り上げた。彼の大きなてのひらと指が、かろうじて回るくらい太い。
 なんだかHな連想をさせる眺めに、私の顔はカッと熱くなった。
 だって、しょうがないじゃない。駆クンが、まんげきょう、なんて言いながら太くて長いモノを……。
 「さあ、覗いて」

 私、魔法にかけられたようにフラフラと進み、彼から万華鏡を受け取って、片目に当てる。彼は私の後ろに回り、背後から腕を伸ばして、万華鏡を回転させる手助けをしてくれた。
 「……わぁ……」
 幾何学的につながりあう美しい模様で、丸い視界がいっぱいになる。
 筒が回るにつれ、模様はゆっくりゆっくり変化していく。
 鮮やかに花開いた蔓バラが絡み合うような、妖艶な模様へ。極彩色の鳥の羽を、合わせ鏡に映したような、幻惑的な模様へ。
 私も、子供の頃に持っていたはずだけど、こんなに綺麗じゃなかった。
 「こんなのもあるよ」
 彼、私に大きな万華鏡を持たせたまま、今度は反対の目に、中指くらいの小さい筒をあてがう。
 こんな小さな万華鏡もあるの?

 今度は小さすぎて、片目を閉じないとうまく覗きこめない。
 そんなに小さいのに、描き出される模様は無限大みたいに広がっていて。官能的なほど複雑につながりあっていて。
 思わず喉を鳴らす。と、
 「美し過ぎて、怖いくらいだろう?」
 「……ッ!」
 私のうなじに唇をつけて、彼が囁いた。
 いつの間にか私達、密着してる。
 チュニック越しに、彼の筋肉の起伏と、熱いエネルギーを感じた。お尻には、もっと熱いフランクフルトみたいな塊が、押し付けられている。
 「ぁ、や……」
 「君が持ってるの、7万くらいする作家物だから、気を付けるんだよ」
 「えぇぇ〜!?」
 そんなこと言われたら、太い筒を両手でしっかり握るしかない。
 お尻の割れ目にネジ込むように、彼が股間を押し付けてきても、抵抗なんかできないの。

 「ほら、君のワンピースと同じ色だよ」
 「くぅ……ッ!」
 彼が「同じ色」と言ったのは、さっきの小さい万華鏡。
 それがわかるのは、私のワンピースの裾が胸の上までまくられているから。ショーツをおろされ、私のアソコを出入りする筒の色が、私に見えるから。
 彼の指先につままれてると、小指くらいにしか見えないソレが、私のナカをリズミカルに往復している。
 クッチョ、クッチョ、といやらしい音に合わせるように、
 「あっ、うん、ああッ、んふぅ!」
 私の声も止まらない。
 アッシュピンクの金属製の小さな万華鏡には、凝った浮彫や飾りがくっついていて、凹凸が目立つの。
 その凹凸で、ナカの感じるポイントを引っかかれる、たまらない。倍の太さのモノでイジめられてるみたいで、Mっぽい悦びさえ感じてしまう。
 「イイよ、シたいように、してごらん……」
 そんな私に囁く彼の言葉は、悪魔の誘惑みたい。

 「……ぇぶぅ、ふぁっ、んあ、アッアッ……」
 私、彼にそそのかされるまま、両手に握った7万円の万華鏡を舐めしゃぶっている。
 ナカをこすられながら、滑らかな陶器の表面に舌を這わせていると、複数の彼に凌辱されてるみたい。
 妖しい模様に絡め取られて、理性が失われていく。
 大きいのと小さいの、それに彼の股間の万華鏡にお尻を攻められて、私はもう爆発寸前。
 「……一番イイのは、どの万華鏡?」
 「んはぁッ、ぇ、じぇんぶイイッ、全部きもひいぃのぉおーーーッ!」

 「……ノウ? かれいすこぅ?」
 「……はいぃっ!?」
 目の前に、鼻の高い外人のおじさんが立って、不審げに私を見てる。
 そこはギャラリーのドアの前。
 今回は私、中に入ってさえいなかったみたい。
 ナカにはまだ、小さい万華鏡のゴリゴリした快感が残っているみたいなのに。
 首をかしげながら、足元の看板を指さすおじさん。
 たぶん、カレードスコープ展とでも書いてあるんだろう。

 私は、ひきつった笑顔を無理やりに浮かべる。
 "マンゲキョウには、もうマンゾクしましたから"
 と、言えるような英語力はないので、
 「い、いえーす、いえす、あい、のう。ぐっばい、さんきゅー!」
 とかなんとか口走りながら、後ろ歩きでギャラリーから離れて行ったの。

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鍬津ころ(くわつ・ころ)

札幌出身、東京在住。山羊座のO型。アダルト系出版社、編集プロダクション勤務後、フリーの編集者&ライター。2011年『イケない女将修行~板前彼氏の指技vs官能小説家の温泉蜜筆』でネット配信小説デビュー。近著『ラブ・ループ』(徳間文庫)。馬、鹿、ジビエ大好き飲んだくれ系アラフォー女子。タバコの値上がりには500円までつきあう覚悟。 

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