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ろくでなし子さん逮捕報道から見えてくるもの・「自称芸術家」?……この国の報道の現実って

栗林デバ子2014.07.26

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このサイトを運営する北原さん初め、大勢の人がろくでなし子さんの逮捕について、怒り、疑問の声をあげています。
デバ子もメディアのはじっこにいる人間なので、今回のなし子さん逮捕についての報道について書きたいと思います。


このニュースを知ったのは移動中の電車のなかでした。ツイッターをチェックしていたら毎日新聞のツイッターで「女性器つくり頒布 容疑の芸術家 逮捕」と流れてきたので、「女性器?まさか?!」という気持ちで記事を読んだのです。
読んで仰天したのが、なし子さんにつけられた「自称芸術家」という肩書きでした。その後、私が確認しただけで朝日新聞も産経新聞も「自称芸術家」という言葉を使っています。


「自称」をつけることで、こんなにも人の仕事を軽んじ、名誉を傷つけることができるんだ、と呆然としたのと同時に、あ?、これ警察の発表通りに書いたな、とピンときました。


事件や事故が起きて、容疑者が逮捕されると、新聞社には警察から「広報」という名の発表が送られてきます。
そこには、何時何分にどういう容疑で誰を逮捕したのかが書かれており、記者クラブの担当記者は、その紙をもとに取材をします。(よくニュースで「住所不定無職の男を逮捕した」とか聞きますよね。あれは広報の住所の欄に「不定」、職業の欄「無職」とあるから)


現場に行って当事者や目撃者に話を聞くこともありますが、多くの事件は警察の担当者に取材をして終わり、ということが多いです。
もちろん、その事は褒められたことではない。一方で、ニュースは時間との勝負でもある。限られた時間のなかで、警察発表の裏付けを取ることに限界があることも理解はできる。


でも、ですよ。インターネットで「ろくでなし子」の名前を検索しただけでも、ろくでなし子さんがマンボートをつくろうとしていたことや、画廊での個展のこと、著書『デコまん』の情報がたっくさん出てきます。なし子さんのツイッターを読むだけでも、日々、なし子さんがどんな活動をして、何を考えていたのかがわかるはず。
なぜ新聞は警察発表のまま「自称」をつけて記事にしたのか。私はそこがどうしても理解できません。


もし私が取材していたら、「漫画家」という肩書きも必要ではないかとは思えど、「自称」は絶対につけなったと思う。むしろ「女性器はわいせつなのか」とか、別の視点の記事の方がおもしろいんじゃないですか?とか提案していた気がします。


そしてもっとも下劣だと思ったのがテレビの報道でした。見た人も多いと思いますが、ろくでなし子さんが逮捕される映像を撮って流したのです。
警察はたびたび、テレビ局の記者に、容疑者の逮捕や送検(容疑者を警察署から検察庁に送ることですね)のタイミングを教え、映像を撮らせます。目的はもちろん、自分たちの手柄を大きくアピールしたいから。


報道の役目として、大事件の容疑者の映像を流すことは大切だと思う。
でも、そんなに高名でもない(なし子さん、すみません!)、重大犯罪者でもなく、かつ警察によれば、「芸術家を自称する女」の逮捕映像を流すことにどんな意味があったのでしょう。絶対に、なし子さんが「女」であり、「まんこ」だったからだと思う。


あの写真家の篠山紀信だって書類送検だったのに、何の証拠の隠滅をするつもりのない女性芸術家(だって、なし子さんの主張は『まんこはわいせつではない』であり、データ送信自体は認めています)を逮捕し、拘留した意図は何だったのか。
メディアならむしろそっちに関心を持てよ!


なし子さんは7月24日、日本外国特派員協会で記者会見を開きました。
デバ子はもう日本のメディアには期待できない、日本の記者クラブが終わっている、ということの象徴のように受け止めました。日本の新聞、テレビこそ「自称・報道機関」になっているのではないでしょうか。

 

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【栗林デバ子・くりばやしでばこ】

週刊誌記者。事件や裁判、犬とK-POPをこよなく愛するおひつじ座。シンガポールの動物園でハダカデバネズミを見てから、その怪しい魅力にハマっている。
ひっそり土の中から世の中にキバをむくデバ子・・・。

 

 

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