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インドで開かれたIICW(世界女性会議)へ参加してきました!遠いインドで日本の被災地女性に対する犯罪の実情を知るとは。

栗林デバ子2014.08.29

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みなさん、夏休みはどこかに遊びに行きましたか?
デバ子は8月17日~20日まで、インドで開かれたIICW(世界女性会議)に参加してきました!


数年に一度、性差別や女性に対する暴力などの研究者やアクティビストが集まり、各国の実情を報告しあうこの会議、今年はインド南部のハイドラバードに世界57カ国から700人以上が集まりました。


インドでは、2012年12月にニューデリーでバスに乗っていた女子学生が男6人に集団レイプされた上、バスの外に投げ出されて死亡する、という悲惨な事件が起きて以降、女性への性犯罪が社会問題になっています。


インド政府も厳罰化をはかるなど、対策を取り始めているそうですが、まだまだ女性蔑視が根深くて、女性が性暴力被害を訴えても、「結婚したらいい」(えっ?!犯罪者とですか?)とか、「カネで解決」(ふざけんな!)とか、警察が捜査もせず、逆にとんでもない提案をすることが多いそうです。
また「消える赤ちゃん」と言って、圧倒的な男性優位社会のために、女の子だと分かると中絶されてしまう赤ちゃんも少なくないとか。


インドだけじゃない。パキスタンでは、家族の意思に反して、自分の好きな男性と結婚した女性が「家の名誉を汚した」と一族の男たちに殴り殺されたり、交際を断っただけで「恥をかかされた」と硫酸を顔にかけられたりする事件が頻発しています。
他にも、性器切除や誘拐結婚・・・、多くの国で、女の人が日々、傷つけられ、命をうばわれています。英語がほとんどできないデバ子ですが、そういうことを知りたいな、と思って参加しました。


ところが、ハイドラバード大学で行われた開会式を見て、力が抜けちゃいました。
基調講演では、きっとインドの上野千鶴子みたいな女性が出てきて、性暴力や女性差別について力強く訴えるだろうと期待していたのですが、登壇した女性が突然ポエムみたいなものを読み始めて。その後も、女性のワークライフバランスがいかに大事かみたいな話やハイドラバード伝統の歌(たぶん・・・)が延々続いたんですよ。
ハイドラバードの町では、キャリアウーマンらしき女性なんて見かけなかったけど?つるんでいる男たちはたっくさんいたけど、車やバイクを運転している女性すらみかけなかったよ。ライフとのバランスを考える以前に、ちゃんとしたワークについている女性がいないのでは?!なんて実情にあわないキレイごとを言っているんだ。


翌日から始まった各研究者によるプレゼンテーションも、持ち時間が1人約10分とかなり短く、かつ、パワーポイントによる資料もなく手書きの原稿をバーッと早口で読み上げるだけ、という発表者もいて、デバ子の英語力と理解力では、ほとんどわかりませんでした。当日、飛び入りで発表する研究者もいて、もはや、「いったいあなたはどこから来た何者ですか?」というところから分からない人も。
何のために、片道16時間もかけて、ハイドラバードくんだりまでやってきたと思ってんだ!!
会議の名誉のために付け加えると、オーガナイズする大学の担当者によって、レベルがかなり変わるとのこと。(毎回ひどいわけではないらしいので、ご興味のある方は、次回のブラジル開催に行ってみてくださいね)


と、悪口をいろいろ書いてしまいましたが、日本や韓国のすごいエネルギッシュな研究者の方々に会って、直接お話を聞けたのは本当に刺激になりました。


また、お茶の水女子大学で被災地のDVを研究している小川真理子さんの発表を聞いたのですが、被災地ではDVがとても増えているそうです。
DVだけじゃない。シングルマザーに対するセクハラや性暴力も増えているとか。
多くの被災者が集まる避難所では、プライバシーは、わずか数十センチの段ボールでできた仕切りだけ。子どもを抱えた女性は、配られる食事の列に並ぶのも大変です。
そんな時、「代わりにもらってきてやるよ」と親切に声をかけるオッサンがあらわれるとか。
ただの親切な人ならいいのですが、朝起きると、隣に寝ていたりとか、セクハラをすることもあるそうなんです。
シェルターや支援団体がデータを集めているそうですが、日本では大きく報じられることはないそうです。
まさか日本の実情を遠いインドで知ることになるとは。
日本のメディア、終わってる・・・・。
女性に対する犯罪を軽く見ているという点では、インドも日本もそんなに変わらないのかもしれません。


※ 誘拐結婚については、ジャーナリスト林典子さんの『人間の尊厳 ~いま、この世界の片隅で~』(岩波新書)『キルギスの誘拐結婚』(ナショナルジオグラフィック)が詳しいです

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