ラブピースクラブはフェミニズムの視点でセックスグッズを売り始めた日本で最初のトーイショップです。

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歩いていたらオジサンがぶつかってきた上、「ちっ」と舌打ちされたので、「今は謝るところでしょう」と言うと、「ばーか」と言われた。びっくりしたので、「今、ばかって言った?」と聞くと、「ばかにばかと言ったんだ」と言うのである。頭にきたので、「それ、大人としてどうなの?」と言うと、オジサンはまた「大人だからばかにばかと言うんだ」と言うのである。相手にしてはいけないという信号が働きつつ、ついつい口から出てしまう。「ばかしか言ってないね。ボキャブラリーが少ないね」するとオジサンは「ボキャブラリーって何だよ」と言うのである。「語彙力がないってこと」と言うと、「ばかだ、ばか」と言って、かかかっ! と笑いながら立ち去っていってしまった。
 
 
オジサンと言っても、石原世代。白髪で小柄で身なりも悪くない。孫もいるかもしれない。おじいちゃん、おじいちゃんって親しまれているかもしれない。普通のオジサン。
 
都知事選でも実感したけど、高齢化社会ってやっぱりまずい。
年寄りは身を小さくしろ、引退しろ、と思ってるわけじゃない。だけど、世代的に、女をばかにして平気な感覚、上から物を言って平気な感覚を持つ男たちの声の大きさがますます大きくなるような感じに、戸惑う。戦時中の暴力トラウマに、徹底した男尊女卑思想が、70年とか80年くらいで変わるわけもないでしょう。力尽くで女を犯すことがセックスだと信じていたような世代の男(石原慎太郎の小説のイメージです~)との、あまりにも深い断絶に、老害って言葉よりも、ジジイ害って言葉の方がぴったりのように思います。
 
四年間、ああ、これから四年間。テレビで叫ばれてる「日本の力」の正体を見たように思う。こんな時だからこそ、おまえはばかか、おまえはあほか、足りないのか、と差別発言を繰り返し何かを言っているような気になっている「力尽く」のリーダーを選ぶ感性。そんな日本の力に、体力奪われないように生きたいです。
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北原みのり

ラブピースクラブ代表
1996年、日本で初めて、女性だけで経営するセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」を始める。
著書に「はちみつバイブレーション」(河出書房新社1998年)・「男はときどきいればいい」(祥伝社1999年)・「フェミの嫌われ方」(新水社)・「メロスのようには走らない」(KKベストセラーズ)・「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)・「毒婦」(朝日新聞出版)など。佐藤優氏との対談「性と国家」(河出書房新社)・最新刊は香山リカ氏との対談「フェミニストとオタクはなぜ相性が悪いのか」(イーストプレス社)など。

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