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自分のうんちをコップに入れたことがありますか?
昨年私は常夏の国タイで休暇をとっていた。久しぶりの休日で身も心も弾んでいた。その島は別名ココナッツアイランド。ヤシの実と、どこまでも続く青い海が私を非日常の世界へと運んでくれた。
ホテルにはプールがあった。少し太り気味の私は、このバカンスでダイエットしようと毎朝500mを泳ぐことを目標にした。誰もいない朝日の中のプール。
タイはプールまでも青いのか?!と思うほどの水面、その色はブルーオーシャン。プールサイドで飲むパイナップルジュースも美味しい。夕方までプールサイドで音楽を聞いたり、昼寝したり。夕方になるとバイクで街に出かけ、ありえないほど安いマッサージを受け、マッサージ後は、素朴だがカラダに滲みる冷たいお茶を飲む至福の時間。『あーなんて幸せなんだ・・・』
しかし2日目に悪夢の前兆がやってきた。なんか風邪ぽい。一緒に行った友達にカラダの不調を訴え、常備しているおなじみの日本製風邪薬を飲んで一人部屋で眠り込む。明日からは、大奮発して予約した超豪華リゾートホテルが待っている。なんとしても治さねばならない。しかし、次の日になってもまだカラダはだるかった。『気合いしかない・・・』超豪華リゾートホテルにチェックインしてウェルカムドリンクを飲みながら私は海に誓った。
私達の部屋はありえないほどリッチな部屋だった。窓の向こうはすべて海のビラ。東南アジア特有の熱気を扇風機のように和らげてくれる海風。少し寝ようと私はキングサイズのベットに横になった。『寒い・・・』『苦しい・・・』『気持ち悪い・・・・』夕日が落ちる部屋で私は一人唸っていた。友達はエステに出かけている。立てずに床を這い回り、洗面所に行こうとする私。そこに
♪ピンポーン ○△$)$(#‘“(”キャーーー
殺人現場のようになっている部屋で掃除担当の女性が悲鳴をあげる。
(以下想像)
女性 「どうしました?」
私  「うーうーーー」
女性 「頭を打ちましたか?どこか悪いのですか?」
私  「あーー」
女性 「待っていて下さい!バトラーを呼んできます!」
女性は10分後、バトラーと友達を連れて戻ってきた。意識が遠のく中で友達とバトラーが英語で話をしている。
友達「これから街の病院に運ぶからね。」
私 「うーーーーーー」
これまで味わったことのない吐き気、気持ち悪さ、そして41度オーバーの熱と寒気。血を抜かれ、注射を打たれ、読めない名前の病院のベットで私は苦しんでいた。
医者(友人通訳)
 「入院です。」
私『いやーーーーーーーー』
その病院は観光客でも最高級ホテルに宿泊していないと入れないという病院だった。個人部屋は広く、軽く10畳はある。シャワー完備でこれまでに行ったどの病院よりホテルっぽい清潔で広い部屋だった。いっこうに症状が変わらない私はそんな部屋をかすかな意識の中で認識し、安堵した。夜、友人は私を残しバトラーと帰って行った。
入院2日目、目が覚めると目の前に看護士がいた。もちろんタイ人だ。まったく言葉が通じない同士、身振り手振りで情報を伝える。体温はまだ40度。吐き気は少し治まったがまだ辛い。看護士はそんな私に優しく微笑みかけ紙コップを渡した。それは日本のそれと似た検便カップだ。看護士はそのコップを差し出しながらトイレを指差す。これは間違いない。検便をしろということだ。
私は点滴をつり下げながらホテル並みのきれいなトイレに入って思った。
『これ、どうやってうんちをとればいいのだろう』
小学校の時の検便を思い出してみる。確か小さなスプーンがあった。でもこれにはない。ではトイレに落ちたウンチをどのように紙コップに入れればいいのだろう?まだ朦朧とする意識の中で紙コップをまじまじ見てみる。毛糸が絡まっているようなタイの言葉が刻まれているがなんて書いてあるかわからない。しかし唯一その紙コップでわかるもの、それは“線”であった。世界共通の“線”
『そうか!ここまでの量を入れろということか!』
しかし問題はどのようにうんちを入れるかという問題だ。そこで私が出した答えは“この線に届く位の量のうんちを自力で調節してダイレクトでコップに入れるということ”だった。それ以上でも以下でもいけない。失敗したら手についてしまうことだってある。私は緊張と吐き気で渦を巻くカラダに力を込めてトイレに座った。『今だ!』線に届く量のうんちが出たと思う所でギュッとカラダに力を入れ、その隙にコップを抜く。手につくことなく紙コップを救出した。が、しかしその線より3cmほどうんちが多い。『どうしよう・・・・』しかし私にはその後を思案する力は残されていなかった。紙コップを床に起き、私は眠り込んだ。
コンコンコン
友人がバトラーと共にやってきた。バトラーは果物やパンや特製ケーキが入った大きな籠を持っている。
友人「どう?」
私「うん、あんまり調子よくない。はやくホテルに帰りたい(泣)あのね、
  朝、検便したんだ。看護士の人呼んできてくれる?トイレに検便したのが
  あるから」
友人「うん!」
友人は扉を開けて看護士を呼びに行った。扉の向こうにヤシの木がそよいでいる。
友人「呼んできたよ!」
私「ありがとう」
看護士「ぎゃーーーーーーーー」
トイレから看護士が飛び出してきた。そしてもう一人看護士を連れてやってきた。
2人目の看護士「ギャーーーーーーーーーーー」
その声につられ友人がトイレに入った。
友人「なんなのあれ・・・」
私「何ってうんち・・・」
コップにはちょうどジェラードのように先が尖った健康そうなうんちがアイスほどに乗っている。
私「だってさ・・あのさ・・なくてさ・・」
看護士は半分笑いながらどちらがこのコップを持つか争っていた。
笑い声と悲鳴と共にドアの向こうに帰って行く看護士。ドアの隙間からは気持ちいい風が病室を満たしていた。
つづく

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アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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