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禿げて思う秋の夜

アンティル2014.10.08

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もし私がこの先、禿げてしまったら私はレディースアートをかぶるだろうか?
カツラをはがし、そのままの自分になった時に、満面の笑顔でカミングアウトをする歓喜に包まれるのだろうか?そんなことを引き続き考えている秋の日々。
私は第何時期かのカミングアウトブームを迎えている。


私がオンナとして生まれてきたことを知らないと思っていた人達が知っているという事実を知って、私はカツラ人(びと)に共感している。
カツラをかぶりながら私がカツラであることを誰も知らないと思っていたら実はみんな知っていたという仕打ち。その恥ずかしさにも似たショックを受けてから、私はカツラをかぶる人の悲しみやいじらしさに共鳴している。ならばいっそ、ハゲのまま生活しようか。そんな感情になるのもよくわかる。そしてあえてカツラのままでいようと決心する強さにも共感できる。私はどの道を辿るべきか。そんな中、私はカミングアウトを始めた。


他の人から知らされるより自分で伝えたいと思う大切なオンナ友達へのさりげないカミングアウト。
「あのね、私、実はセクマイなんだ」
そう言うとほとんどが
「せくまい?」
という反応になる。
「セクシャルマイノリティで、実はオンナなんだ」


驚いたことにほとんどの反応が
「やっぱり・・・なんかおかしいと思っていた・・・」
となる。“男なのに話していてもイヤじゃない”“日本の男にもコミュニケーションできるこんな人がいるんだとグローバル日本を感じていた”“カフェやかわいいもの好き過ぎて変だと思っていた”etc
だいたいがこんな反応だ。そんな反応からも日本の男の実情が見えてくるようだ。それはオンナが正確な男の実情を把握している上で男と必要最低限のコミュニケーションを取っているという証明でもあるように思う。みんな日本の男と深いコミュニケーションを取ることを諦めているのだ。それが今の日本。2014年秋なのだ。


『ここまで!』
そのコミュニケーション可能ラインはあまりにも低い。話題も限定される。会社の話、知識や情報の共有、心の軽微な動き。それ以外は認識エラー。
そして諦められないオンナは、外国人にそれを求める。


「日本の男は話が続かないし、深まらないんだよね。深まろうとするとそこから先がまったく通じない。向こうも興味がない。だから私はそのことに慣れちゃって日本の男には期待してない。ずっとアメリカやヨーロッパにいたから始めはすごく驚いたけど今じゃ慣れたよ。でも基本、日本の男はパス。アンティルといるとあの頃の男友達との楽しい日々を思い出すんだ。男とも深まれる喜びみたいな。」


そう行ったE子の話しをカフェで聞きながら、私は自分がパリのこ洒落た金髪のおしゃれ男子になった気がした。


「話をしたい時はオンナ友達じゃないと無理。男とはカラダだけでいいのよ」
そう話すD美の話しを聞いて、私は女子会まっただ中の女子になった気がした。
その時の私は、美ストーリーさながらの美魔女だ。


男は欠陥品なんだと思う。ある能力がズバッ!と抜けている。それは言葉を使って自分心を表現したり、相手の心を推し量る、その会話を楽しめるという能力だ。その代わり会社や組織の話になると饒舌になる。それはまるでロンボットのようだ。知識をチップに埋め込んで、それを出し入れする。そしてそのロボットは無駄に進化している。プライドという部品を備えてしまっているのだ。


進化したロボットが暴走し、人間を支配し世界を滅亡させるという昔のB級映画のストーリーさながらの世界が今の世界だ。それは外国人だったら変わるのかと言えば、そうではないことを世界のニュースは物語っている。しかし今、日本はロボットがものすごい勢いで徒党を組み始めている。ロボットの大反乱だ。
従軍慰安婦。強制はあったのかなかったのか、朝日新聞報道がどうのこうの、そんな話は被害にあったハルモニ達の経験に比べたらどうでもいいことだとなぜわからないのだろう。直視しなければいけない所にロボットは視界は届かない。日本の威厳を保つため徒党を組むロボットたちは心ある人間達の声を打ち消そうとする。心と向き合うことを無駄なことだとも言うようにカチカチとカラダを動かし行進して行く。そんな男達に私達は持つ言葉を持たない。


私は男に何の期待もない。そしてカミングアウトを通し聞くオンナ達もまた同じだ。しかし、期待できないと無視をしてロボットにいいようにされる内に私達の世界は壊れてしまう。きっと始めに壊れるのはオンナ達の心だ。


カミングアウトしながら私は一つの喜びを得た。それはオンナとオンナが結びつくことの楽しさを知り尽くすオンナ達が多いことだ。オンナはオンナを信じている。心で知っている。その力がロボットにはけして想像できないだろう。
どうロボットと戦うべきか、利用すべきか・・・。
人間の持つ力、オンナを信じて、ロボットと向き合う勇気を私は持ち続けたいと強く思う。

 

 

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アンティル(あんてぃる)

ラブローター命のFTM。
数年前「性同一性障害」のことを新聞で読み、「私って、コレかも」と思い、新聞を手に埼玉医大に行くが、「ジェンダー」も「FTM」という言葉も知らず、医者に「もっと勉強してきなさい」と追い返される。「自分のことなのに・・・どうして勉強しなくちゃいけないの?」とモヤモヤした気持ちを抱えながら、FTMのことを勉強。 二丁目は大好きだったが、「女らしくない」自分の居場所はレズビアン仲間たちの中にもないように感じていた。「性同一性障害」と自認し、子宮摘出手術&ホルモン治療を受ける。
エッセーは「これって本当にあったこと?」 とよく聞かれますが、全て・・・実話です!。2005年~ぶんか社の「本当にあった笑える話 ピンキー」で、マンガ家坂井恵理さんがマンガ化! 

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